子どもの「できない」を「できる」に変え、自信と可能性を広げる体操教室があります。シンガポールで誕生し、現在日本全国55か所に広がる『エンジョイリズム体操』は、従来の体操教室とは一線を画す革新的なアプローチで注目を集めています。創設者のホープのぞみ氏は、世界24か国を巡った経験と体育大学での専門知識を活かし、0歳から6歳までの子どもたちのための独自メソッドを開発。飛び箱や鉄棒といった大型器具ではなく、家庭にある廃材を活用することで、「どんな環境の子どもでも実践できる」運動教育を実現しました。さらに英語と体操を組み合わせた「英語リズム体操」など、子どもの発達段階に合わせた多彩なプログラムを展開。「年齢で区切らない」「楽しさを重視する」という理念のもと、子どもたちの健やかな成長と無限の可能性を引き出す取り組みに迫ります。

リズム体操考案者
ホープのぞみ
モダンバレエ&クラッシックバレエ歴 15年以上
東京女子体育大学卒(中高体育教員資格保有)
大学卒業後単独で1年かけて世界24各国まわる
各国1000人以上にダンス・体操指導にあたる
日本帰国後、大手スポーツ会社に就職
駐在員としてシンガポールに新体操の開拓者として就任
駐在5年を経て、イギリスへ留学
帰国後、英語通訳の仕事に続く
2015年シンガポールにて&JOY設立
2016年シンガポールにて特別講師として60名以上の前で指導する
2018年リズム体操講師養成講座を始動
2019年日本に活動拠点を移す
2021年東京オリンピックにてシンガポール代表セーリングチームの専属通訳に就任
現在、オフィスはシンガポール&東京にあり
常識を覆す!子どもが夢中になる新発想の運動教育

ー本日はどうぞよろしくお願いいたします!まずは『エンジョイリズム体操』は、どのような方を対象にどういった指導を行っているのでしょうか?教室の概要を教えてください。
ホープのぞみ代表(以下、敬称略):『エンジョイリズム体操』は0歳から6歳までの子どもたちのための全く新しい体操教室です。従来の体操教室といえば、飛び箱や鉄棒を使った技の習得が中心ですが、私たちはそうした大型器具を使いません。代わりに、シンプルなマットを中心とした活動で、子どもたちの「動きの土台」となる運動能力を楽しく育んでいきます。
さらに特徴的なのは、体操と英語を融合させたプログラムも展開していることです。幼い子どもたちが体を動かす喜びを感じながら、自然と英語にも親しめる環境を創り出しています。「運動が苦手」「英語が苦手」といった壁を、子どもたちが楽しみながら乗り越えられるよう、独自のメソッドを開発してきました。
まるで遊びのような時間の中で、実は子どもたちの身体能力の基礎が確実に育まれていく — それが『エンジョイリズム体操』の魅力です。日本全国で広がりを見せる理由は、この「楽しさ」と「効果」が見事に融合したアプローチにあるのかもしれません。
シンガポールが認めた天才的メソッド — 世界を旅した体操講師の挑戦

ー「エンジョイリズム体操」が生まれた背景について教えてください。
のぞみ:この体操メソッドが始まったのはシンガポールでした。私がシンガポールに関わることになったのは、約20年前(2025年現在)、当時のシンガポールでは体育教育があまり盛んではなかったためです。国として運動教育を充実させたいという方針のもと、私が日本人女性として初めて招聘されました。
シンガポールで活動している間、運動が苦手な子どもたちの能力を効果的に向上させる方法を研究しました。その成果がシンガポールの子どもたちに好評で、体操教室をスタートさせたところ、2年間で月間150人ほどの規模にまで成長しました。このメソッドがさらに体系化され、今では日本全国に広がっています。
私は元々、体育大学を卒業して大手の体操会社で講師として働いていましたが、妊娠・出産を機に従来の働き方を続けることが難しくなりました。そこで「自分の子どもと一緒に成長できる体操教室を作りたい」という思いから、0歳から始められるこのメソッドを開発したのです。
体を動かせば英語が身につく!? 驚きの「動きながら学ぶ」教育法
ーなぜ体操と英語を組み合わせたメソッドを開発されたのですか?
のぞみ:日本に帰国した約6年前、多くの日本人が英語を話したいという願望を持ちながらも実際には話せていないことに気づきました。子どもを英会話教室に連れて行った経験から、子どもたちは机に座って学ぶよりも体を動かしながら学ぶ方が効果的だと実感しました。
子どもは動くことが大好きですから、動きながら英語を発する方が自然に頭に入ります。また、運動しながら学ぶことで記憶力が向上するという研究結果もあります。体操の動きを通して英語を学ぶことで、楽しみながら言語を習得できる環境を作りました。
捨てる前に考えて — トイレットペーパーの芯が変える子どもの未来

