音楽教育の中でも、ピアノは多くの人が一度は触れる楽器であり、その学びは単なる技術習得を超えた豊かな経験をもたらします。山形県天童市で開講している『ほうかピアノ教室』は、主宰の鈴木邦佳氏の「心が動く音楽」を大切にする教育理念のもと、幅広い年齢層の生徒に寄り添った指導を提供しています。東京音楽大学ピアノ演奏家コース出身の鈴木氏は、ピアノ演奏の技術だけでなく、音楽を通じた感性の育成を重視した指導を行っています。生徒一人ひとりの個性を尊重し、楽しみながら音楽の本質に触れる機会を提供する『ほうかピアノ教室』の魅力をご紹介します。
4歳から高齢者までが響き合う — 多様な生徒に寄り添う『ほうかピアノ教室』

ー鈴木さま、本日はどうぞよろしくお願いいたします!まずは『ほうかピアノ教室』ではどういった方を対象に、どのような指導を行っているのかを教えてください。
鈴木 邦佳主宰(以下敬称略):最年少は4歳から、そして大人の方まで幅広くレッスンに通っていただいています。生徒さんの奏でる音楽が自由で豊かなものであってほしいという思いから、緊張感のある厳しいレッスンはせず、のびのびと楽しいレッスンスタイルを心掛けています。年齢制限については、基本的に年少さんの4歳になってからとお願いしています。現在通われている最高齢の方は67歳です。
ー生徒さんの年齢層はどのような分布ですか?
鈴木:現在のボリュームゾーンとしては年中さんから小学2年生が8割です。教室を開校して2年経つのですが(2025年現在)、多くの方が5歳や6歳頃からピアノを始めるため、その年齢層が現在は多いです。
ピアノ教室立ち上げの経緯

ー鈴木さまがピアノ教室を設立された経緯やきっかけを教えてください。
鈴木:大学では東京音楽大学のピアノ演奏家コースに所属していましたが、子供の頃からの夢は演奏家ではなく、ピアノの先生でした。大学4年生になった頃から都内の音楽教室でピアノ講師を始め、大学卒業後は一般企業に就職して企画室秘書として従事する傍ら、上司や職場の方の理解があり、就業後と週末にピアノ講師と演奏活動を続けていました。
結婚を機に企業を退職し、ピアノ講師の活動に専念するようになりました。その後、東京から山形へ転居することになり、ピアノ教室を開校しました。開校して生徒さんが集まってきてくれた時はとても嬉しかったですね。
ー一般企業での経験がピアノ教室運営に影響はありましたか?
鈴木:演奏そのものへの影響は特段なかったのですが、ピアノ教室を運営していくにあたっての事務作業などの面では学びが多かったです。それまで全く経験がなかった部分なので、一般企業に就職した経験はとても役立ちました。
「感性の育成」 — ほうかピアノ教室が大切にしている指導法

ーピアノ教室は山形にもたくさんあると思いますが、『ほうかピアノ教室』の一番のアピールポイントを教えてください。
鈴木:大切にしていることは「心が動く音楽を奏でる」ということです。そのための譜読みであり、テクニックであるということを重視してレッスンしています。「この曲はどんなイメージなのか」「そのイメージを音に落とし込むにはどんなタッチが必要か」「指や身体の使い方、呼吸、耳でしっかり自分の音が聞けているか」といったことを生徒さんに確認しながらレッスンしています。
私たちが学んできたもの、生徒さんに伝えていくものは‟芸術”であるということ。単にピアノが弾けるようになるだけではなく、自分の奏でるピアノで心が動く体験をすることが大切です。教室に来て学んだ先の道が趣味であっても専門的な道であっても、その点は変わらず大切にしていきたいと思っています。
ー芸術的な感覚を教えるのは難しいと思いますが、小さな子供に伝えていくためにはどのような工夫をされていますか?
鈴木:例えば、私が出した音に対して「これは何色かな」「明るい色かな、暗い色かな」「音はどんな方向に飛んでいってるかな」「近くにいるかな、遠くにいるかな」といったヒントを与えながら生徒さんに答えてもらうと、だんだんイメージが出来上がってきます。それを元に「柔らかい音にするにはどうしたらいいかな」というように、必要なテクニックを一緒に学んでいくという指導をしています。
ーそのような適切な質問の仕方はどこで学ばれたのですか?
鈴木:これまでに指導していただいたピアノの恩師からです。私が曲のイメージを掴みきれていない時には、様々なヒントをくださいました。音に色や形があって、空間としての奥行きや方向性まで感じることができた時は、聴き手もしても弾き手としても視野が広がった瞬間でした。
一人ひとりの心に寄り添う — 年齢と個性に合わせた指導アプローチ

ー生徒さんに指導する際に、特に意識していることや方針があれば教えてください。
鈴木:先ほども触れましたが、自分の奏でるピアノで心が動く体験をして欲しいと思っています。その為には解放された心、良い耳、読譜力、テクニック、リズム感、練習する根気強さ、想像力など総合的な学びが必要になります。レッスンでは私との連弾も多く取り入れています。一緒に演奏することにより、音が増え一気に華やかになるので楽しんでいただけています。年齢の小さい生徒さんでも、音の強弱やテンポ感など、言葉では伝わりきらないところも感じてもらえています。
ー4歳のお子さんと60代の方では教え方も違うと思いますが、どのように対応されていますか?
鈴木:子どもの生徒さんの場合は、完全にその子に合わせるようにしています。日によっては集中力やテンションが違うことがあるので、その時の波長に合わせたレッスンを心がけています。レッスン中はにこにこと笑顔になってもらえるよう、言葉選びにも気を付けています。
大人の生徒さんの場合は、次はこの曲を弾けるようになりたい、将来こんな曲が弾けるようになりたいなどの目標を決めてレッスンをすることが多いです。ピアノは演奏するうえで脳や手の感覚的なものも大きいので、簡単に見えていたものが案外難しかったということがよくおこります。そのような事からか、大人の生徒さんからはレッスン中に質問をたくさんいただくことが多くて、その質問に私も一緒に向き合いながら上達の手助けをさせていただいています。いずれにしても個人レッスンですので、型にはまりきったレッスンというよりは、一人一人に合わせたレッスンをしています。
ーホームページにソルフェージュも込みとありましたが、ピアノレッスンとソルフェージュをどう配分されていますか?
鈴木:曲を弾くときに、楽譜を読んだり、歌ったり、リズムを感じたりという要素は必要になりますので、レッスンの中でソルフェージュも自然な流れとして取り入れています。音楽の道に進みたい、コンクールで成績を残したいなどの要望があった場合には普段のレッスンとは別にソルフェージュ、音楽理論のレッスン時間を設けます。

満員御礼の人気教室 — 子育てと両立する今後の展望

ー今後、こういった点をより強化していきたい、または新たに取り組んでいきたいことはありますか?
鈴木:ありがたいことに開校して2年目からは満員状態となり、お問い合わせをいただくたびに私の家庭の都合と折り合いをつけながらレッスンをお受けしている状況です。私自身が子育て中ということもあり、レッスンができる時間は限られていますが、自分の子どもの成長とともに夜の時間やランチタイムなどレッスン可能な時間が増えていくと思いますので、ゆくゆくはレッスン枠を増やしていければと考えています。
「心が動く音楽」との出会いをあなたに — 入会を考える方へのメッセージ

ー最後に、『ほうかピアノ教室』へ入会を考えている方たちへ、ぜひメッセージをお願いします!
鈴木:音楽を通じて「心が動く」体験をすることが、皆さまの豊かな人生の一部になれば嬉しいです。通いやすく、長く続けられる教室を目指しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。