社会人が「描くよろこび」を取り戻す場所。Atelier Copperが目指す、静かに没頭できる空間

絵を描くことでリフレッシュしたい社会人へ。

感性を活かしながら理論的な指導と温かな空間で、自分だけのアトリエ時間を。銅版画やデッサンの魅力を、心静かに体験できる少人数制教室。

社会人の「絵を描く場所」がほしい。Atelier Copperの原点

Screenshot

私自身が運営している「Atelier Copper」は、社会人が日常から少し離れて、自分の時間に没頭できる場所としてスタートした教室です。

働きながら「絵を描きたい」という気持ちを持っている方は、意外とたくさんいます。

しかし、いざ始めようと思っても、教室の雰囲気が合わなかったり、集中できる環境がなかったりして、なかなか継続しにくい現実もあります。

私自身、長年教育の現場に携わってきたなかで、社会人の方が本気で学べる「ちょうどいい場所」が不足していると感じていました。

そこで、自分が普段使っているアトリエの一室を活用して、少人数制で静かに学べる空間を提供することにしたのです。

この教室は、絵が好きな社会人の方が、気負わず、でもしっかりと学べる場所。自分のペースで、そして自分の意思で、創作に向き合える場でありたいと考えています。

教室を始めたきっかけ─「描きたくても描けない人」の背中を押したい

私がこの教室を立ち上げた背景には、「絵を描きたい気持ちはあるけれど、思うように描けない」「一度挫折してしまったけれど、もう一度挑戦したい」といった方々の存在があります。

私自身も一度絵を描くことに挫折し、もう一度社会人になってから美大生として学び直しました。

卒業後、講師として高校や専門学校、社会人向けの画塾で教えるようになり、「どうしたら見たものをそのまま描くことができるのかな」という声にたくさん出会ってきました。

特に印象的だったのが、デッサンの難しさにつまずき、絵を描くこと自体がつらくなってしまったという方々です。

「感覚だけでは描けない」「何が正しいのか分からない」。そんな不安を抱えている方にこそ、Atelier Copperのような空間が必要だと感じました。

私のアトリエでは、過度な交流を求めることはありません。少人数制・セミプライベート形式で、まるで自分の部屋で描くように、集中しながら学べる環境を整えています。

感覚と理論をバランスよく。Atelier Copperのデッサン指導

Atelier Copperで最も大切にしているのは、「感覚」だけに頼らない指導です。

たとえモチーフを描くときでも構造を理解することは大切です。

「ここはこう描いて」と感覚で教える事の必要性と、「なぜこう見えるのか」「面や量感、光の方向性を考えどこが明るく、どこが暗くなるのか」といった理論を交えて説明することで、納得しながら描けるようになるのです。

社会人の方々は、言語的な理解や論理的思考がすでに備わっています。そのため、感覚と理論をうまく組み合わせた指導が非常に効果的です。

「感覚派の子ども時代」から、「理解して納得する大人の学び」へ──その転換点をサポートするのが、私の役目だと思っています。

銅版画という“触れるアート”の魅力を伝えたい

Screenshot

Atelier Copperでは、デッサンに加えて銅版画の指導も行っています。銅版画には、タブレットや画面では味わえない「手触り」があります。

最近では、中学校や高校でも銅版画に触れる機会が減っており、若い世代ではまったく経験のない人も増えています。

けれども、自分の手で金属を彫り、インクを詰めてプレス機で刷るという工程は、他のどんな絵画表現とも異なる“体験型のアート”です。

しかも、刷り上がりを見るまで完成形がわからないというスリルと感動もある。だからこそ、銅版画にしかない深い味わいや没入感があるのです。

これからの時代、「画面の上で完結するアート」だけでなく、「手で感じて、形にするアート」の価値も、改めて見直されるべきだと私は感じています。

その人の表現に合わせた、個別最適なレッスン

Atelier Copperでは、受講者の目的やレベルに応じて、柔軟に指導内容を調整しています。

絵を始めたばかりの方には、鉛筆の選び方や練りゴムの使い方、芯の硬さによる描き味の違いまで、丁寧に解説します。

ある程度描ける方には、写実的な表現なのか、より感覚的なタッチを目指すのかをヒアリングし、目標に沿ったアプローチを提案します。

また、レッスン中は常に張り付いて指導するのではなく、自分のリズムで描いてもらい、必要なタイミングで声をかけるスタイルを取っています。

教える側の都合ではなく、生徒さんの成長に合わせた進め方。これが、長く続けたくなる学びの形だと信じています。

「描くことで、自分に戻れる」──生徒との関わりの中で

現在は開講したばかりの段階ですが、以前の出張レッスンで指導してきた生徒さんからは、「ここでなら安心して質問できる」「失敗が怖くなくなった」といった声を多くいただきました。

銅版画は特に、失敗のリスクがある表現です。しかし、だからこそ、失敗から学び、試行錯誤する経験が大切になります。

私自身も、銅版画作家として試行錯誤を重ねてきました。「もう描きたくない」と思うほど落ち込むこともありましたが、描くことで気持ちが整い、自分に戻れる瞬間も何度もありました。

だからこそ、生徒さんには「描くことは苦しいけれど楽しい」「やっぱりやってよかった」と思えるような体験も重ねてほしいのです。

将来的な展望──アートを届けられる場所をもっと広げたい

Atelier Copperは少人数制の教室ですが、今後は出張形式のレッスンも増やし、より多くの方にアートの楽しさを届けたいと考えています。

たとえば、特別支援学校の課外授業に向けたアート体験の提供。銅版画のような「触れて創るアート」は、感覚を通じた表現が可能です。

溝を彫り、指で確かめ、最後に刷り上げた作品を見る。そのプロセスそのものが、立体的な“見る”を生み出します。

また、銅版画は歴史ある技法でありながら、現在では後継者不足や教育の縮小によって、学べる機会が減っています。

だからこそ、未来に向けて技術や魅力をつなぎ直していくことも、この教室の役割だと感じています。

Screenshot

興味を持ってくださった方へ──まずは、空間に触れてください

この教室に少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ一度、体験レッスンにいらしてください。

実際にアトリエに足を運び、空気を感じ、銅版画の道具を見て、描くということがどういうことかを体験してみてください。

「絵を描きたいけど、うまくいかない」「一人だと不安」「どこから始めたらいいかわからない」──そんな方にこそ、Atelier Copperの扉を開いてほしいと思っています。

静かな部屋で、自分だけのアートの時間を持つこと。その豊かさを、ここで一緒に見つけていきましょう。