「安心して過ごせる場所」を第一に子どもに寄り添う学びの場 ー フリースクール新宿アレーズの石垣さんにインタビューしました!

フリースクール新宿アレーズは「安心して過ごせる場所」を第一に掲げ、子どもたちの気持ちに寄り添った独自の支援を行っています。

今回は、同スクールの教育理念や具体的な取り組みについて、代表の石垣さんに詳しくお話を伺いました。

安心できる居場所を第一に、子どもたちの気持ちに寄り添う支援

ー対象とする生徒さんや、スクールの概要について教えてください。

石垣:小学1年生から高校生、20歳までを対象としており、主に不登校を経験した、または経験している子どもたちが通っています。

フリースクールと一言で言っても様々な形態がありますが、私たちは「安心して過ごせる場所」を最も大切にしています。

他のフリースクールでは、勉強中心のサポートや学校復帰を第一の目標とするところもありますが、私たちはまず安心して過ごせる環境を整え、その上で少しずつ気持ちがポジティブになってから、次のステップとして何をやりたいのかを一緒に考えていく。

そういった形で活動を広げていける場所を目指しています。

不登校経験から生まれた、共感に基づく支援への想い

ー教室を始められたきっかけについて教えてください。

石垣:私自身も不登校を経験しており、中学生の頃はほとんど学校に行けませんでした。当時、親からフリースクールを紹介されましたが、よく分からない場所だという思いがあり、行くことはありませんでした。

その後、通信制高校を経て大学に進学し、大学在学中にフリースクールでインターンをする機会に恵まれました。そこで初めてフリースクールに関わり、多くのことを学ばせていただきました。

大学卒業後もフリースクールに関わり続ける中で、新たなフリースクールの必要性を感じ、新宿アレーズを立ち上げました。

子どもたちの主体性を重視した柔軟な活動プログラム

ー具体的な活動内容について教えてください。

石垣:私たちは固定的なカリキュラムは設けておらず、1時間目、2時間目といった時間割は存在しません。ただし、いくつかの定期的なプログラムはあります。例えば、毎週火曜日の料理講座や、月曜日のミーティングなどです。

特徴的なのは、木曜日に「何かやる日」という枠を設けていることです。具体的な内容は月曜日のミーティングで子どもたち自身が決めます。料理講座のメニューも、前週のミーティングで決定します。

また、子どもたちの要望に応じて新しいプログラムを始めることもあります。最近では、子どもたちからの声がきっかけでドラム講座を始めました。

基本的には自由な時間を大切にしており、ゲームをしたい子どもたちも大歓迎です。ゲームはコミュニケーションツールとして非常に優れており、異なる年齢層の子どもたち同士の交流を促進する効果もあります。

一人ひとりの状況に合わせた学習サポート

ー学習面のサポートについてお聞かせください。

石垣:まずは気持ちの安定が大前提です。不登校になったばかりの子どもたちは、勉強に向き合える精神状態ではないことが多いです。

ただし、気持ちが安定してきて、特に中学3年生くらいになると、このまま勉強しないでいいのかという不安を感じ始める子どもも出てきます。

そういったタイミングを見計らって、「そろそろ勉強してみる?」という声かけをしています。中学生の場合は特に、休み始めた時期も様々で、学習の習熟度も一人ひとり異なります。

そのため、数学や英語といった教科を中心に個別指導でサポートしています。中には塾に通う選択をする子どもたちもいます。

今後の課題:多様な学びのニーズへの対応

ー今後の課題や強化していきたい点について教えてください。

石垣:子どもたちの「やりたい」という気持ちにどこまで応えられるかが課題です。例えば、プログラミングやバスケットボールなど、専門知識や一定の人数が必要な活動の要望があっても、すぐには対応が難しいことがあります。

保護者のつてや、企業からのサポートを活用して対応することもありますが、定期的な活動として継続することは容易ではありません。

ミーティングで決めた活動をできる限り実現できるよう、スタッフも日々知恵を絞っています。

ー最後に、この記事をご覧の方々へメッセージをお願いします。

石垣:フリースクールという言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな場所かイメージしづらいかもしれません。

フリースクールにも様々な形態があり、私たちのように自由な雰囲気の場所もあれば、しっかりとプログラムを組んでいる所もあります。学校と同じように、フリースクールにも相性があると思います。

入会を前提とせず、雰囲気を見ていただくだけでも構いません。見学は無料で随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。