子どもたちの「小さな社会」として技と人間力を育成 – 極真カラテ石川道場の石川さんにインタビューしました!

愛知県豊明市の空手教室として20年以上の歴史を持つ、極真カラテ石川道場。「小さな社会」としての道場運営を心がけ、空手の技術指導だけでなく、礼儀作法や自己表現力の育成にも力を入れています。

代表の石川さんに、道場の特徴や指導方針についてお話を伺いました。

技術指導と人間形成を融合した「小さな社会」としての道場

ー教室の概要についてお伺いさせてください。

石川:幼年から壮年まで、幼稚園児、小学生、中学生、高校生、一般と幅広く受け入れています。空手教室と武器を使った古武道の教室、キックボクシングの教室を運営しています。

空手教室では、初心者用と上級者用のクラス、型や組手に特化したクラスなど、細かく分けて指導しています。基本的には子どもが多いですが、50代後半の方も来られるなど、年齢層も幅広いのが特徴です。

道場は20年前に始め、生徒数が増えたことにより7年前に現在の場所へと移転しました。

ー空手道場を始めるに至ったきっかけについてお伺いさせてください。

石川:元々、人に教えることが好きだったので、人に教えながら自分も練習できたらいいなという思いで始めました。

現在では、言葉の使い方を知らない子や挨拶ができない子、気持ちが弱い子が多いと感じています。そのため、体力づくりはもちろん、しっかり挨拶ができるようにしたり、上下関係を教えたりしています。

当道場は「小さな社会」だと思ってほしいです。子どもたちが社会に出る前の予行練習のような場で、大人になったらこういう風にしないといけないということを理解してもらえればと考えています。

実生活に役立つ護身術と自信を育む指導

ー教室の特徴や、一番のアピールポイントを教えてください。

石川:道場を小さな社会のような環境にしていることが特徴です。この道場を卒業しても社会に出た時に人間関係がしっかり築けるよう指導しています。

稽古の際には質問の機会を多く作り、手を挙げて大きな声で発言してもらう時間を設けています。間違ってもいいから大きな声で発言することを常に教えています。

保護者からは、引きこもりだった子が学校に行けるようになったり、いじめられていた子がいじめられなくなったという話をよく聞きます。また、学校で率先して手を挙げて発言できるようになった生徒も多いです。

また、護身術として空手を使えることも大切にしています。空手は突いたり蹴ったりだけでなく、投げたり関節技を決めたり、急所を攻撃する技もあり、護身に役立つ技がたくさんあります。いざという時に自分の身を守れるよう教えています。

緊張感のある練習と安全第一の指導方針

ー実際に生徒さんに指導する際に、特に意識していることや方針などがあればお伺いできますか?

石川:様々な質問を投げかけることを意識しています。質問に答えてもらうことで、常に考えながら稽古ができます。全員に手を挙げてもらうことも特徴で、幼稚園児でも昨日入ったばかりの子でも手を挙げさせます。

また、全員が号令をかけるようにしています。最初は大きな声が出せなくても、徐々に自信をつけて大きな声が出せるようになります。

人前でいろんなことができるようになることが大切だと考えています。実際に危険な場面でびっくりして体が動かなくなってしまっては意味がないため、普段から緊張感のある練習を取り入れています。

大人の生徒には、健康第一で怪我をしないよう指導しています。大人は頑張りすぎて怪我をすると長期間休んでしまうため、継続して通えるよう配慮しています。

大人の方も稽古を通して緊張する場面を経験することで、仕事で自信を持って発言ができ、出世にも繋がったという声をいただいています。

多彩なクラス構成と自分のペースで続けられる環境

ー教室で提供しているコースやプランについて教えてください。

石川:極真空手では、基本稽古だけの基本クラス、打ち合いだけの組手クラス、型と防術の稽古を行う型クラスを提供しています。初級クラスと中上級クラスに分かれており、レベルに応じた指導を行っています。

沖縄空手クラスでは、棒術やヌンチャク、サイ、トンファなど様々な武器を使った練習を行っています。キックボクシングは通常クラスの他、試合出場者向けのプロクラスもあります。土曜日には自主トレーニングのフリークラスも設けています。

自分の希望やレベルに合わせて参加でき、週1〜2回の生徒もいれば週3〜4回来る生徒もいます。自分のペースで続けられる環境づくりを心がけています。

若者世代にも空手の魅力を伝えたい

ー今後、より強化していきたい点や取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

石川:現在は子どもや親世代の方が多いのですが、20代の若者が少ない状況です。若者たちにも空手を好きになってもらえるよう、広報活動を強化していきたいと考えています。

ー最後に、教室への入会を検討している方へのメッセージをお願いします。

石川:当道場は「空手が大好きになれる空手道場」を掲げています。空手は楽しく取り組むことで、精神と肉体を同時に鍛えられる素晴らしい武道です。

興味のある方はぜひ体験に来て、空手の魅力を知っていただければと思います。