言語脳科学に基づく革新的英語学習メソッド「ギャビー」の真髄とは

東京大学との共同研究から生まれた「言語脳科学に基づく英語学習メソッド」を展開する株式会社ギャビーアカデミー。独自開発のAIアシスト学習システムと、北米在住の優秀な講師陣によるコーチングを組み合わせた革新的なアプローチで、ビジネスパーソンの英語スピーキング力を急速に向上させるサービスとして今注目を浴びています。ギャビーのメソッドの真髄について、代表のホール奈穂子様にお話を伺いました。

「勉強しているのに話せない」という課題に革新的なアプローチで挑む

ー貴スクールのサービス概要について教えていただけますでしょうか?

ホール様:ギャビーは、「勉強しているのに自分の言いたいことがなかなか話せない」という英語学習者の方を対象にサービスを展開しています。多くの方が丸暗記に頼っている現状に対し、「言語脳科学」をベースにしたトレーニングプログラムを提供しています。特に力を入れているのが、単語を自由に組み合わせて素早く文を作る力と、相手にしっかり伝わる発音力の育成です。

発音に関しても、単なる音素の改善だけでなく、ストレスや抑揚など、相手に意図が伝わりやすい話し方の習得に焦点を当てています。現在レッスンを受講されている生徒様の多くは30代後半から50代前半のビジネスパーソンで、特に技術系やIT系の男性の方々にご利用いただいています。

こうしたアプローチは、特に論理的思考を得意とする技術者の方々に親和性が高く、日々の積み上げ型トレーニングを通じて着実に成果を実感できる仕組みが好評を得ています。全てのサービスはオンラインで完結するため、時間や場所の制約なく学習を進められる点も、多忙なビジネスパーソンから支持されている理由の一つです。

シリコンバレーでの経験から見出した日本人の英語教育の課題

ーギャビーを立ち上げられた経緯について教えていただけますでしょうか?

ホール様:私は以前、国立大学でシリコンバレーの留学プログラムのコーディネーターを務めていました。その際、情熱を持って渡米した日本人学生たちが、英語でのコミュニケーションに苦戦する姿を目の当たりにしました。特に、他国からの留学生と比較した際に、日本人学生が大きなハンディを背負っているような状況を目にし、これでは日本の若者が世界で自由に活躍することは難しいと感じました。

この経験から、日本の若者が世界で活躍するためには、新しい英語学習の仕組みが必要だと感じ、2017年にカナダのバンクーバーに法人を設立し起業しました。シリコンバレーで出会った同じ志を持つビジネスパーソンからの出資を得て事業をスタートし、その後、東京大学の酒井邦嘉教授との出会いから約4年間の共同研究を経て、2022年にメソッドを確立。2023年にはAIを組み込んだ新しいWebアプリケーションを開発し、サービスを開始するに至りました。

言語脳科学に基づく5つの独自トレーニング

ーメソッドの特徴について、具体的に教えていただけますでしょうか?

ホール様:私たちのメソッドは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のノーム・チョムスキー教授の理論を研究されている東京大学の酒井邦嘉教授との共同研究から生まれました。チョムスキー教授が提唱する「普遍文法(ユニバーサル・グラマー)」の考え方をベースに、人間の脳が本来持っている言語習得能力を活用し、より自然な形で英語を習得できるよう設計されています。

この理論によれば、人間の脳には言語を習得する能力が生まれつき備わっており、それは国籍や人種に関係なく普遍的なものです。私たちはこの脳の自然な力を活用しながら、英語のスピーキング能力を育成していきます。

具体的には「ニューロ・ラングイッジ・トレーニング」と呼ばれる4つのドリル(UGスピード、UGビルダーズ、UGストラクチャー、UGマスターズ)を通じて、段階的に英語力を向上させていきます。特徴的なのは、単語や文法の暗記ではなく、文法中枢と呼ばれる脳の部分を活性化させ、リアルタイムで文を組み立てる力を養成する点です。

