『アクティブ体操クラブ』代表の高山寛斗氏は、体操は単なるスポーツではなく「人間形成の場」だと語ります。三重県と和歌山に複数の教室を持ち、200人を超える会員が通うこの体操教室の特徴は、「誰も置いていかない」という揺るぎない理念にあります。
運動神経の良し悪しに関わらず、一人ひとりに合わせたカリキュラムで確実に成長を促す独自の指導法。そして、鬼ごっこやドッジボールなどを取り入れた「コーディネーショントレーニング」で基礎運動能力を高めつつ、楽しさも大切にする工夫が詰まっています。
3歳の子どもから50代の大人まで受け入れ、中には不登校から学校に通えるようになった子どもたちもいます。体を鍛えることで心も変わり、人間性が育まれていく —— そんな体操の無限の可能性について、高山氏の熱い思いと実践をお届けします。

Hiroto Takayama
出身地:三重県松阪市
スポーツ歴:体操15年(小学1年生~大学4年生)
コーチ歴:体操コーチ歴13年目
趣味:体操、フィッシング、キャンプ、スキー、サマースポーツからウィンタースポーツまで体を動かすこと全般
人間力を育む!幅広い年齢層を対象とした体操指導の世界

ー高山様、本日はどうぞよろしくお願いいたします!。まず簡単に、どういった方を対象にしている体操教室なのか、そしてどういった指導を行っているのか、『アクティブ体操クラブ』の概要についてお伺いしてもよろしいですか?
高山寛斗代表(以下敬称略):『アクティブ体操クラブ』の年齢層は、幼児から大人まで幅広く対象としています。メインでは幼児から子供向けが基本ですが、一部のコースには大人の方も来ていただいています。大人の方たちはバク転をしたいという趣味で来られる方もいれば、ダイエット目的で体を動かしたい方など、様々な目的で参加していただいています。
指導内容については、単に体操だけを教えるのではなく、子どもたちの成長を促しながら将来の進路が広がるような教育も含めた指導を行っています。
ーホームページを拝見して、体操の技術だけでなく子どもたちの未来を見据えたコンセプトだと感じました。体操をすることで子どもたちにはどのような成長が期待できるのでしょうか?
高山:体操という競技は特殊で、メンタル面に強く影響し、自分自身を成長させる競技だと思います。楽しさや嬉しさだけでなく、苦しみや辛さも含めて様々なことを学べるので、将来的に困難を耐え抜く力や、メンタルを強くしながら様々なことを乗り越える力に繋がります。私たち指導陣もそこで鍛えられた経験があるからこそ、次の子どもたちにもそれを伝えていきたいと思っています。
「体を操る」その先にあるもの:心身の成長と自己コントロール力の秘密

ー体操は個人でストイックに自分と向き合うイメージが強いですが、団体競技とは異なる成長の面があるのでしょうか?
高山:体操は「体を操る」と書くように、自分の体を操れる人間が上手くなっていきます。
体操は筋力トレーニングや柔軟性、厳しいトレーニングを積み重ねた結果、自分の体をコントロールできるようになります。そこにいくまでには心の成長も必要で、体が強くなることによって心も変化していきます。自分の体を操ることで自分の心も操れるようになり、精神的にも肉体的にも成長する幅がどの種目よりも大きいと思います。
体操をする子どもたちは本当に、人間性が良い方向へ変わっていきます。人としても成長し、それがなければ技術的にも上達しません。それが他の種目との大きな違いだと思います。
地方から始まる革命:高山代表が語る体操教室設立への情熱
ー高山様が『アクティブ体操クラブ』を設立された経緯やきっかけを教えてください。
高山:「体操」という魅力あふれる競技をもっと多くの子どもたちに知ってほしい、楽しんでほしいと思ったことがきっかけです。過去に私自身が経験してきた時は楽しさよりも辛さや厳しさを感じる環境でしたが(笑)、体操をより広めるためには楽しさも目いっぱい含めながら、最終的には人として成長できる場を作る必要があると考えました。
また、スポーツが活発に広がりにくい‟地方”にメイン展開して、地域とスポーツを通じたコミュニケーションを広げていきたいという思いもあります。
ー高山様は、元々は他の体操教室に所属されて指導されていたのですか?
高山:はい、元々は体操クラブで修業するような形で指導者として学びました。大学時代から自分も練習しながらコーチのアルバイトをして、そこから専門的に指導技術を学んできました。
他の教室とここが違う!アクティブ体操クラブの独自メソッドとは
ー他の体操教室にはない『アクティブ体操クラブ』ならではのアピールポイントは何でしょうか?
高山:私たちが特徴的に取り入れているのが「コーディネーショントレーニング」です。これは基礎運動能力の向上を図るトレーニングで、ドッジボールや鬼ごっこなどの遊びを通して楽しみながら運動能力を上げていきます。この土台があってこそ体操の種目上達に繋がっていくと考えています。
ー他の体操教室ではこういったトレーニングはあまり取り入れられていないのですか?
高山:そうですね。一般的には練習時間を確保したいため、コーディネーショントレーニングに時間を割くところは少ないと思います。でも私たちは「辛いだけでは乗り越えられない」と考え、まずは「体操は楽しい」と感じてもらうことを大切にしています。
「置いていかない」という哲学:一人ひとりに合わせた成長を支える指導法
ー指導する際に特に意識していることや、スタッフ間で共有している方針があれば教えてください。
高山:私たちの指導方針は「子どもを置いていかない」ことです。能力が高い子はどんどん上手になりますが、運動が苦手な子や能力が低い子は、このようなストイックな種目では置いていかれがちです。
しかし私たちは、そういった子たちも必ず置いていかずに、どうすれば成長できるか、成功できるかを常に考え、一人ひとりに合わせた指導をしています。これはクラブの理念として全員で共有しています。
ーとは言っても、体操クラブに入ってくる子はそれなりの運動神経がある子が来るのかなというイメージがあるのですが、もしあまり運動ができない子が来て「バク転がしたい」と言った場合、これは指導によって可能になるものなのでしょうか?体操はセンスが必要なイメージがあるのですが…
高山:子どもによって成長過程や成長スピードは違いますが、一人ひとりの「できる・できない」に応じたトレーニングを行います。その子に合ったカリキュラムを作り、まずはそれをクリアできるようにしてから次の段階へと進めていくので、時間はかかってもできるようになることがほとんどです!
楽しむか、極めるか:目的に合わせた一般クラスと選手クラスの魅力

