柏市で約40年の歴史を持つNPO法人チャイルドホーム。キリスト教の教えをベースにした保育方針のもと、少人数制できめ細やかな保育を実践しています。
体操・英語・リトミックなど、専門講師による充実した教育プログラムと、子どもたち一人ひとりの個性を大切にする保育について、同法人の佐々木さんにお話を伺いました。
39年の歴史を持つ認可外保育施設として、地域のニーズに応える
ー団体の概要についてお伺いさせてください。
佐々木:柏園は1986年4月に開園し、約39年の歴史があります。当初は0歳から3歳児までを預かりと、幼稚園児のお子さんの預かり保育という形で運営していました。約20年前に保護者の方からのご要望により、0歳から就学前までの子どもたちの保育を開始しました。
また、2016年からは東京都武蔵野市に武蔵境園を開園し、NPO法人チャイルドホームとして両園を運営しています。武蔵境園は小規模認可園として0〜2歳児を対象としています。
ー保育園を始めるに至った経緯について教えていただけますでしょうか?
佐々木:柏市内には多くの保育園がありますが、認可保育園に入れない子どもたちも多く、新たな保育施設の必要性が高かったことが開園のきっかけです。単なる保育所ではなく、「わが子を育てるように」という思いのもと、少人数できめ細やかな保育を目指しました。
現在、柏園は教会の敷地内に併設されており、聖書の教えをベースとした保育を行っています。善悪の区別ができる子ども、愛情を込めて子どもを育てることを大切にしながら、地域の保育ニーズに応える場所として運営を続けています。
プロフェッショナルによる特色ある教育プログラム
ー実際の保育園での活動内容について詳しくお伺いさせてください。
佐々木:当園の特色として、体操・英語・リトミックの各専門講師によるレッスンを、保育カリキュラムの中でほぼ毎週実施しており、子どもたちは楽しみながら体力や知識を確実に身に着けています。
10年以上継続して指導してくださっている講師陣は、単に各分野を教えるだけでなく、保育士と連携しながら子どもたち一人ひとりの成長を見守っています。
体操では幼稚園の体操とスポーツクラブの要素を組み合わせた独自のプログラムを展開しています。英語教育では、3歳児までは基礎的な内容を、4、5歳児ではJAPEC児童英検の受験に向けた指導を行っています。
ほとんどの園児が卒園までにJAPEC児童英検の6級または5級を取得しています。
また、3歳児以上の希望者には保育時間内に、リトミック音楽講師によるピアノの個人レッスンも実施しています。年に1回、教会の礼拝堂で発表会を開催し、子どもたちの成長を披露する機会も設けています。
キリスト教の価値観に基づく、一人ひとりを大切にする保育
ー他の保育園とは異なる、独自の取り組みについて教えてください。
佐々木:柏市内でキリスト教主義の保育園は珍しく、それが当園の大きな特色となっています。理事を務める牧師が毎日聖書の言葉を子どもたちに教え、一人ひとりが神様によって目的を持って作られ、愛されている存在であることを伝えています。
保育士全員がクリスチャンというわけではありませんが、信仰を持つ職員もおり、子どもたちを大切な人格者として扱い、社会に役立つ人として成長できるよう育てています。
また、教会との共催で、乳幼児から参加できるクラシックコンサートや演奏会なども定期的に開催しています。保育園児だけでなく、保護者や地域の方々も参加できる音楽イベントを年に数回実施し、早い時期から本物の音楽に触れる機会を大切にしています。
保育にとどまらない地域貢献を目指して
ー今後、団体として強化していきたい部分や取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
佐々木:少子化の影響で園児数は減少傾向にありますが、NPO法人チャイルドホームとしては、保育園の運営だけにとどまらず、高齢者向けのデイサービスなど事業の幅を広げていきたいと考えています。
また、柏市では学童保育のニーズも高いため、スタッフが確保できれば、習い事を含めた学童保育の充実も図っていきたいと思います。
ー最後に、記事をご覧の方へメッセージをお願いします。
佐々木:「三つ子の魂百まで」という言葉にあるように、幼児期の生活の場である保育園はとても大切です。毎日の生活の中で愛情を受け、自己肯定感を育み、自分も周りの人も大切にできる子どもに育ってほしいと考えています。
当園の園歌にもある「何事でも人にしてもらいたいことは他の人にもそのようにしなさい」という聖書の言葉のように、自分にしかできないことを活かしながら、周りの人を幸せにできる子どもを育てていきたいと思っています。