小学生から中高生までを対象に、オンラインを中心とした独自の教育プログラムを展開するNPO法人アイアイスクール。「全ての親子の心と体と魂の成長に貢献し、自分を表現できる世界を実現する」という理念のもと、哲学的アプローチで子どもたちの可能性を引き出しています。通常の学習指導ではなく、自己理解と創造的な生き方を支援する新しい学びの形として、多くの反響を呼んでいます。その特徴的な教育メソッドと、今後の展望について代表の後藤さんにインタビューしました!
NPO法人アイアイスクール インタビュー記事
理念と活動概要
ーまず、アイアイスクールの活動概要についてお聞かせください。
後藤さん:私たちは、「全ての親子の心と体と魂の成長に貢献し、自分を表現できる世界を実現する」という理念のもと活動しています。対象者は小学生から中高生のお子さんとその親御さんです。
当団体はIQという知能面だけでなく、EQという感情面、そしてPQという身体面を総合的に培える教育を目指しています。特に「魂」の部分、つまり心の奥底から自分の本当にやりたいことに たどり着くことを大切にしています。
オンラインとリアルの活動形態
ー具体的な活動形態を教えてください。
後藤さん:私たちはコロナ禍の時期にスタートしたNPOで、現在6年目を迎えていますが、主にオンラインでの活動が中心です。アイアイスクールの中でも子供を対象とした「アイアイ塾」というプログラムがあり、これは通常の学習指導ではない独自のプログラムです。創設者が哲学者ということもあり、哲学をベースにした特別なカリキュラムを展開しています。
アイアイ塾は5-6人のグループで構成され、10回のプログラムを実施しています。現在約10チームが並行して活動しており、それぞれが3週間おきなど、独自のペースで進めています。最近では対面での活動も始めていますが、まだ実施頻度は限られている状況です。
独自の教育メソッド
ー具体的にどのような教育を行っているのでしょうか。
後藤さん:例えば、本を読むことからスタートし、単なるあらすじではなく、自分が感じたこと、思ったことを対話します。最初は戸惑う子もいますが、グループ活動を通じて他者の考えに触れることで、自分自身への気づきを得ていきます。
特徴的なのは、本を読んで「自分って誰なのか」という哲学的な問いかけをしていくことです。子どもたちは活動を通じて、「わたしはミラクルな人だ」「わたしは勇気の人だ」と自分を新しく創作していきます。そしてその気づきを実際の学校生活などに活かしていくのです。
設立の経緯と成功事例
ー設立のきっかけを教えていただけますか?
後藤さん:元々は一般社団法人アイアイ・アソシエイツという団体の中の「個の発展プログラム アイアイアカデミーのプログラム」から始まりました。その後、茨城県土浦日大高校野球部にて子供向けのアイアイコーチングをメンタルトレーニングとして実施する機会があり、大きな成果を上げることができたことがきっかけです。
当初、選手たちは「やらされている」という様子でしたが、次第に変化していって「俺の人生今日から変わるかもしれない」と前向きな姿勢に変化していったのです。
結果として、土浦日大高校野球部は31年ぶりに甲子園出場を果たし、その後2年連続で出場、一昨年は甲子園でベスト4まで進出。特筆すべきは、チームの結束力が高まり、選手たち自身で考えて行動できるようになったことです。この成功体験が、NPO法人として活動を広げていくきっかけとなりました。
アイアイスクールの特徴と強み
ー御社の強みやアピールポイントについて教えて下さい
後藤さん:最大の特徴は、「創作的に生きる」という考え方です。これは言われたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分で考えて創作的に行動することを重視しています。特に重要なのは、「過去は消していい」(参考文献「超解釈サルトルの教え」光文社出版 堤久美子著)という考え方です。これは高校生たちにも強く響いており、新しい瞬間を大切にする姿勢につながっています。
私自身も、50代での人生の転換を経験しました。この経験から、年齢に関係なく新しいことに挑戦できる、という信念を持っています。子どもたちにとっても、昨日までの経験に縛られることなく、新しい可能性に挑戦できる、という考え方が大きな励みになっていると感じています。
子どもたちへの接し方と大切にしている価値観
ー利用者と接する際に意識しているポイントを教えてください。
後藤さん:私たちが最も大切にしているのは、「そのままでよし」という考え方です。子どもたちは往々にして、他者と比較して自分を見がちです。「隣の子のほうがかっこいい」「友達のほうが頭がいい」といった具合に。しかし、私たちは「あなたはあなたのままで良い、自分らしく生きていこうよ」「あなたの良さを伸ばしていこう」という姿勢を大切にしています。
特に注目しているのは、一般的に「短所」と見なされがちな特徴です。私たち大人も、つい「この短所を直そう」と考えてしまいます。しかし、その特徴こそがその子らしさであり、むしろ長所として、その人としての素晴らしさとして捉え直すことができるのです。
これは特に9歳前後の子どもたちにとって重要です。心理学的に「9歳の壁」と呼ばれる時期があり、自分が他者と違うことに気づき始める時期です。その時期に「あなたはあなたでいい」というメッセージを伝え、その個性を伸ばしていく。それが子どもたちの天才性を引き出すことにつながっていくのです。
今後のビジョン
ー今後の展望についてお聞かせください。
後藤さん:長期的なビジョンとして、ここに来れば通常の学校と同等の資格が取得できるような場所を目指しています。規模は小さくても、ここに来れば通常の学校と同等の資格が取得できる場所を作りたいと考えています。
また、現在の課題として、リアルな居場所づくりに取り組んでいます。不登校の児童・生徒が30万人いると言われる中、既存の支援施設にも通えない子どもたちの受け皿になりたいと考えています。単なる居場所ではなく、学びに結びつく活動ができる場所、そして行政とも協力できる場所を目指しています。
読者へのメッセージ
ー読者へのメッセージをお願いします。
後藤さん:まずは無料説明会にご参加いただければと思います。アイアイ塾の説明会は、お子様だけでも、保護者の方だけでも参加可能です。
また、子育て相談も無料で承っています。お忙しい方のために、メールでの相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。