このアプローチでは、従来の「読む・書く」中心の学習や、完成された文章の丸暗記とは異なり、音声情報を重視し、文からコンテンツを始めるという特徴があります。これは、私たちが母国語を話す時のように、リアルタイムで考えながら文を組み立てていく自然な言語習得プロセスに基づいています。

合わせて、脳科学的に自然な言語習得に沿った方法で相手に伝わりやすい発話方法を身につけるメソッド(Color Vowel®認定校、Karen Taylor & Shirley Thompson. Copyright ©)を使い、 母音や子音の発音矯正に留まらず、英語の音韻能力(ストレス・リズム・抑揚)を習得するトレーニングを動画コンテンツやコーチングセッションでの指導を通して行います。

モチベーション維持を重視したプラットフォーム設計

ー英語学習は「挫折との戦い」でもあると思いますが、生徒様のモチベーション維持について、どのような工夫をされていますか?

ホール様:練習方法を極限までシンプルにし、ログインするだけで今日のトレーニングメニューがAIによって提示される仕組みを採用しています。また、北米在住の有資格ネイティブコーチによる本格的なコーチングを提供し、短い時間でも効果的なフィードバックを得られる環境を整えています。

コーチング面での特徴は、単なる英会話練習ではなく、プロフェッショナルな英語講師による目標達成に向けたサポートを提供している点です。講師陣は北米の語学学校や大学での指導経験を持つプロフェッショナルに限定しており、わずか25分のセッションでも受講生の課題を的確に把握し、効果的なアドバイスを提供できます。

システム面では、コーチとのメッセージ機能や、練習量に応じたポイント制度、詳細な学習ログの可視化など、モチベーション維持のための様々な仕掛けを用意しています。また、バイリンガルのコーディネーターによる日本語でのサポート体制も整えており、学習方法や教材についての疑問にもきめ細かく対応しています。

段階的に高度なビジネス英語力を育成

ーコース体系について教えていただけますでしょうか?

ホール様:基本となる「スピーキング強化コース」では、TOEIC500点程度の方を対象に、ギャビーメソッドによる自己学習とコーチングを組み合わせて提供しています。このコースでは、ある程度の英語の基礎力はあるものの、自由に話すことが難しい方を対象に、スポーツの基礎練習や楽器の音階練習に相当する反復トレーニングを行います。

その後、ビジネスカルチャーや論理展開の違いを学ぶ「ビジネス英語コース」、時事問題についての議論力を養う「議論力強化コース」、発音に特化した「発音習得コース」と、段階的にスキルアップできる構成となっています。特に議論力強化コースでは、日本経済新聞社が提供する英語ニュースを活用し、時事的な話題について自分の意見を論理的に展開する力を養成します。

今後の展望

ー今後の展開についてお聞かせください。

ホール様:現在、7つのビジネストピックに分けてコンテンツを提供していますが、今後はより企業の業種や職種に特化したカスタマイズコンテンツの開発を計画しています。また、生成AIを活用し、個人のニーズに合わせたよりパーソナライズされた練習コンテンツの提供も検討しています。

大手製造業や商社など、実際に英語を使って仕事を進める必要のある企業での導入実績も多数あり、3ヶ月の利用でVERSANTスピーキングテストのスコアが5-10点上昇するなど、具体的な成果を上げています。

当スクールでは英語学習に関するサービスを提供していますが、英語はあくまでもコミュニケーションツールに過ぎないと考えています。私たちの目標は、英語を話すことそのものではなく、英語を使って皆さまが国境を越えて活躍できるようになることです。

そのために、学術的な裏付けのある効率的なトレーニング方法と、実践的なコミュニケーション機会を、より多くの方にお届けしていきたいと考えています。もし今、英語で話すことに課題を感じていらっしゃる方は、ぜひ一度、言語脳科学に基づく新しい学習方法を体験していただければと思います。