ー他の体操教室にはない『エンジョイリズム体操』のアピールポイントを教えてください。
のぞみ:最大の特徴は、大型器具を使わないことです。一般的な体操教室では飛び箱や鉄棒、大きなマットなどを使いますが、私たちは廃材等を活用しています。例えば、トイレットペーパーの芯やサランラップの芯といった、普段捨ててしまうようなものを教材として使い、運動能力の向上につなげています。
この方法を取り入れている理由は、特に0〜3歳の子どもたちが家庭でも同じ活動を続けられるようにするためです。わざわざ特別な器具を購入しなくても、家にある身近なもので運動能力を高められるというのが、私たちのメソッドの魅力です。
例えば、サランラップの芯を保護者が持ち、子どもがそれにぶら下がることで握力や腕の筋力を鍛えることができます。このアイデアは、私が世界一周旅行で様々な国、特に経済的に恵まれない地域を訪れた経験から生まれました。どんな環境の子どもたちでも取り組める運動法を開発したいという思いが、このユニークなメソッドにつながっています。
「3歳だからできなきゃ」は古い!個性を尊重する革新的アプローチ

ー指導の際に特に意識していることや、スタッフで共有している方針があれば教えてください。
のぞみ:私たちの理念は「子どもの‟楽しい”から無限の可能性を引き出す」です。この理念を全ての講師と共有し、まず子どもたちが楽しいと感じることを大切にしています。楽しさがなければ、子どもたちは自発的に動きません。
また、保護者の方々には「年齢で子どもを区切らない」ことの重要性をお伝えしています。「3歳だからこれができるはず」「3歳なのにこれができない」という考え方ではなく、一人ひとりの子どもが「今できること」から始めて、小さな成功体験を積み重ねていくアプローチを取っています。年齢ごとの進級テストも設けていません。
このアプローチにより、子どもたちは自分のペースで成長し、自信を育むことができます。一般的な体操教室では飛び箱などの課題でつまずき、「できる・できない」が明確に表れますが、私たちは「できない子こそ来てほしい」と考えています。成功体験を通して自信をつけていくことが、子どもの可能性を広げる鍵なのです。
6歳までが勝負!一生モノの身体能力と自信が育まれる黄金期
ー幼児期の運動経験は、子どもの成長にどのような影響を与えると考えていますか?
のぞみ:6歳までに様々な運動経験を積んだ子どもは、その後どんな運動にも柔軟に対応できるようになる傾向があります。私の子どもも小学5年生ですが、幼い頃から体操教室に通い続けた結果、どんなスポーツでも「運動神経がいい」と言われます。それは基礎的な身体能力 — 筋力、持久力、体力 — のベースがしっかりと築かれているからです。
運動能力と自信には強い相関関係があります。運動ができる子どもは自然と前向きで元気になりますし、脳内物質の関係からもポジティブな感情が生まれやすくなります。また、運動と学習能力の関係も密接で、体幹がしっかりしている子どもは姿勢良く座って集中力を保ち、効率的に学習できます。
シンガポールが国を挙げて運動教育を取り入れた背景にも、子どもたちの集中力や学力向上という目的がありました。頭脳明晰なシンガポール人も、体力がなければ持続的な成功は難しいという認識に至ったのです。現在のシンガポールの発展は、20年前の運動教育導入が一因となっているのかもしれません。
ベビーから年長まで — 成長に寄り添う5つの魔法のプログラム

