伝統的な水墨画を現代に合わせて進化させている栗庵水墨画教室。20代から70代まで幅広い年齢層が通い、プロの漫画家から外国人まで、様々な目的を持った生徒が集まっています。一人一人の個性を大切にした指導で、昨年の中国国際水墨画芸術展では教室から出展した5名全員が入賞を果たしました。カルチャーセンターとは一線を画す、新しい形の水墨画教室の魅力に迫ります。
水墨画教室の特徴と対象年齢について
ー水墨画教室の特徴と対象年齢についてお聞かせください。
安達さん:対象年齢は、小学生以上であれば年齢制限はありませんが小学生の場合は保護者同伴が必要です。
栗庵水墨画教室の特徴は、カルチャーセンターのような一斉指導ではなく、一人一人の個性に合わせた指導を行っている点です。基礎はしっかりと教えますが、その後は生徒さんが描きたいものを描いていただきます。もし描きたいものが決まっていない場合は、こちらから提案もさせていただきます。
また、同じ日に入門された生徒さんでも、練習量や上達度に差が出てくるのは自然なことです。その差に応じて、一人一人に合わせた指導を行い、上手くなりたい方には、より詳しい指導を行い、楽しみながら学びたい方にはそのペースで進めていきます。
教室の開催時間と場所について
ー教室の開催時間と場所を教えてください。
安達さん:1クラス90分で、第2、第4水曜日と第2および第4土曜日に開催しています。水曜日は14時と15時40分からの2クラス、土曜日は10時と11時40分からの2クラスを設けています。
現在は東京・銀座を中心に教室を開いています。以前は千葉県四街道市でも教室を開いていましたが、適切な教室スペースの確保が難しく、また地方では生徒さんの集まりも課題となり、現在は休止しています。
教室の定員は8名までとしていますが、日程変更にも柔軟に対応しているため、最大10名まで受け入れ可能です。
道具と料金について
ー道具と料金についてお聞かせください。
安達さん:初めての方には必ず体験レッスンを受けていただいています。体験時は道具を貸し出しており、筆の持ち方から道具の使い方まで丁寧に説明します。
水墨画の道具は、一般的な習字の道具とは全く異なるのですが、書道経験者の方は筆の持ち方が身についているため、比較的早く上達される傾向にあります。
料金は、月8回開催のうち、6回まで受講可能なプランが15,000円、2回までのプランが10,000円となっています。頻繁に通える方には6回プランがお得ですが、仕事の都合などで通えない方のために2回プランも用意しています。
生徒さんの年齢層と特徴
ー現在通われている方の年齢層について教えてください。
安達さん:20代後半から70代まで、幅広い年齢層の方が通われています。特に興味深いのは、若い世代の中にプロの漫画家の方がいらっしゃることです。その方はデジタル作業が中心の仕事の中で、手書きの水墨画を通じて心をリセットする機会として教室に通われています。
また、日本の伝統文化に興味を持つ外国人の方も増えています。彼らには、日本人生徒とは異なるアプローチで指導を行っていますが、基礎的な部分は必要最小限にとどめ、まずは水墨画の楽しさを体験していただくことを重視しています。
教室の歴史と今後の展望
ー教室の歴史と今後の展望についてお聞かせください。
安達さん:教室を始めて約5年になります。現在の銀座の場所に移転したのは昨年の夏からです。これまで5か所ほど場所を変えてきましたが、ようやく今の場所に落ち着きました。
今後の展望としては、生徒さんの成長に重点を置いています。昨年は中国国際水墨画芸術展にて、教室から5名が出展し、全員が入賞、そのうち1名が準大賞を受賞しました。このような公のコンペティションでの成果は、生徒さんのモチベーション向上にもつながっています。
また、私自身も常に新しい表現を追求し、展覧会に出展することで、生徒さんに背中で示していきたいと考えています。さらに、外国人の方々への指導方法も磨いていきたいと思っています。
水墨画を学ぶ方へのメッセージ
ー最後に、水墨画を学ぼうと考えている方へメッセージをお願いします。
安達さん:経験者の方も未経験者の方も、まずは体験していただきたいと思います。他の教室では教えてもらえなかった技術や、新しい表現方法を学べる機会があります。また、書道の先生が現代的な表現を学びたいと来られることもあり、様々なニーズに対応できる教室を目指しています。水墨画に興味をお持ちの方は、ぜひ一度体験にいらしてください。