オーストラリアから世界へ!個性を活かした日本語教育で、バイリンガルの未来を育む「すみれ日本語教室」代表 ハワード美香氏インタビュー

オーストラリア・ゴールドコーストを拠点に、海外在住の日本人家庭や国際結婚家庭の子どもたちに向けて日本語教育を展開する「すみれ日本語教室」。コロナ禍をきっかけにオンライン展開を加速させ、現在では世界中の学習者に日本語教育を提供しています。独自の個別カスタマイズ教育と徹底的な生徒理解により、着実な成果を上げている同教室の創設者、ハワード美香氏に、教室の特徴や教育理念についてお話を伺いました。

海外在住の子どもたちの日本語教育を支援 ― 設立の背景とビジョン

ハワード美香すみれ日本語教室は、オーストラリアのゴールドコーストとブリスベンで対面レッスンを提供しています。コロナ禍をきっかけにオンラインレッスンも開始し、現在では世界中から生徒さんが参加されています。当初は3歳から15歳程度を対象としていましたが、オンライン化に伴って年齢層が広がり、現在では20歳の方まで幅広い年齢層の方々が学ばれています。

ーゴールドコーストでの日本語教育の需要についてお聞かせください!

ハワード美香:ゴールドコーストは日本人コミュニティが非常に活発で、日本語教育への需要も高いんです。しかし、海外で暮らしていると、子どもたちが学校生活を始めた途端に英語環境が中心となり、日本語力が急速に低下してしまう傾向があります。

実は私自身、子育ての中でこの課題に直面したことが教室設立のきっかけとなりました。オーストラリアに来て半年から1年ほどで、子どもたちの言語バランスが英語優位に傾いていくのを目の当たりにしました。日本に住むじいじ、ばあばや親戚が日本語しか話せない状況で、この言語の断絶を何とかしなければと強く感じたのです。

徹底的な個別対応で実現する、効果的な日本語教育

ハワード美香すみれ日本語教室の最大の特徴は、生徒一人ひとりの個性を最大限に活かした指導アプローチです。入会時には、生徒さんの趣味や好きなキャラクター、食べ物の好みなど、かなり詳細な情報収集を行います。これは単なるアンケートではなく、その子の興味や性格を深く理解するためのプロセスなんです。

収集した情報を基に、完全オーダーメイドのレッスンプランと教材を作成していきます。この徹底的な個別対応が、他の教室にない私たちの強みだと自負しています。また、保護者との密接なコミュニケーションも重視しており、毎回のレッスン後には必ず5分間のフィードバックタイムを設けています。

ー具体的な指導方針や、実際の成果について教えてください!

ハワード美香私たちの指導では、「褒める」「改善点の指摘」のバランスを非常に重視しています。具体的には、レッスンごとに必ず生徒さんの良いところを3つ以上見つけることを徹底しています。ただし、成長のためには適切な課題設定も必要です。そのため、改善点も必ず1つ以上は見つけて、保護者の方にフィードバックするようにしています。

実際の成果として印象的な例をお話しすると、入会時にはほとんど日本語が話せなかった生徒さんが、1年間の学習で日常会話ができるレベルにまで上達されました。これは、その生徒さんの興味や学習スタイルに合わせた教材選びと、モチベーション管理が上手くいった結果だと考えています。

充実のコースラインナップと教育メソッド

ハワード美香:現在、25分と50分のプライベートレッスン、そしてグループレッスンという基本的なコース構成で指導を行っています。特にプライベートレッスンは人気が高く、生徒さん一人ひとりのペースや興味に合わせた柔軟な指導が可能です。

グループレッスンでは、日本の教科書を基本教材として使用していますが、ただ教科書を進めるだけではありません。すみれ独自のアプローチで、楽しみながら学べる工夫を随所に取り入れています。

生徒さんのモチベーション維持のために特に注力しているのが、教材作りです。飽きのこない教材開発を心がけ、音楽を取り入れたり、生徒さんの得意分野を積極的に活用したりしています。例えば、アニメやゲームが好きな生徒さんには、その題材を教材に取り入れることで、自然と学習意欲が高ます

今後の展望と新たな挑戦

ハワード美香:今後の展開として特に注力したいのが、グループレッスンの拡充です。日本の小学校への編入を視野に入れている生徒さんも多く、そうしたニーズに応えるため、日本の教科書をベースにしながらも、すみれ独自の楽しい学習方法を織り交ぜた新しいカリキュラムの開発を進めています。

また、教師の育成にも力を入れており、私自身、日本語教師養成講座の指導者として、世界各地で活躍する講師の育成にも携わっています。質の高い教育を提供できる講師を増やすことで、より多くの方々に日本語学習の機会を提供していきたいと考えています。

バイリンガル教育への長期的アプローチと漢字学習への独自視点

ハワード美香:日本語学習において最も大きな壁となるのが漢字です。多くの教室では書き順などの細かいルールを重視しがちですが、私たちは少し異なるアプローチを取っています。まずは漢字に親しみを持ってもらうことを重視し、過度に細かいルールにとらわれない指導を心がけています。これにより、生徒さんの漢字に対する心理的なハードルを下げることができています。

ー最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします!

ハワード美香まずは、無料体験レッスンを受けていただきたいと思います。私たちの教育方針や、お子様との相性を実際に体験していただくことが、最も重要だと考えています。

バイリンガル教育は、すぐに目に見える結果が出るものではありません。しかし、楽しみながら無理なく続けることで、必ず成果は表れます。日本語力を身につけることは、お子様の将来の可能性を大きく広げることにもつながります。ぜひ長期的な視点で、お子様の日本語教育に取り組んでいただければと思います。

オンラインレッスンの導入により、世界中どこからでも受講可能となった今、より多くの方々に質の高い日本語教育を提供できることを嬉しく思います。すみれ日本語教室は、これからもお一人おひとりに寄り添った教育を続けてまいります。