学校・家庭・地域をつなぐ!ファミリーネットワークの挑戦

家庭という基盤は、個人の成長や社会の発展において非常に重要な役割を果たします。しかし、現代ではさまざまな要因によって家庭が不安定になり、子供たちの成長や親子関係に影響を及ぼすことも少なくありません。そうした課題に向き合い、家族全体をサポートする活動を行っているNPO法人ファミリ―ネットワーク・村岡様にお話を伺いました。

心の予防教育、カップルサポート、高齢者支援という3本の柱を軸に、幅広い世代をサポートする取り組みについて詳しくお聞きしました。

家庭回復を支える3本の柱とは?

家庭回復というテーマのもと、子供たちだけでなく、家庭全体、さらにはそれを支える地域も含めたサポートを行っています。主に3つの柱があります。

1つ目は心の予防教育です。小中学校を対象に、特に道徳の授業の中で「心の授業」を提供しています。現代の子供たちはSNSや情報過多の環境で育ち、ストレスやプレッシャーを抱えることが増えています。そのため、道徳教育と組み合わせながら、自己肯定感を育むためのプログラムを実施しています。

2つ目はカップルサポートです。結婚式の実施や、結婚に関するカウンセリングやコーチングを行っています。また、結婚前のカップル向けに「プリペアーエンリッチ」というシステムを活用し、よりよい関係を築くためのサポートを提供しています。最近では、結婚後の夫婦関係に関する相談も増えており、コミュニケーションスキル向上のワークショップも開催しています。

3つ目は高齢者支援です。秋田県は現在、世界最先端の高齢化地域となっています。そこで、「後期高齢者」を「幸せで喜びにあふれる高齢者として「幸喜高齢者」として捉え、彼らが地域の良きモデルとなるよう支援しています。公民館大学やサロン活動を通じて、高齢者が活躍できる場を提供しています。これにより、高齢者が孤立せず、生涯現役で地域の一員として貢献できるような仕組みを作っています。

こういった活動を始められた背景についてお聞かせください。

30年ほど前から、仕事柄さまざまな相談を受ける中で、不登校や引きこもりの子供たちへの理解が当時は非常に低かったことを痛感しました。学校に行かない子供たちに対して「怠けている」という見方が強く、スクールカウンセラーもいない時代でした。

そんな中で、ある学校の先生から「学級崩壊したクラスで子供たちの心が落ち着く話をしてほしい」と依頼を受けたことがきっかけで、「心の授業」を始めました。すると、その取り組みが好評を得て、さまざまな学校から依頼が増え、現在の活動へとつながりました。

また、家庭問題についても、個別相談を受ける機会が増えたことから、夫婦関係や親子関係を改善するためのプログラムを開発しました。特に、カップルが互いの価値観を理解し合い、良好な関係を築くためのワークショップは、多くの方々にご好評をいただいています。

他にはない特徴やアピールポイントについて教えてください。

私たちの強みは、トータルサポートができることです。幅広いネットワークを持っているため、相談者の悩みに応じて適切な支援機関へつなぐことができます。

また、地域の方々や各機関と良好な関係を築いているため、自分たちだけで解決しようとするのではなく、適切な専門家と連携しながらサポートを行えるのが大きな強みです。

さらに、私たちは単なる相談窓口としてではなく、実際に行動し、支援を具体化することに力を入れています。たとえば、家族関係の悩みを持つ方には、単に助言をするだけでなく、必要に応じて専門カウンセラーやセラピストと協力しながら、継続的なサポートを提供します。

また、地域の方々との強固な連携を活かし、自治体や学校とも協力しながら問題解決に取り組んでいます。具体的には、地域の公民館や学校で講演を行い、子供たちや親御さんに向けて実践的なアドバイスを提供する場を設けています。このような取り組みにより、相談者が孤立せず、支援の輪の中で安心して前に進める環境を作っています。

さらに、単発の支援にとどまらず、長期的な視点でのサポート体制を整えているのも大きな特徴です。家庭内の問題は一朝一夕で解決するものではないため、必要に応じて定期的なフォローアップを行い、相談者が自分自身の力で解決できるように導くことを大切にしています。

このように、私たちは単なる情報提供やアドバイスに留まらず、実際に行動し、問題の解決に向けた具体的な支援を提供することで、多くの方々の生活をより良いものにしていきたいと考えています。

参加方法に関しては以下のようになっております。心の予防教育は、学校からの依頼を受けて実施しています。個人的な相談は、メールや電話で受け付けており、Zoomや対面でのカウンセリングも行っています。カップルコーチングは、ホームページから申し込み可能で、2回のカウンセリングを1万円程度で提供しています。

さらに、地域のイベントやワークショップを定期的に開催しており、初めての方でも気軽に参加できるようになっています。講演会や交流会などを通じて、より多くの方々に活動を知っていただきたいと考えています。

今後の展望についてお聞かせください。

この地域においてモデルとなる大人を育てることが目標です。年齢に関わらず、子供たちが「どう生きるべきか」を学べるような、大人の生きざまを示せる人材を増やしていきたいと考えています。

また、この考えに共感し、一緒に活動してくれる仲間を増やすことも大切です。地域の中で、より多くの人が「自分も支え手になれる」と感じられるような環境を作っていきたいですね。

さらに、今後はオンラインのプラットフォームを活用し、全国の方々にも支援の輪を広げていきたいと思っています。

最後に、この記事を読んだ方へのメッセージをお願いします。

多様性の時代、皆さん一人ひとりが得意なことや苦手なことを持っています。だからこそ、あなたの得意なことを活かして、この地域を一緒に支えていただけたら嬉しいです。ぜひ、あなたの手を貸してください!