伝統的な日本舞踊の世界に新たな風を吹き込む瑞鳳流は、古典的な作品から現代のポップスまで、生徒一人ひとりの希望に寄り添った指導で幅広い層から支持を集めています。
日本舞踊家として長年のキャリアを持つ瑞鳳さんに、新しい時代の日本舞踊の魅力と可能性について語っていただきました。
幅広い年齢層を受け入れる日本舞踊教室
ー 瑞鳳流についての概要を教えてください。
瑞鳳:年齢制限は基本的にはなく、現在は4歳から80代まで幅広い年齢層の方々が在籍しています。基本的には個人レッスンを中心としていますが、場所によっては団体レッスンも並行して行っております。
ー 教室を始められた経緯について教えてください。
瑞鳳:私の両親が日本舞踊を教えておりまして、その後を継いだ次第です。瑞鳳流としては約30年の歴史がありますが、これは両親が当時所属していた流派から独立してからの期間です。
私自身は2歳半で初舞台を踏んでから45年以上、日本舞踊に携わっております。
現代的なアプローチで魅せる日本舞踊
ー 他の教室にない瑞鳳流独自の特徴やアピールポイントを教えてください。
瑞鳳:日本舞踊というと、厳しそう、怖そう、三味線の音楽だけでとっつきにくいというイメージをお持ちの方も多いと思います。私たち瑞鳳流の強みは「自由」というところにあります。
古典的な三味線音楽による演目はもちろん、白塗りやかつらを付けて踊る伝統的な形式も大切にしています。ただ、そういった本格的な演目は費用もかかりますので、より気軽に楽しめる形も提供しています。
最近では、Adoさんや菅田将暉さん、YOASOBIなど、現代的なポップス音楽にも振りをつけて踊っています。生徒さん一人ひとりが希望する曲を持ち寄り、それに対して日本舞踊の要素を取り入れた振付を行っています。
歌舞伎の要素を取り入れた殺陣の指導も行なっています。舞踊殺陣は、主役として戦う姿を表現する本格的なものです。特に、刀剣愛好家の方や、アニメ・ゲームが好きな方、コスプレイヤーの方から人気があります。
男性はもちろん、「刀女子」と呼ばれる女性の愛好家の方々も多く参加されています。
子供向けの体験教室では、100円ショップの模造刀を持参される方や、お城の土産物店で購入した家紋入りの刀を持ってこられる方もいます。また、刀以外にも薙刀や槍といった長物も扱っており、様々な武器を用いた表現が可能です。
基礎を重視しながら個性を活かす指導方針
ー 生徒さんへの指導で特に意識されていることはありますか?
瑞鳳:まずは基礎を大切にすることを重視しています。どのような曲で踊るにしても、ダンスとは異なる日本舞踊の型を身につけていただくことが重要です。その上で、生徒一人ひとりとカウンセリングを行い、求めているものを明確にしています。
例えば、古典作品を極めたい方もいれば、現代的な表現を追求したい方もいます。最近では、ジェンダーレスな表現を求める方も増えており、男性でも女性の所作を学びたいという要望もあります。
また、自身のパフォーマンスに日本舞踊を活かしたいという方もいらっしゃいますので、それぞれの個性や目的に合わせた指導を心がけています。
アクセスしやすい料金体系とレッスン形態
ー 提供しているコースやプランについて教えてください。
瑞鳳:基本的には月謝制です。教室の場所によって金額が異なりますが、1回30分・月3回の個人レッスンを、13,000円から14,000円で提供しています。団体レッスンの場合はより手頃な料金設定となっています。
子供向けのコースは1回3,000円からと、より気軽に始められる価格帯で実施しています。
教室は東海圏内の複数箇所で展開しており、練習場所の広さによって個人レッスンや団体レッスンの形態を変えています。特に長物を使用する稽古は十分なスペースが必要となるため、教室の特性に合わせて対応しています。
オンライン指導に対する今後の展望
ー 今後さらに取り組んでいきたいことについてお聞かせください。
瑞鳳:対面指導は愛知県を中心とした東海地方で展開していますが、コロナ禍以降はオンラインレッスンも開始しました。
伝統文化と日本舞踊をオンラインで学べるサイトも運営しており、地理的な制約を超えて多くの方に日本舞踊を体験していただけるようになりました。今後は、日本文化に興味をお持ちの海外の方々にも、積極的に発信していきたいと考えています。
日常に息づく日本舞踊の魅力
ー 最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします。
瑞鳳:日本舞踊の要素は私たちの日常生活にも多く取り入れられています。例えば、アイドルの「首かしげ」のポーズも、日本舞踊の「おくび」という所作がベースとなっています。このように、日本の伝統芸能は現代の生活にも深く根付いているのです。
堅苦しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは体験レッスンから気軽に始めていただければと思います。日本舞踊がどのようなものなのか、実際に体験してみることで新しい発見があるはずです。どうぞお気軽にお問い合わせください。