「全ての子どもたちに体験活動を」いきるちからが目指す子どもたちの未来

いきるちからは、全ての子どもたちに体験活動を提供することを使命として活動する非営利団体です。ひとり親家庭や一般家庭の子どもたちに、キャンプや博物館見学などの体験活動を提供し、子どもたちの成長をサポートしています。今回は代表の山本さんに、団体の理念や具体的な活動内容についてお話を伺いました。

サービス概要と実績

ー具体的な活動内容を教えてください。

山本さん:私たちは「全ての子どもたちに体験活動を」という理念のもと、活動を行っています。最初は、ひとり親家庭の子どもたちを対象にスタートしましたが、現在では一般家庭のお子様も受け入れています。さらに今後は、障がいの有無に関係なく、あらゆる子どもたちが参加できる場を作っていきたいと考えています。

活動の中心は、子どもたちの五感を刺激し、生きる力を育む体験活動です。季節に応じて様々なプログラムを提供しており、夏にはキャンプ活動、冬には雪遊びやスキー体験、その他にも博物館見学やアスレチック体験など、子どもたちが普段の生活では体験しにくい活動を行っています。

団体設立の経緯と使命

ー団体を立ち上げた経緯について教えてください。

山本さん:私と代表理事の岡田は共に母子家庭で育ち, 子どもの頃に様々な体験をする機会が少なかったという経験を持っています。現在も多くのひとり親家庭では、親御さんが仕事で忙しく、子どもたちを様々な場所に連れて行く時間を作ることが難しい状況です。そのためこうした状況を解決すべく、私たちに何かできることはないかと考えた結果このサービスを開始しました。

神戸市の助成金も活用しながら、2022年に任意団体としての活動をスタートさせ、現在は特定非営利活動法人として本格的な活動を展開しています。

活動の理念と特徴

ー団体の特徴やアピールポイントを教えてください。

山本さん:私たちの活動で最も大切にしているのは、「子どもの成長ファースト」という考え方です。単に楽しく過ごすだけでなく、どのようなお子さんであっても、最終的に社会で活躍できる人材になってほしいという思いを持って活動しています。

そのため、子どもたち同士のコミュニケーションや問題解決の機会を特に大切にしています。例えば、活動中に子どもたち同士で喧嘩が起きた時も、すぐに大人が介入するのではなく、基本的には見守りながら、自分たちで解決する力を養えるようにしています。

子どもたちとの関わり方

ー子どもたちと接する際に意識されていることはありますか?

山本さん:最も重視しているのは、子どもたちと対等な立場で接するということです。大人と子どもという立場の違いはありますが、同じ目線で接することを心がけています。例えば、やんちゃな子どもが叩いてきた時なども、「痛いから止めて」とはっきりと伝えます。嫌なことは嫌だとしっかりと伝え合うことの大切さを、子どもたち同士でも実践できるよう促しています。

決して上から目線で接するのではなく、一人の人間として対等に接することで、子どもたちからの信頼も得られていると感じています。

参加者の反応と成果

ー活動に参加された方からはどのような反響がありますか?

山本さん:参加している子どもたちの中には、学校での友人関係に悩みを抱えている子もいますが、私たちの体験活動を通じて、自然と子どもたち同士がコミュニケーションを取れるようになっています。「学校よりもこちらの方が楽しい」という声も聞かれ、子どもたちが安心して過ごせる場所になっていることを実感しています。

また、保護者の方々からは子育ての相談を受けることも多くなっています。私たちも体験活動を通じて見えてきた子どもたちの様子をもとに、具体的なアドバイスができる関係性を築いています。このように、単なる体験活動の提供にとどまらず、子育て支援の場としても機能していることは、大きな特徴といえます。

スタッフ体制と運営

ー活動のスタッフ体制について教えてください。

山本さん:参加者数の増加に伴い、スタッフ体制も徐々に拡充しています。今年度から大学生のボランティアスタッフの募集を開始しました。また、特徴的なのは、活動に賛同してくださった企業経営者の方々にもボランティアとして参加いただいていることです。

将来的には、大学生と経営者という異なるバックグラウンドを持つスタッフの交流を通じて、就職活動支援などの新たな価値も生み出していければと考えています。私たちの最終目標である「社会で活躍できる人材の育成」という観点からも、このような多様な関わりは重要だと考えています。

今後の展望

ー今後の展望についてお聞かせください。

山本さん:2025年度の短期目標としては、体験活動の回数と参加者数の拡大を目指しています。特に夏休みには宿泊型のキャンプなども増やしていく予定です。また、ボランティアスタッフの育成にも力を入れ、より多くの子どもたちを受け入れられる体制を整えていきます。

長期的な展望としては、学校教育との連携や、子ども食堂、フリースクールなど、活動の幅を広げることを検討しています。また、現在は点として存在している各支援団体との連携を強化し、地域全体で子どもたちを支える仕組みづくりも進めていきたいと考えています。

これから参加を考えている方々へのメッセージ

ー記事を読んでいる方に向けたメッセージをお願いします

山本さん:現代社会では、子どもたちがスマートフォンやゲーム機で遊ぶ機会が増え、実際の体験を通じて五感を使う機会が減少しています。しかし、感情や感覚を育むには、実際の体験と人との関わりが不可欠です。私たちの活動では、一人一人の子どもをしっかりと見守り、成長を支援していきます。

特に、パソコンを使った学習が増えている現代において、実際の体験を通じた学びの重要性は増していると感じていますのでまずは一度体験なり、相談なりして頂けますと幸いです。

企業の方々へのメッセージ

山本さん:実際に活動に参加された経営者の方々から、「子どもたちから学ぶことが多い」という声をよくいただきます。子どもであれ大人であれ、人が成長する過程は同じです。集団での活動で起こる現象も、子どもと大人で共通する部分が多く、社員教育にも通じる学びが得られると考えています。

そのため、経営者の方々の間で口コミで広がり、様々な企業の方々に参加いただけるようになってきました。子どもたちの育成に関心をお持ちの企業様は、ぜひお問い合わせください。共に子どもたちの成長を支える取り組みができればと考えています。