子どもたちの可能性を広げる「IBLラボ」:探索型学習で未来を切り押く

総合的な探索学習の重要性が高まる中、学校現場だけでなく、学校外の教育機関でも新たな取り組みが注目されています。今回は、昨年設立された「IBLラボ」の活動内容やビジョンについてお話を伝いしました。個性を生かし、社会で生き抜く力を育む独自の教育プログラムに迫ります。

サービスの概要や事業内容について教えていただけますか?

はい、私たちは「IBLラボ」という団体を昨年立ち上げました。IBLは探索学習”Inquiry Based Learning”の略称です。この団体では、文部科学省が推進す「総合的な探索の時間」に対応した学習内容を提供しています。社会と英語、家庭科とサイエンスなど、複数の分野を組み合わせた学習を子どもたちに体験してもらい、探索的な能力を育むことを目指しています。

学校の現場では、「探索学習」を指導するためのノウハウや経験を持つ先生がまだ多くありません。そのため、学校外でこの学びを補完し、子どもたちが将来に向けた力を育てる環境を作りたいと思いました。このような背景から、「IBLラボ」を立ち上げることに致りました。

具体的な活動としては、体験型の学習や子どもたち自身が主体的に考えられるプログラムを中心に提供しています。たとえば、社会問題をテーマにしたディスカッションや、実際に計画を立てて実行するビジネス体験などがあります。

どのような年齢層の子どもたちが対象ですか?

基本的には小学生から中学生を対象としています。ただし、内容によっては未学学児でも楽しめるプログラムを用意しています。たとえば、ニュース記事をテーマにしたディスカッションでは文字を読める子どもが対象になりますが、簡単な体験型のワークショップでは未学学児も参加できます。

小学生の場合は、特に柔軟な思考を養うための活動に重点を置いています。中学生になると、実際の社会とのつながりを意識したプログラムが増え、進路やキャリアについて考えるきっかけを提供しています。

具体的な例として、「お店づくりビジネスワーク」があります。このプログラムでは、子どもたちに収支計算やイベント企画を実踐してもらい、ビジネスの基本を学んでもらいます。ただの模擬体験ではなく、実際に出店して売上を得るところまで行います。このような「リアルな体験」を通じて、子どもたちはお金の流れや仕事の責任感を学びます。

また、「町づくりワークショップ」では、都市計画をテーマに、子どもたちが理想の町を考え、具体的な計画を立てます。ただの絵描きで終わるのではなく、コンセプト設計や現実的な要素を盛り込みながら、町全体のデザインを仕上げていきます。

これらの活動を通じて、子どもたちが持つ「考える力」「創造する力」を引き出し、実社会で役立つスキルを育てることを目指しています。

この活動を始めたきっかけを教えてください。

元々は私たちが運営する「日本サマーヒル・アカデミー」からスタートしました。日本サマーヒル・アカデミー」は、得意を伸ばし、プロフェッショナルを育てる教育法を採用したオルタナティブスクールです。子どもたちが個性を生かしながら主体的に学ぶ環境を提供しています。不登校の子どもたちの中には、非常に高い知能を持ちながらも、学校の枠組みには馴染めない子がいます。彼らが自分の能力を発揮できる場を提供したいと考えたのが、この活動を始めたきっかけです。

また、私自身が研究者や起業家としてのキャリアを持っていることも大きな要因です。その経験を生かして、「自分で仕事を作り、自分の力で生きていく力」を子どもたちに伝えたいと考えました。このような力は、将来のキャリアを切り開く上で非常に重要です。

IBLラボの特徴や教育方針について教えてください。

他にはない特徴として、「リアルなビジネス体験」にこだわっている点が挙げられます。たとえば、イベント企画や商品販売では、収支計算や実際の運営までを子どもたちに体験させます。また、単なる模擬体験にとどまらず、実際の市場で出店して売上を得ることまで行う点が特徴です。

教育方針としては、現実に即した内容を重視しています。子どもたちにとって、実現可能な計画を立て、それを形にする経験は非常に貴重です。また、活動を通じて「社会で生きる力」を養うことを目指しています。

さらに、子どもたち一人ひとりの個性を大切にする姿勢を持っています。それぞれの得意分野や興味関心に合わせたプログラムを提供し、無理なく成長できる環境を整えています。


今後の展望をお聞かせください。

今後は、より多くの子どもたちにこの活動を届けたいと思っています。今後はより多くの子供たちに、この活動を届けたいと思っています。ただ受験やテストに直結しないためこの教育活動の価値を理解してもらうことが難しい場合もあります。そのため、ホームページやSNSを活用して活動内容を発信し、この取り組みの意義を伝えていきたいと考えています。

また、活動の範囲を広げ、地域を問わず子どもたちに学びの機会を提供できるようにしたいと思います。さらに、現在行っているプログラムを深め、新しいプログラムの開発にも取り組む予定です。

最後に、この記事をご覧の保護者の方へメッセージをお願いします。

子どもたちの個性を生かし、それを武器にして未来を切り開く力を育む教育を提供しています。ぜひ一度、体験プログラムに参加してみてください。お子さんの新しい一面を発見し、成長を実感できるはずです。