居場所がないお子さんたちの新しい道筋を創る ー 八王子のフリースクール『昼間の塾フレップ』

塾でもなく、学童保育でもない、新しい学びの場があります。八王子市のフリースクール『昼間の塾フレップ』は、不登校のお子さんたちを中心に、独自の支援を行っています。特徴は、20代前半の若いスタッフによる「斜めの関係」を重視した関わり方です。学校での居づらさを感じるお子さんたちに、新しい選択肢を提供し続けて10年。その取り組みに迫ります。

昼間の塾フレップのサービス概要

ー昼間の塾フレップ様のサービス概要について教えてください。

朴氏:当校は不登校のお子さんを中心に受け入れているフリースクールです。国の基準では不登校は30日以上の欠席とされていますが、それに該当しなくても利用することができます。学校に通いながら利用している子もおり、学校がしんどい時だけ来る子もいれば、開校日である火・水・金・土曜日に毎日通っている子もいます。

居場所としての性質は、塾と学童保育の間といったイメージです。1日最低1時間は学習時間を設けていますが、それ以外は自由な時間となっています。卓球台や公園での外遊び、テレビゲームやカードゲームなど、お子さんたちが好きなことを自由に選んで過ごせます。「一緒に遊ぶ人募集!」というようにお子さん同士で声を掛け合い、外遊びに行くグループと室内で過ごすグループに分かれることもあります。その際は必ずスタッフが付き添います。

運営と受け入れ体制

ー運営時間や対象年齢を教えてください。

朴氏:火・水・金・土曜日の11時から16時まで開校しており、その時間内であれば出入り自由です。対象は基本的に小学1年生から中学3年生までですが、未就学児や高校生以上は要相談となっています。

設立の経緯と想い

ー設立のきっかけや経緯について教えてください。

朴氏:設立のきっかけは、私の身近な人が亡くなってしまったことです。その方は子供の頃から自尊心や自己肯定感が低く、それが20歳でのこのような結末につながってしまいました。このような経験があり、教員免許も取得した後、学校ではなくお子さんたちの自尊心と自己肯定感を育む活動がしたいと考え当スクールを設立しました。

フレップの特徴と強み

ー他のフリースクールとは異なる、昼間の塾フレップ様の特徴を教えてください。

朴氏:当校の特徴は「斜めの関係」を大切にしていることです。横の関係が同年代の友達、縦の関係が親御さんや教師だとすると、斜めの関係とは近所や親戚のお兄さんお姉さんのような存在です。そのため、スタッフは20代前半の若い世代が多く、年の近いお兄さんお姉さんとしてお子さんたちと同じ目線で遊んだり、人生相談に乗ったりしています。

スタッフには「生徒に興味を持とう」ということを第一に伝えています。家での過ごし方や最近はまっていること、好きなゲームなど、お子さんたちの興味関心に寄り添うようにしています。例えば、動画を見ているという話から、具体的なチャンネルや配信者の話に広げ、一緒に視聴したり、同じ趣味を持つスタッフと会話を深めたりします。

また、私が美術の教員免許を持っていることもあり、絵画やハンドメイドなどの創作活動も特色の一つです。必ずしも会話でのコミュニケーションだけでなく、同じ画面を見ながらゲームを楽しんだり、一緒に創作活動をしたりすることで、自然な形での交流を大切にしています。

料金体系と支援体制

ー昼間の塾フレップ様の料金体系について教えてください。

朴氏:基本料金は月額5,000円で、これに加えて1日4,000円の日割り制か月額29,000円の定額制を選択できます。月7回までは日割りが、8回以上は定額制が経済的です。基本料金には、学校での三者面談への同行や通院の付き添い、深夜までのLINEや電話での相談対応なども含まれています。また、東京都からの助成金により、最大で月額2万円までの補助が受けられます。

今後の展望

ー今後の展望についてお聞かせください。

朴氏:直近では第2教室の開設を検討しています。長期的には、不登校に限らず、すべてのお子さんたちの自尊心と自己肯定感を育むことを目指しています。フリースクールという居場所を維持しつつ、学校にも拠点を設け、不登校ではないお子さんたちの相談にも応じていきたいと考えています。

不登校のお子さんたちへのメッセージ

ー最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いいたします。

朴氏:学校という場所がお子さんたちの生活に占める割合は、とても大きいものです。そこに居場所がないと感じることは、お子さんにとって大きな不安となります。当校では、そんな居場所を探しているお子さんたちに、新しい可能性を提供したいと考えています。将来に不安を感じているお子さんやご家庭の方も、どうぞお気軽にご相談ください。一人ひとりの状況に応じて、新しい道を一緒に探していければと思います。