幼児から大人の方まで、空手の稽古を提供する空手道 拳道会 みどり町クラブ。
13年前に始まったこのクラブは、空手を通じて礼儀や体を動かす楽しさを伝えながら、地域に根ざした活動を続けています。
子どもたちの目の変化を見守り、親子で共に成長できる場を提供する想いについて、五十嵐玉枝さんに伺いました。
老若男女が集う敷居の低い空手教室

ー どういった方を対象にどのような指導をされていますか?
五十嵐さん:私達は自分達の道場を持っているのではなく、緑町小学校という公立の小学校の体育館を借りて稽古をしています。
下は年長から上は保護者の方も通われていたり、一般の方を含め、とにかく老若男女様々な方が参加しています。
道場を持っていないことで、皆さんが参加しやすい、敷居が低いクラブでもあります。
「やってみたい」とか「運動不足だから自分のために体を動かす」という大人の方も参加され、週1回稽古をしています。
空手に気軽に触れ合ってもらい、そこからもっとやりたいという子は道場に行ったり、高校に行った時に部活に入る子もいます。
夫婦で紡ぐ空手の縁
ー この教室を始めたきっかけや背景について聞かせていただけますか?
五十嵐さん:うちには男の子が2人いまして、今は19歳と21歳になっていますが、私と主人は空手の道場を通じて知り合って結婚したという経緯もあって、子供たちにも空手をやらせたいという想いがありました。
子供が幼稚園の時に、ママ友たちに話をしたら、「体育館を借りてやったらどう?」と言われて、そこからスタートして、今13年目になります。
「楽しく厳しく」をモットーに
ー 教室の特徴やアピールポイントについて教えてください。
五十嵐さん:モットーは「楽しく厳しく」です。
楽しくないと続けられないし、厳しくないと身が入らないと思っているところもあるので、厳しさだけではなくて、子供達に楽しみながら稽古を続けてもらい、空手を続けてもらいたいと思っています。
私たちの団体「空手道 拳道会」の教えは社会貢献、それから少年少女の育成、地域に根ざすということを基本としています。
空手を通して、子供たちを親御さんと共に育てたいという気持ちで指導しています。
体を動かすことと、武道としての礼儀も大切にしていて、正座が出来ない子供達がたくさんいる中で、相手に対する礼儀と体を鍛えることを目指しています。
挨拶から始まる人間形成

ー 生徒さんに接する際に大切にしていることや、特に意識していることはありますか?
五十嵐さん:一番は挨拶です。
個人差は当然ありますが、稽古を続けるうちに礼儀正しくなる様子が見ていて感じます。
子供さんたちはある時ふっと変わるんです。
人間的に大きくなった、成長したという部分は、端々に感じるところがあります。
年中・年長さんから始めて、中学生高校生まで続ける子もいますが、大体小学校6年生で卒業していく子が多いです。
6〜7年通して身近に接していますと、見た目は当然大きくなっていきますが、中身も変わります。
何より、目つきが変わってきます。
小さい子供達と大人も全く同じ時間帯、同じ場所で稽古しています。
そこが一番の我々の特徴で、帯がほどけていたら帯を直してあげたり、大きい子が小さい子の面倒を見る。
一般部の方々は子供達の保護者の方が多いので、全てのお子さんにご自身の子供さんのように接している姿をよく見かけます。
週1回の稽古から人間形成へ
ー 今後強化したいことや、新たに取り組んでみたいことはありますか?
五十嵐さん:強化したいことはレッスンの日数です。
地元の小学校の体育館を借りているため、なかなか枠が取れないのですが、出来ればもう1日くらいは増やしたいという目標があります。
強化ということについては、空手を通して、ただ単に強くなれば良いというものではないので、強さを追い求めるような練習方法というよりは、やはり私たちは人間を育てるという意味で武道というものを通して人間形成を第一の目的としています。
その目的を外れることなく、1回1回の指導を充実させていきたい。これは、昔も今もこれからも変わりません。
お子さんの気持ちを大切に
ー 最後に入会を考えていらっしゃる方にメッセージをお願いできますでしょうか?
五十嵐さん:空手は親御さんがさせたいと思っている方が多いですが、実際、子供が本当にやりたいという気持ちがないと続けられないと思っていますので、まずは体験にいらしてください。
その上でもう少し体験したいというお気持ちがあれば、もう一度体験ができますし、子供さん主体で決めてもらえたらと私達は考えています。
ぜひお子様の気持ちを大事にして、やりたいと感じていただけたら、ぜひ参加してほしいです。