認定NPO法人いこいは、群馬県渋川市で地域密着型の支援活動を展開しています。高齢者のためのデイサービスをはじめ、フードバンクや子どもたちの居場所づくりを目的とした『みんな食堂』など、多世代にわたる支援を実現。特にみんな食堂では、月2回、子どもたちが学校帰りに安心して過ごせる居場所を提供し、親子で参加できる温かな空間を創出しています。
また、フードバンクでは食材を必要とする家庭に配布し、地域の貧困問題にも取り組んでいます。理事長の西山氏が掲げる『誰もが住みやすい町を作りたい』という理念のもと、多くの課題に挑戦し続ける姿勢が魅力です。この記事では、いこいの活動内容や始めたきっかけ、そして支援活動を通じて解決したい課題に迫ります。地域を支えるいこいの取り組みをぜひご覧ください。
認定NPO法人いこいの活動概要
ーまず最初に、どのような活動をされているのか教えてください。
認定NPO法人いこい 東さん(以下敬称略):認定NPO法人いこいは、群馬県渋川市でデイサービス事業を中心に運営しています。地域密着型の通所介護施設として、高齢者の方々が安心して過ごせる場を提供しています。それに加えて、8年前からフードバンク活動、一昨年4月に「みんな食堂」と呼ばれる子ども食堂も始めました。
ーみんな食堂というと、どのような活動内容なのでしょうか?
東さん:「みんな食堂」は、月に2回、第2・第4水曜日に開催しています。学校帰りの子どもたちが集まって、ご飯を食べたり遊んだり宿題をしたりできる場所ですね。一緒に来られる親御さんも多くて、親子でほっと一息つけるような場になっていると思います。
ーフードバンクの方も気になります。どんな形で運営されているんですか?
東さん:フードバンクは火・水・金の午後と土曜日の午前中に開いていて、食料を必要としている方々に配布しています。一人親家庭や生活に困難を抱えている方が対象ですけど、誰でも来やすい雰囲気を大事にしています。
活動を始めたきっかけ
ーこのような幅広い活動をされるようになったきっかけを教えていただけますか?
東さん:元々、理事長の西山が別の介護施設で働いていたんです。その時に、どうしても「高齢者だけ」じゃなくて、もっといろんな人が安心して住める地域を作りたいと思ったことがきっかけで、ご自身でNPOを立ち上げてデイサービスを始めました。
ーデイサービスからスタートしたということですが、そこからみんな食堂やフードバンクを始めるに至ったのはなぜでしょう?
東さん:地域の子どもたちとその親御さんのことが気になったんですよね。昔と比べて、学校から帰っても1人の子が多いと思います。少子化、共働き家庭やひとり親家庭の増加など、原因は色々あると思いますが、分かっているのは子どもだけじゃなく、親御さんも大変だということ。この状況に対して「自分たちができることをやろう」と思ったんです。それが、みんな食堂を始めるきっかけでした。「みんな食堂」は、子どももその親御さんも含めて、誰もが来ていいという意味を込めて名付けました。
ーフードバンクについてはどうでしょう?
東さん:フードバンクは、いただいたものをお渡しするだけの活動なんですけど、これもすごく大事だと思っています。「捨てられるはずの食べ物が誰かの役に立つ」、その瞬間に「ありがとう」って言ってもらえる。それが嬉しいし、やりがいになっています。
活動を通じて解決したい課題
ーこれらの活動を通じて、どのような課題を解決したいと考えているのでしょうか?
東さん:大きなテーマとしては、NPOの理念でもある「誰もが住みやすい町を作ること」ですね。高齢者も子どもも、障害がある方も、経済的に困難な方も、みんなが安心して暮らせる町。それを目指しています。
ー具体的には、どんな課題があるのでしょうか?
東さん:そうですね、まず高齢者の孤立は大きな課題です。家に一人でいて誰とも話さないというのは、心身ともに良くないですから。デイサービスでは、利用者さん同士が交流できるような場作りを心がけています。
あとは、子どもたちの居場所不足ですね。特に地方の小さな町だと、放課後に安心して過ごせる場所が少ないので、みんな食堂がその役割を果たせていれば嬉しいです。
支援活動で意識していること
ー支援をする上で、特に意識されていることはありますか?
東さん:「この場所に来て良かったな」と思ってもらうことが一番大事です。高齢者の方でも子どもたちでも、自分がここにいて良いんだなって感じられるような場所を作りたいと思っています。
ー具体的には、どのような工夫をされていますか?
東さん:一人ひとりの気持ちを汲み取ることを大事にしています。子どもたちだと、「今日はちょっと学校で嫌なことがあったのかな」とか、そういう様子を見てあげるだけでも違うと思うんです。高齢者の方にも「今日は何か楽しいことがありましたか?」って声をかけるだけで、笑顔が見られることもあります。
今後の展望
ーこれから、どのような活動を目指していきたいですか?
東さん:まずは、みんな食堂の活動をもっと広げたいですね。今は月2回だけですけど、できればもっと頻繁に開けたらと思っています。
ー新しい取り組みも考えていますか?
東さん:そうですね。例えば、子どもたちへの学習支援とか、引きこもりの子どもたちを支えるような事業ができればと思っています。でも、それには人材が必要なので、地域全体で協力していける仕組みを作りたいですね。
メッセージ
ー最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
東さん:もし興味があれば、一度施設を見に来てほしいです。百聞は一見に如かず、ですからね。どんな場所でどんなことをしているのかを知ってもらえると嬉しいです。
それから、活動を支えてくださる方も大募集しています。料理を手伝ったり、子どもたちと遊んだり、勉強を教えたり、どんな形でも力になっていただけると助かります。「自分に何ができるかな」と思ったら、ぜひご連絡ください。きっと何かしら役立てることがあると思います。