兵庫・宝塚市で開かれている「宝塚二胡&バイオリン教室」は、基礎から丁寧に学べる個人レッスンが魅力です。趣味として始めたい大人から、音大進学を見据えたお子さんまで幅広く対応し、それぞれに合った指導が受けられます。
今回は、教室の立ち上げ背景や指導方針、そしてこれからの展望について、お話を伺いました。
幼児からシニアまで、それぞれに合わせた丁寧なレッスンを
この教室では、バイオリンと二胡の両方のレッスンを提供しています。対象は幼児から大人まで幅広く、音楽の素養を身につけたい方に向けて、基礎からきちんと学べる指導を行っています。
弦楽器は音程や音色の正確さが求められるため、趣味であってもまずは基礎をしっかり身につけることを大切にしています。
バイオリンは幼児からシニア層までさまざまな年代の方が在籍しており、中には60代の方もいらっしゃいます。一方、二胡は比較的大人の生徒が中心で、若い方でも30代からスタートし、最高齢では80代を超える方も。
バイオリン教室は比較的多く存在しますが、個人で二胡を教えている教室は非常に少ないため、二胡の生徒の方が多いのも特徴の一つです。
教室を始めたきっかけと、二胡との出会い
教室を立ち上げたきっかけは、戸建てへの引っ越しでした。それまでは外部の音楽教室で教えていたのですが、環境が整ったことで、二胡の先生から「教室を開いてもいいのでは」と背中を押されたのが始まりでした。
実は、音楽と出会ったのは4歳の頃。大学院在籍中に恩師からの依頼で教えに行った経験が指導の原点です。元々民俗音楽が好きで、バイオリンだけでは表現しきれない音楽の世界に魅力を感じていたものの、自分自身がまだ習っている身という思いもあり、他の楽器に手を出すことに躊躇していました。
しかし、あるとき「バイオリンを教えていい」と言われたことで気持ちに変化が生まれ、かねてから関心のあった二胡に本格的に取り組むようになりました。
バイオリンは、子育てや引っ越しなどのライフイベントに合わせて、近所の子どもたちに教えてきましたが、二胡に関しては自分自身も長く学び続けています。
音楽と学業の両立を支える指導
この教室では、音楽の専門に進まない子どもたちに対しても、音楽を続けながら学業とのバランスを大切にした指導を行っています。
たとえば小学校低学年までは毎日しっかりバイオリンに取り組み、中学受験や定期試験などで楽器から一時的に離れる時期があっても、しっかりと基礎を積んでおけば挽回できるという考え方です。
音楽の世界で育ってきた方の中には「テスト期間でもレッスンは休まない」といった厳しい指導をされる方もいますが、私はそのような指導には慎重です。音楽だけでなく、子ども自身の成長や気持ちも大切にしたいという想いがあります。
二胡に関しても、他の教室ではグループレッスンが多い中、この教室では個人レッスンにこだわっています。二胡に興味はあるけれど中国音楽にはなじみがないという方のために、日本の曲や好きなジャンルの曲も取り入れながら、少しずつ中国の楽曲にも親しめるようなカリキュラムを心がけています。
指導で大切にしていること
指導の際には、子どもも大人も「できないこと」に対して否定するのではなく、「もう少しこうしたらもっと良くなる」という前向きな伝え方を意識しています。
子どもは特に純粋なので、丁寧に伝えれば素直に直してくれることが多く、注意する際にも感情的にならず、淡々と繰り返すようにしています。
大人の場合はタイプによって対応を変えています。何度も注意しても改善されない場合でも、レッスン料をいただいている以上、毎回指摘し続けることを大切にしています。とはいえ、それぞれに合ったペースで、楽しく前向きに学べるような雰囲気づくりを常に心がけています。
今後の展望と目指す教室のかたち
今後は、バイオリンの生徒数をもう少し増やしていきたいと考えています。そして、将来的には生徒同士で合奏を楽しめるような機会をつくりたいと思っています。
今はまだソロや講師との三重奏が中心ですが、いずれはピアノ伴奏と一緒に複数人での合奏ができるようなレベルを目指していきたいです。
また、音大への進学を希望する生徒に対しては、しっかりと基礎を固めた上で、信頼できる先生への紹介も行っています。
楽器との出会いは一生のもの。音楽人生のスタート地点で、良い土台を築くお手伝いができたら嬉しいです。
難しいからこそ感じられる達成感と喜びを伝えたい
教室に興味を持ってくださった方に伝えたいのは、「楽器を弾けるようになる」には、それ相応の努力が必要だということです。とくにバイオリンは難しい楽器として知られていますが、二胡も決して簡単なものではありません。
実際、体験に来て難しさに驚かれる方もいれば、「この音が好きだから頑張りたい」と続けてくださる方もいます。
ただ、そのぶん、努力すればするほど確実に上達を実感できる楽器です。ピアノのように感覚で何となく弾けるものではなく、誰もがゼロから始めて、少しずつ成長していく。その過程に大きなやりがいがあります。
誰にでもできる楽器だからこそ、難しさの先にある楽しさや達成感を一緒に味わっていけたらと思っています。