秋田の地から、世界で活躍する人材を育てる ―サッカー・ゴルフを通じて、子どもたちの可能性を広げるNPO法人秋田スポーツPLUS

アイスランドをモデルに、秋田から世界に羽ばたく選手の育成を目指しています。サッカーとゴルフのスクール運営を通じて、子どもたちの可能性を広げるNPO法人秋田スポーツPLUS。地域に根差しながらも、グローバルな視点で子どもたちの成長をサポートする取り組みについて、代表の加藤さんにお話を伺いました。

多様なスポーツ機会の提供と地域の課題解決に取り組む

ースポーツを通じた子どもたちの育成から、地域の課題解決まで、幅広い活動を展開されていますが、まずは事業概要について教えていただけますでしょうか。

加藤さん:私たちの活動は、サッカーとジュニアゴルフの2つのスポーツを軸としています。その他に、秋田市内2か所での学童保育事業、高齢者移送支援事業、そしてスタジアムや体育館のネーミングライツを通じたスポーツ環境整備なども行っています。

サッカーについては、主に小学4年生から6年生を中心としたスクール活動と、中学生のチーム活動を展開。また、1年生から6年生までを対象とした女子スポーツスクールも運営しています。

スポーツ少年団の枠を超えた新たな可能性の創出

ー法人設立のきっかけについて教えていただけますでしょうか。

加藤さん:2001年に小学校低学年を対象としたキッズサッカースクールからスタートしました。秋田は、スポーツ少年団の登録者数が東京都よりも多いほど、スポーツ少年団での活動が盛んな地域です。しかし、スポーツ少年団は概ね4年生からの入団が慣例となっており、それ以前の年齢層がスポーツに触れる機会が限られていたのです。

そこで、1年生から3年生、さらには幼児も含めた低年齢層を対象としたスクールを立ち上げ、その後各地域のスポーツ少年団やクラブへと繋げていく活動を始めたのが起点です。

地域のニーズに応える多角的な事業展開

ー事業領域を広げていった理由についてお聞かせください。

加藤さん:活動を通じて、子どもたちや保護者から様々な課題が聞こえてきたことが事業拡大の動機です。スポーツの分野では、より高い競技力を目指したいという要望に応えて、年齢やレベルに応じたカテゴリーを設けていきました。

また、学童保育については、保護者から「預け先がない」「抽選に漏れて仕事との両立が難しい」といった切実な声を直接聞く機会が増え、我々にできることとして事業化を決意。高齢者移送支援事業も同様に、地域の課題に対して我々ができることとして始めた事業です。

選手一人ひとりの可能性を最大限に引き出す独自の育成方針

ー他のスクールとの違いや、特徴的な取り組みについて教えてください。

加藤さん:複数の競技を持ち、レベルや興味に応じて選択できる環境を用意していることが特徴です。特に女子スポーツスクールでは、サッカーに限定せず、様々なスポーツを体験できる機会を提供しています。

また、小学生から中学生まで一貫した指導ができる体制を整えていますが、必ずしも自チームの強化だけを目的としていません。むしろ、選手の可能性を最大限に引き出すため、県外や海外への留学を積極的に後押ししています。

例えば、海外留学や全国大会へ出場する選手に既定の金額を補助するなど、そうした外へのチャレンジを通じ、卒業後には奈良や千葉、青森など、様々な地域に活躍の場を移して挑戦している点はウチの選手だからこそ。秋田県内では差別化できているポイントだと考えています。

感情をコントロールした指導で子どもたちの成長をサポート

ー指導の際に意識されていることはありますか?

加藤さん:私が最も心がけているのは、感情的な言動を避け、常に冷静な判断のもとでコミュニケーションを取ることです。一旦自分の中で感情を留め置き、選手に必要な言葉は何か、どのような態度で接するべきかを考えてから行動するようにしています。これは、キッズサッカースクール時代に最大56人もの低学年の子どもたちを1人で指導した経験から培われた姿勢です。

将来のビジョン:アイスランドモデルを参考に

ー今後の展望についてお聞かせください。

加藤さん:数年前にアイスランドを視察した際、人口が秋田市とほぼ同じ規模でありながら、徹底的な育成システムと積極的な選手の海外挑戦により成果を上げている姿に大きな示唆を得ました。

そのため秋田では提供できない環境については、スポーツ先進県へ活躍の場を移す事を選択肢の1つとして持ってもらい、秋田に残る選手に対しては中学校以降のチームでできる限りの支援を行うという方針で進めていきたいと考えています。

究極的には、プロ選手の育成も目指していますが、それ以上に重要なのは、スポーツを通じて子どもたちが将来どのように成長し、幸せな人生を送れるかということでだと考えています

メッセージ:充実した運動環境の提供

ー最後に、スクール入会を検討されている方へメッセージをお願いします。

加藤さん:秋田は広大な土地がありながら、実際に子どもたちが安全に遊べる場所は意外と限られています。都会には公園など、明確に遊び場として定義された空間が多くありますが、秋田の場合、広い緑地はあっても実際に活動できる場所は少ないのが現状です。特に冬季は外での活動が制限されます。

そうした環境の中で、弊法人では安全で充実した運動環境を提供していることが強みです。例えば、ネーミングライツをしているASPスタジアムや全天候に対応したみんなの体育館ASPの活用や、ジュニアゴルフスクールでは初心者の方も安心して始められるよう、子ども用のクラブセットを完備しています。大人用でも10万円程度する用具一式を準備しているため、初期費用を気にすることなく、まずは体験からスタートしていただけます。

スポーツを通じて子どもたちの可能性を広げ、将来の成長につながる機会を提供したいと考えています。ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度、見学や体験にお越しください。私たちと一緒に、お子様の新しい可能性を見つけていきましょう。