明治時代から一般の人々の趣味として親しまれてきた筑前琵琶。
その伝統を継承しながら、新たな挑戦を続ける筑前琵琶大阪旭会の宮崎旭彰さんに、教室の取り組みや筑前琵琶の持つ多彩な魅力についてお話を伺いました。
教室概要

ー どういった方を対象にどのようなレッスンをされていますか?
宮崎さん:伝統芸能である筑前琵琶、特に音楽的なものに興味をお持ちの方であれば、学生から年配の方まで幅広く受け入れています。
月に2回、1時間のレッスンを実施しており、年1回の発表会に向けて1年間かけて練習を重ねていく形式です。
生徒さんごとに曲目を選び、それを丁寧に練習していきます。
筑前琵琶との出会い
ー 宮崎さんが琵琶を始められたきっかけについて教えていただけますか?
宮崎さん:約10年前のことですが、私の知人である神主さんの祖父が琵琶の著名な方で、その縁で教室の存在を知りました。
それまでピアノなどの経験はありましたが、本格的な伝統楽器は経験がなく、ぜひ学びたいと思い入門しました。
筑前琵琶の伝統と特徴
ー 筑前琵琶について教えていただけますか?
宮崎さん:筑前琵琶は、その名の通り福岡が発祥です。
明治時代から一般の方々の趣味として広まり始め、現在に至ります。
特徴的なのは、楽器演奏だけでなく、歌と語りという要素を含む総合的な芸能だということです。
古語を用いた文学的な要素や、歴史的な実話に基づいたエピソードを題材とすることも多く、様々な角度から楽しむことができます。
また、初心者の方でも気軽に始められるよう、楽器の貸し出しも行っています。
レッスンで大切にしていること
ー 生徒さんにレッスンされる際に大切にされていることについて教えてください。
宮崎さん:現代音楽とは全く異なる形態なので、まずは楽器に触れていただくことを重視しています。
また、師匠から学んだように、歌の歴史的背景をしっかりと伝え、それに基づいて歌い方を指導しています。
どのように歌えば観客により良く伝わるのか、その技術的な部分も丁寧に指導しています。
座学的な部分と実践的な部分をバランスよく織り交ぜながら指導を行っています。
発表の機会と全国的な活動
ー 発表会など、演奏の機会についてお聞かせください。
宮崎さん:大きく分けて二つの機会があります。
一つは年に1回のローカルな発表会で、もう一つは3年周期で開催される全国大会です。
全国大会は関西、関東、九州の3つのエリアが持ち回りで主催し、各地域から演奏者が集まる大きなイベントとなっています。
全国大会が無い年は、大阪旭会独自の演奏会を開催しています。
筑前琵琶の魅力

ー 宮崎さんにとって筑前琵琶の魅力はどういったところでしょうか?
宮崎さん:筑前琵琶の最大の魅力は、様々な要素が融合している点です。
文学的な部分、歴史的な背景、音楽的な要素など、多面的な魅力があり、自分自身の教養にも深く繋がっていきます。
一見すると難しそうに見えるかもしれませんが、実際に触れてみると、他の楽器にない独特の音色や声の出し方など、必ず面白いと感じていただける部分があると感じています。
目標を持って練習できる環境づくりが大切だと考えています。
特に若手の方々に向けて、小規模なコンサートスペースでの発表の場を増やしていきたいと考えています。
宮崎さん:より多くの演奏機会を設けることを目指しています。
ー 教室として今後強化したいことはありますか?
これからの展望
興味をお持ちの方へのメッセージ
ー 最後に、教室に興味を持たれた方へメッセージをお願いできますか?
宮崎さん:琵琶を習える機会は決して多くありません。
なかなか「琵琶をやっています」という方には出会わないと思いますが、だからこそ新鮮な体験になるはずです。
また、このコミュニティーでの新しい出会いも魅力の一つです。
幅広い年齢層の方々が学んでおられますので、ぜひ一度、琵琶の世界に触れていただければと思います。
怖がらずに、気軽に体験していただけたら嬉しいです。