ー提供されているコースプランについて教えてください。
のぞみ:子どもの発達段階に合わせて、いくつかのコースを用意しています。
生後7か月から1歳半までは「ベビリズム体操」で、日本語で行います。歩き始めた1歳頃から3歳頃までは「親子リズム体操」で、親子で一緒に体を動かします。3歳(年少)から6歳(年長)向けには「リズム体操」があり、子どもたちだけで活動します。
さらに、英語版として「英語親子リズム体操」と「英語リズム体操」も提供しています。レッスンは基本的に6〜10人の少人数制ですが、イベント時には20〜50人規模になることもあります。
レッスンで使用している音楽面では、幼児教育に精通した音楽家の町田さん(まっちゃん)と提携しています。元保育士で現在は音楽プロデューサーとして活躍されている方です。彼が作る質の高い幼児向け音楽を使うことで、子どもたちの運動意欲を高めています。
子どもたちからの評判は非常に良く、「行きたい」と自ら言ってくれるのが嬉しいですね。親にとって子どもが習い事を嫌がることは大きなストレスですが、「リズム体操だけは辞めたくない」と言われることが多く、私たちの取り組みが子どもたちに受け入れられていることを実感しています。
次なる挑戦は世界へ — 科学的アプローチで広がる可能性の地図

ー今後強化したい点や新たな取り組みについて教えてください。
のぞみ:2025年1月に「幼児体力測定」というプログラムを開発しました。これは1歳から始められ、保護者と触れ合いながら行う体力測定です。開発の背景には、多くの保護者が子どもの発達状況を客観的に知りたいという希望がありました。
この体力測定は、子どもの現状を把握し、強みを伸ばしながら弱点を補強するための指標として活用できます。完全にオリジナルで開発したものであり、年齢による一律の評価ではなく、個々の子どもの特性を尊重する私たちの理念に基づいています。
また、会社としては日本全国で55教室まで広がったエンジョイリズム体操のメソッドを国際的に展開する計画もあります。特に英語が第二外国語の国々に「英語リズム体操」を広めるため、外国人スタッフの採用も進めています。
ー他国をたくさん見てきたのぞみ先生だからこそ、お聞きします。体力と‟国力”の関係についてはどのようにお考えですか?
のぞみ:体力は確かに重要ですが、日本人の強みはむしろ「精神力」にあると思います。特に「諦めない」という精神は日本文化の特徴です。体操を通じて身体能力だけでなく、この精神力も強化されていきます。
新しいことへの挑戦や失敗を恐れない勇気は、子どもの成長にとって非常に大切な要素です。多くの人は未知のことに恐怖を感じますが、その恐れを乗り越える経験が、最終的には個人の力となり、社会全体の活力につながると考えています。日本人が本来持っている粘り強さをより発揮するためにも、幼少期からの適切な運動教育は欠かせません。
「行きたい!」と子どもが喜ぶ — 第一歩から始める運動との出会い

ー最後に『エンジョイリズム体操』に興味を持っている方へメッセージをお願いします!
のぞみ:「運動は苦手だから…」「うちの子には難しいかも…」そんな不安を持つ保護者の方こそ、ぜひエンジョイリズム体操の扉を叩いてほしいと思います。私たちが大切にしているのは、技術や「できる・できない」ではなく、お子さま一人ひとりの「楽しい!」という気持ち。その笑顔こそが、無限の可能性を開く鍵なのです。
世界を旅して見てきた真実、それは「子どもたちは動くことで輝き、自信を育む」ということ。トイレットペーパーの芯やラップの芯といった身近な廃材を使った私たちのアプローチは、特別な才能や経済力に関係なく、すべての子どもたちに平等なチャンスを提供します。
今この瞬間も、全国55教室で数え切れない「できた!」の感動が生まれています。そのキラキラとした目、達成感に満ちた表情、そして「もっとやりたい!」という意欲—それらが子どもたちの人生の糧となり、一生の宝物になるのです。
体験レッスンは地域によって無料の場所もあれば、東京にある本部校では1,000円からご参加いただけます。ホームページのGoogleマップから最寄りの教室を見つけて、ぜひお気軽にお越しください。お子さまの人生を彩る特別な一歩を、エンジョイリズム体操と一緒に踏み出してみませんか?