ヨーロッパの音楽を日本で学ぶ – ポーランド国立ショパン音楽大学出身の西村さんが創設したMピアノアカデミー

2024年9月に開校したMピアノアカデミーは、ポーランド国立ショパン音楽大学で学び、同大学で伴奏ピアニストも務めた西村さんが主宰するピアノ教室です。ヨーロッパの演奏解釈や奏法を日本にいながら学べる貴重な場として、小学生から会社を引退された方まで幅広い生徒が音楽の旅を楽しんでいます。今回は代表の西村さんにMピアノアカデミーの特徴や今後の取り組みについてインタビューしました!

レッスン内容と対象者について

― Mピアノアカデミー様はどのような方を対象に、どのような指導を行っているのでしょうか?

西村さん:当教室は小学生から大人まで、ご趣味の方からピアノの先生まで幅広い方々を対象としたピアノ教室です。ピアノの演奏指導を行うピアノクラスと、声楽や弦楽器の方のための伴奏クラスを同じくらいの割合で提供しています。ピアノの生徒さんだけでなく、私のピアノとオペラや歌曲を歌われる方、弦楽器を弾かれる方もいらっしゃいます。

― レッスン形態について教えてください。

西村さん:レッスンは完全にマンツーマン形式です。レッスン時間は生徒さんによって異なり、30分の方もいれば、1時間や2時間受講される方もいます。レッスン頻度も個人の学びたいペースに合わせ、人前で演奏する機会がある方はより頻繁にレッスンを受けるなど、柔軟に対応しています。

教室設立の経緯とヨーロッパ音楽への思い

― どのような経緯やきっかけで教室を始めようと思われたのですか?

西村さん:私は長くヨーロッパに留学し、ショパン国際ピアノコンクールが開催されるピアノ界のお膝元ワルシャワでピアニストとして演奏し大学で伴奏ピアニストとして教えていました。ポーランド国立ショパン音楽大学でピアノと室内楽伴奏を専門的に学び、ショパンを中心としたピアノソロだけでなく伴奏やアンサンブルに力を入れてきた背景があります。日本に本帰国した際に、これまで培ってきた経験や知識を日本で伝えたいと思うようになりました。

日本とヨーロッパは地理的に離れていて留学も手軽ではないので、特に日本では学ぶ機会が少ないヨーロッパの音楽解釈や演奏法を、留学せずとも身につけられる場を作りたいという思いから、2024年9月にMピアノアカデミーを設立しました。

他のピアノ教室との違い

― 他のピアノ教室との違いや、西村様のヨーロッパでの経験を活かした特徴はありますか?

西村さん:レッスンでは脱力された美しい音色の出し方や音色の変化、フレージングを意識しています。ロシア人やポーランド人ピアニスト達から学んだその音楽を再現していくことを心がけています。楽譜通りに正確に演奏することも大切ですが、同時に音色や音楽の流れ方も大切だと思っています。

Mピアノアカデミーの特徴としては、ワルシャワやパリでのレッスンを再現していることが挙げられます。生徒さん達は身体の自然な力で演奏する脱力奏法(ロシア奏法)を身につけ、美しい音色を追求し、ヨーロッパで伝統的に受け継がれているルバートやリズム感などを学ぶことができます。

レッスン曲についてはショパンを中心に受けることも可能で、現在ピアノの生徒さん達の多くが、ショパンに取り組んでいらっしゃいます。ショパンの曲には様々なな音楽要素があり、ピアノを学び深めていく上で有意義なものとなります。

生徒への指導姿勢

― 実際に生徒さんを指導する際に意識されていることはありますか?

西村さん:一番に意識しているのは、音楽を心から楽しんでもらうことです。ピアノや音楽は技術だけでなく、感情や表現を伴うものですので、演奏する喜びを感じなければ深い音楽は生まれないと考えています。そのためレッスンでは常に生徒さんの反応を見ながら、楽曲に合わせて音楽の豊かさが伝わるよう心がけています。

また、「教える」というよりも「引き出す」という姿勢を大切にしている点も特筆すべきポイントです。生徒さん一人ひとりの中には素晴らしい音楽性が眠っていると信じていますので、それを引き出すお手伝いをするという気持ちでレッスンに臨んでいます。例えば、偉大なクライネフ先生のレッスンのように「この部分は絵画のモネのように、オペラのアリアのように」と他の芸術も取り上げて解釈を広げ、より表現が豊かになることを大切にしています。

生徒さんが難しい部分で躓いた時には、まず成功している部分に注目します。「ここのフレーズの表現が素晴らしいですね」と具体的に褒め、自信をつけてもらいます。できることを認めた上で、「次はこの部分も同じように表現してみましょう」と繋げていく指導を心がけています。私がヨーロッパでそのようなレッスンを受けて嬉しかったですし、豊かな演奏につながっていくと信じています。

コースと料金体系

― コースや料金体系について教えてください。

西村さん:

  • 単発のワンレッスン制:60分8,000円
  • お月謝制:月4回60分24,000円、30分16,000円(会場費込み)

(2025.3月時点)

ピアノコース、伴奏・アンサンブルコース、インテンシブコースを設定しています。インテンシブコースはコンクールやリサイタルを控えている方向けの、頻度の高いレッスンコースです。

ただ、実際には各生徒さんに合わせた個人レッスンになっていますので、その方に最適な内容で進めています。レッスンでは生徒さんの好きなクラシック曲を中心に取り組んでいます。

今後の展望や取り組み

― 今後のビジョンについて教えてください。

西村さん:この教室を「留学しなくても、ヨーロッパの音楽やピアノ奏法を身につけることができる場所」にしたいと考えています。留学をしなくても、Mピアノアカデミーを拠点として、時には海外のサマーコースなどに参加したり来日教授のレッスンを受けることで、ポーランドやショパンの解釈、演奏法を身につけたピアニストが生まれることを願っています。生徒さんが希望する場合は、海外の夏期講習会やマスタークラスへの準備等も積極的にサポートしたいです。

また音大進学や留学は考えていらっしゃらない方も日々の生活の中で本物に触れ合う機会としてレッスンに来て頂ければいいなと思っています。美しい食事や食器、美しい花を生活に取り入れることが生活感を豊かにするように、芸術に触れることは感性が豊かになります。そのような生活感や感受性を上げるお手伝いができれたいいなとも思っています。

これは特徴的なポイントだと思いますが、ポーランドでは文化庁・政府から演奏料を頂く環境で自国民が優先される中、外国人である私が認めてもらうには圧倒的な努力と練習で良い演奏と解釈を身につけてきました。その培った音楽知識や経験をこれから伝えていきたいと思います。

音楽は人生の旅

― 最後に、記事を読んでいる方々へメッセージをお願いします。

西村さん:音楽、特にクラシック音楽は時代を超えて受け継がれている芸術です。ショパンやモーツァルトの曲は、作曲されてから200年以上経った今も、楽譜だけではなく、演奏法や解釈が大切に語り継がれ私たちの心に深い感動を与えてくれます。

Mピアノアカデミーでは、音楽を通じた豊かな時間を皆様と共有したいと考えています。ピアノが好きな方、もっと表現力を磨きたい上級者の方も、それぞれの目標や希望に合わせたレッスンをご提供します。

体験レッスンも随時受け付けていますので、「本格的なクラシック音楽に触れてみたい」「ヨーロッパの演奏法を学びたい」という方は、ぜひMピアノアカデミーの扉を叩いてください。音楽を通じた素晴らしい旅のお手伝いができることを、心より楽しみにしています。