「子どもの原体験を豊かに」まちのこ団が仕掛ける新しい遊び場づくり

「子どもの原体験を豊かにする」をミッションに掲げ、移動式遊び場やまちづくり事業を展開するまちのこ団。車で全国を巡る遊び場づくりから、空き家を活用した子どもの居場所作り、自治体と連携したまちづくりまで、多彩な活動を行っています。今回は代表の増田さんにインタビューしました!

事業の概要

ー まちのこ団では、どのような事業を展開されているのでしょうか?

増田さん:主に3つの事業を展開しており、全ての活動の共通コンセプトは「子どもの原体験を豊かにする」というミッションです。

1つ目は「移動式遊び場」です。車に様々な遊具や道具、自然素材などを積み込み、どこにでも出張できる遊び場を作る事業を展開しています。これを通じて、まちに子どもの居場所を作り、多世代交流が生まれるきっかけを作るまちづくりプロジェクトとなっています。

2つ目は「拠点式」で、「まちのこベース」という常設の場所を運営しています。ここでは「自分の責任で自由に活動する」をコンセプトに、主に小学4年生以上の子どもたちが集まっており、現在は中学生や高校生も参加する多世代交流の場となっています。また空き家を活用した平屋を借りて、子どもたちは様々な活動を展開しています。例えば施設の改修、DIY、子どもたちの「駄菓子屋が欲しい」という声から始まった駄菓子屋の運営などさまざまです。

また、本棚を作って「1箱本棚のオーナー」という図書館の仕組みを取り入れたり、季節の集まりや長期休暇中のお泊まり会、バーベキューなども実施しています。

さらに、デジタル教育の一環として、プログラミング教室も誘致しています。アナログな活動が中心の中で、デジタルスキルも身につけられる場を提供しています。

3つ目は「企画運営まちづくり事業」です。これは移動式遊び場と拠点式の経験を活かし、自治体と連携した大規模プロジェクトの実施や、それに基づく講師業務などを行っています。まちのこ団の知見を活かした、より広範なまちづくり支援を展開しています。

設立の経緯

ー まちのこ団の設立に至った経緯を教えていただけますでしょうか?

増田さん:私たちの活動のルーツは2011年にさかのぼります。当時私は東京の学生だったのですが、仲間たちと「まちのこ」という学生団体を立ち上げました。

神田を拠点に、神田淡路町二丁目再開発プロジェクトでワテラスというコンパクトシティをつくるものに携わりました。しかし、学生団体という性質上、メンバーの卒業とともに活動は自然解消となってしまいました。

その後、私は社会人となりましたが、この活動への思いを引き継ぎたいという気持ちから、2019年に茨城にUターン。2020年に現在のまちのこ団を立ち上げました。

学生時代の活動とは具体的な内容は異なりますが、地域との関わりを大切にするという理念は今も変わらず継承しています。

独自の強みと特徴的な取り組み

ー まちのこ団ならではの特徴や強みについて教えていただけますでしょうか?

増田さん:顧客層によって異なりますが、例えば移動式遊び場(コミュニティプレイバス)では、依頼主に対して主に3つの強みがあります。1つ目はファミリー層の集客、2つ目は滞在時間の延長効果です。

通常のマルシェなどでは、買い物が終われば帰ってしまいますが、私たちの遊び場があることで、家族の滞在時間が延び、結果的に消費活動にもつながります。

3つ目は場所を選ばない柔軟性です。道路、路地裏、駐車場、公園、子育て支援センターなど、どこでもその場所に合わせた遊び場づくりが可能です。

また、まちのこベースでは、私たちは「指導者」ではなく「プレイワーカー」として子どもたちと接しています。これは単なる指導者やコーチではなく、調整役や仲介役として、子どもたちのやりたいことや強み、魅力を引き出し、一緒に実現していく役割です。

そのため、子どもたちと対等な関係性を築くことができ、「先生がいない」ことがポジティブな特徴として評価されています。

活動頻度としては、移動式遊び場は年間約70回程度実施しており、特に秋季(10月から12月)がピークシーズンとなっています。

今後の展望

ー 今後、まちのこ団としてどのような展開を考えていらっしゃいますか?

増田さん:私たちが築いてきた、まちづくりを基軸とした子どもたちとまちとの接点づくりのモデルを、横展開していきたいと考えています。特に、まちのこメソッドをしっかりと整備し、他地域でも展開できるようにしていきたいと思っています。

企業・利用者へのメッセージ

ー 最後に、企業の方々や利用を検討されている方々へメッセージをお願いいたします。

増田さん:企業の皆様へは、働きながらの子育てが当たり前となった現代社会において、どうすればウィンウィンな場づくりができるのか、一緒に考えていければと思います。実際に、ビジネスシーンに遊び場を作る試みも始めています。

保護者や子どもたちへは、InstagramやLINE公式アカウントで情報発信を行っていますので、まずはそちらをご覧いただき、お近くで開催の際はぜひ遊びに来ていただければと思います。

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