子どもたちが自由に創作活動を楽しめる場所を目指して2014年に開設された街のアトリエ1号室スタジオげん。近くを流れる川での自然観察や植物の栽培など、環境を活かしたユニークな活動を通じて、子どもたち一人一人の感性を育んでいます。藍染めや綿花の観察など、自然と密接に関わる体験型の美術教育について、代表の山田さんにインタビューしました!
サービス概要
ー街のアトリエ1号室スタジオげんについて教えてください。
山田さん:当教室は幼児から小学生、社会人まで幅広い年齢層を対象としていますが、メインは小学生です。すぐ近くに川があり、その自然環境を活かして、子どもたちは川へ出かけて自然物を採取したり、動植物の観察をしたりしながら、その体験を絵画や工作として表現していきます。
設立の経緯
ー設立のきっかけについて教えてください。
山田さん:2014年5月の開設は、この場所にあったNPO法人が運営する子育てカフェとの縁がきっかけでした。私自身が美術作品の制作や子どもの美術教育を専門としていたこともあり、子どもたちが自由に創作活動を行える場所を作りたいという思いから、このアトリエを始めました。
特徴・アピールポイント
ー他の美術教室との違いについて教えてください。
山田さん:最大の特徴は、環境を活かした体験型のアプローチです。例えば、5月に藍の種を蒔き、8-9月に収穫した葉で藍染めを行ったり、綿花を育てて観察したりと、植物の成長過程を継続的に体験できる機会を提供しています。
通常の絵画教室や美術教室では見られない、自然と密接に関わりながらの創作活動を行っている点が特徴的です。
指導方針
ー指導する際に特に意識されていることはありますか?
山田さん:子どもたち一人一人が自分自身を表現できるようになることを最も大切にしています。基本的なプログラムは用意していますが、その中で「自分がやりたいこと」を自由に表現できる環境づくりを心がけています。
「どうしたらいいの?」と聞いてくる子どもたちには、「自分のやりたいことをやればいいんだよ」と伝え、自分の感性に自覚的になり、好きなものを表現に取り入れていけるよう導いています。
コース内容
ーどのようなコースがありますか?
山田さん:主に3つのコースを展開しています。「おそとであーと」クラスでは自然体験を通じた創作活動を行い、「月1クラス」では生徒が自由に材料を選んで好きな表現活動を行います。また、より年齢層の高い生徒向けに「月1回絵を描くクラス」も設けています。
開校以来、特に小学生の継続率が高く、現在はほぼ満席状態が続いています。ただし、転居などで随時空きが出る際には、お問い合わせ順に新規の生徒を受け入れています。
今後の展望
ー今後の展望についてお聞かせください。
山田さん:テクノロジーの発展が進む中で、私たちが特に大切にしたいのは、子どもたち一人一人が自分から発信する力を身につけることです。AIやデジタル技術が発達しても、自分でアイデアを思い描き、それを形にしていく創造性は、むしろこれまで以上に重要になってくると考えています。
私たちは、子どもたちがテクノロジーに使われるのではなく、自分の意思で「こうしたい」という思いを持ち、それを実現できる人に育ってほしい。そのために、これからも自然との関わりを大切にしながら、子どもたち一人一人の創造性を育む場所であり続けたいと思います。
メッセージ
ー最後に、記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
山田さん:子どもたち一人一人が持つ面白さや特徴は、時として集団の中で埋もれがちになります。しかし、それぞれの違いこそが個性であり、良さなのです。当アトリエでは、その違いを楽しみ、伸ばしていける場所でありたいと考えています。
毎年3月末には作品展を開催しており、子どもたちの成長の軌跡を見ていただける機会となっています。興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。