ー提供しているコースやプランについて教えてください。
高山:大きく分けて「一般クラス」と「競技者クラス」があります。
「キッズコース」「育成コース」「アクロバットコース」などは一般クラスに分類され、学校体育で良い成績が取れる内容に加えて、バク転などの体操技も取り入れています。
一方、「ジュニアコース」や「ジュニアエリートコース」「ジュニア育成コース」などは競技者クラスとして競技志向に特化しています。一般クラスから競技者クラスへの移行には進級テストをクリアし、保護者との面談を経て、競技志向の理念に理解いただいた上で入れるシステムになっています。
このように「楽しさ」を重視するコースと「ストイックな成長」を目指すコースをしっかり分けることで、それぞれのニーズに合わせた選択ができるようにしています。
未来を見据えて:地域と連携し広がる体操教室の可能性
ー今後の展望やビジョンについて教えてください。
高山:今後はもっと地域と協力してイベントを増やしたり、私たちからの発信で様々な活動を行ったりして、地域と一緒に盛り上げていきたいと考えています。また、子どもたちの運動能力低下が進む中、学校と協力して補っていく役割も担いたいと思います。
ー三重県や和歌山に、すでに複数の教室があり相当な人気があることがうかがえますが、‟体操を習う”というニーズは高まっているのでしょうか?
高山:ニーズは確実に増えています。私たちの子ども時代と比べて状況は大きく変わりました。現在は学校教育の安全重視の流れと、外遊びの減少により、室内で安全に運動能力を高められる体操教室へのニーズが急増しています。保護者が子どもにさせたい習い事ランキングでも上位に入っていますよ。
三重県では私たちのクラブだけでも200人ほどの会員がいます。男女問わず3歳から高齢者まで対応できる体操は、これからもっと需要が広がっていくでしょう。
3歳から50代まで!年齢を超えて成長できる体操の驚くべき効果
ー大人の方も参加されているのですか?
高山:はい、アクロバットコースでは55歳くらいの方も来られています。全く体操経験がない方でも、ストレッチから始めて、今では側転や倒立前転ができるまでになった50代の方もいます。
年齢を重ねるほど体操の効果は大きく、ストレッチや柔軟性を高めるだけでも怪我のリスクが下がり、健康維持に繋がります。
「先生のおかげで人生が変わった」:入会を考える方へのメッセージと指導者の想い

ー最後に、『アクティブ体操クラブ』に入会したいと考えている方へ、熱いメッセージをお願いします!
高山:運動が得意な子も苦手な子も、私たちのクラブに来ていただければ、必ず運動が大好きになり、成長することができます。ぜひお越しください。
また、体操を通して子どもたちは本当に変わっていきます。自分との戦いを続け、トレーニングで体を作り、それによって心も変化し、挨拶や礼儀、社会性を身につけていきます。不登校だった子が学校に通えるようになったり、対人関係が改善されたりするのを見ると、この競技の素晴らしさを実感します。
子どもたちの成長を間近で見られることが指導者の醍醐味であり、自分自身も成長させてもらっています。「先生のおかげで今の自分がある」と言ってもらえることが最高の喜びです。体操で人生が変わったと言える子どもたちをこれからも育てていきたいと思います!