学びの本質を追求する日本史専門オンライン講座 ー 平生遠先生インタビュー

日本史の知識を単なる暗記で終わらせない、深い理解と思考力を重視した教育を提供する平生先生。私立中高一貫校での教員経験と大学院での研究経験を活かし、2022年に開講した「遠の日本史講座」は、大学受験生から社会人まで幅広い層から支持を集めています。独自の「学びの型」を通じて、受験のみならず、その先の人生でも活きる真の学力の育成に取り組む平生先生にお話を伺いました。

大学受験から社会人まで、個別最適化された学びの場を提供

ー平生先生、まずは提供されている講座の概要についてお聞かせください!

平生:主に大学受験生を対象としながら、社会人の方にも門戸を広げた個別指導型のオンライン講座を実施しています。基本的には、こちらで決まったコースやプランは設定せず、カウンセリングを通じて受講者様のニーズを把握し、個別のカリキュラムを設定しています。

大学受験指導では共通テスト対策が中心となりますが、早慶などの私大対策や国公立の論述指導も行っています。受講者様の努力が大きいですが、これまでに一橋大や慶応大、上智大などに合格されています。また、理系でも共通テスト日本史で9割をとり、国公立医学部進学につなげる方も多いです。

料金は30分あたり3,300円(入会費・年会費なし)で、こちらも受講者様に応じて最適なコマ数・時間数を提案させていただいています。

教員経験と研究者としての視点を活かした独自の教育スタイル

ー講座を始められたきっかけについて教えていただけますか?

平生:元々私立中高一貫校で4年間教鞭をとっておりましたが、同時に母校の大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院のゼミとも関わりを持っていました。その中で、受験指導という枠組みに縛られることなく、日本史の学びの裾野をもっと広げたいという思いが芽生えてきました。

ただ、中学・高校とは異なる場で教育にたずさわる以上、自分の持っている大学とのつながりを活かした形の教育も提供したいと考えた結果、社会人講座も含めた講座の開設に至りました。

独自の強み:日本史専門性と社会人講座の相乗効果

ー日本史専門のオンライン講座というのは、かなりユニークな特徴ですね!

平生:確かに、国語や数学、英語を扱わず、社会科の中でも日本史だけに特化した講座は少ないと思います。当初は苦労もありましたが、講座を続けていると、フランスに留学しながら受講された大学生やリタイア後の第二の人生として日本史を学びたいという社会人の方もいらっしゃり、今は日本史専門のオンライン講座だからこその「良さ」を感じています。

また、社会人講座で扱った内容が教科書の行間理解につながり、授業づくりの幅も広がるなど、社会人講座が受験指導にも良い影響を与えています。近年の共通テストでは、源頼朝(みなもとのよりとも)・北条政子(ほうじょうまさこ)など人名の読みに「の」が入る場合と入らない場合についてその理由を考えさせる問題が出題されるなど、専門的な内容が扱われています。専門的な視角の必要性が高まるなか、社会人講座の指導経験と大学とのつながりが受験指導にもたらす影響は大きいと日々実感しています。

学びの本質を重視した指導メソッド

ー指導される際に特に意識されているポイントについて教えてください!

平生:「日本史の授業では、「聞いて理解する」という過程が重要ですが、それだけで知識が定着するわけではありません。そこで、この講座では授業の前後に必ず「教科書を読む」予習・復習を課しています。特に、予習では、単に教科書を読ませるのではなく、次回の授業のメイントピックに関する問いを出し、その答えを調べる形で取り組んでもらいます。

多くの生徒は日本史を学ぶ際、教科書の太字や用語に目が行きがちです。しかし、問題意識を持って読むことで、問いに即した答えを自ら探し、考える機会が生まれます。授業は、その予習を前提に進めていきます。予習の段階ですでに授業内容に触れていますから、授業での質問も出やすいですね。

また、個別指導なので、受講者様の「もう一度聞きたいです」や「少し質問があるのですが」という声にも対応でき、双方向のコミュニケーションをとりながら授業を進めることができるので、質問対応は充実していると思います。授業後も、扱った内容の範囲について再度教科書を読んで整理し直すよう促しています。

保護者との連携による効果的な学習支援

ー今後の展望についてお聞かせください!

平生:この3年間の経験を通じて、保護者様との連携の重要性を強く感じております。実際に、お子様の学習状況を知りたいという方は多く、中には一緒に学習方法も知っておきたいという方もいらっしゃいます。

例えば、保護者の方から「どのように自宅学習をサポートすればよいか」という相談を受けることがあります。そういった場合、Zoomでの面談や電子メールでのやり取りを通じて、教科書や資料集の活用方法、効果的な問いかけの仕方などを具体的にアドバイスしています。

保護者の方が学習方法を理解することで、ご家庭での学習においても具体的な方法に関するコミュニケーションがとれるうえ、お子様の学習状況をより実態レベルで把握しやすくなります。実際、このような取り組みを行っているご家庭からは、「子どもの理解度が具体的に把握できるようになった」という声をいただいています。

今後は、こうした「学びの型」を保護者の方々に広く伝える機会をつくれたらとも思っています。受験指導において、保護者様のサポートは不可欠であり、「学びの型」を共有いただくことで、より充実した学習支援体制が築けるのではないかと考えています。

真の学力を追求する、能動的な学びの場として

ー最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします!

平生:この講座では、受講者様の主体的な学びを前提にした、一方通行にならない講義を実施しています。用語を覚えたはずなのに伸び悩んでいる方、自分の学習方法を見直したいと考えている方など、すでに能動的に動こうとされている(が、結果が出ていない)方に特におすすめです。

直前期に「数日間での点数アップ」を求めて来られる方も少なくありませんが、本講座では最初にそういった「魔法」のような指導はない旨を受講者様に伝えています。その代わり、問題意識をもって教科書を読みこみ、自ら考え、授業でさらに理解を深める学習サイクルをつくり、どんな問題にも対応できる「学びの型」を提供しています。

確かに、最初は問題意識をもって「教科書をよむ」予習・復習に戸惑うかもしれません。しかし、この「学びの型」は、大学進学後や社会人になってからも必要になります。問題意識のもと自分で調べ、考え、理解を深めていく。この能力は、どのような場面でも必要とされる普遍的なものです。

能動的に学ぶ姿勢を持った方には、必ず実りある講座になると確信しています。一緒に、本質的な学びの力を身につけていきましょう。