教育のデジタル化が進む中、タブレット学習教材は「紙の教材をデジタル化しただけ」という批判も少なくありません。しかし、4歳から中学受験まで、算数に特化したタブレット教材を提供するRISU Japan(リスジャパン)は、そんな常識を覆す挑戦を続けています。
同社が掲げるのは「無学年制」という革新的なコンセプトです。従来の学年という枠を取り払い、一人ひとりの理解度や得意分野に合わせて自由に単元を選択できます。例えば、計算は6年生レベルでも、図形は3年生レベルから始められるのです。これにより、すべての子どもが自分のペースで確実に成長できる環境を実現しました。
さらに特筆すべきは、AIによる学習分析と、それに基づく完全個別最適化されたサポート体制です。「分からないところだけ」に焦点を当てた効率的な学習方法で、1日わずか10分の学習でも着実な成長を実現しています。RISU Japanが提案する新しい学習スタイルに迫ります。
未就学児から中学受験まで。算数に特化したタブレット学習サービス
ーRISU Japan様のサービス概要について教えてください。
RISU Japan 橋本紗奈様:「RISU きっず」は4歳から未就学児、「RISU 算数」は小学校1年生から6年生までを対象とした算数特化型のタブレット学習教材です。最大の特徴は無学年制を採用していることで、算数が得意なお子様はどんどん先に進められる一方、苦手なお子様はゆっくり丁寧なペースで学習を進めることができます。
また、お子様が分からない問題に直面した際には、個別の学習データを分析し、その都度最適な解説動画をタブレットに配信します。お子様自身で問題を解決しながら、着実に学習を進められる仕組みを整えています。
さらに、保護者様に向けても、お子様の学習の進捗状況や、効果的な声かけの方法、躓いているポイントなど、きめ細かなサポート情報をメールで頻繁に配信しています。これは多くの保護者様から高く評価されている特徴の一つです。
サービス開発の背景にある「算数」という教科への着目
ー算数に特化したサービスを開発された背景について教えてください。
橋本:小学校の教科の中でも、算数は最も積み上げが重要な科目だと考えています。また、大人になってからも買い物や割引計算など、日常生活で必要不可欠な能力です。そういった観点から、まずは算数に特化したサービスを作ろうということになりました。
2014年のサービス開始以来、多くのお子様の算数学習をサポートしてきました。特に中学受験を目指すお子様をメインターゲットとしており、その需要に応えるべくサービスの拡充を続けています。
独自の「無学年制」で実現する、個別最適化された学習体験
ー無学年制について、もう少し詳しく教えていただけますか?
橋本:算数には計算、図形、文章題など様々な単元がありますが、それぞれの得意不得意は子どもによって異なります。例えば、図形は3年生レベルでも計算は6年生レベルまで進められるといった具合に、単元ごとに異なるペースで学習を進めることができます。
学習コンテンツはRPGのようなマップ形式で表示され、クリアしたステージから枝分かれして新しい単元に進むことができます。また、チュートリアルでは実力テストを実施し、すでに理解している内容は自動的にクリアされるため、効率的に学習を進めることが可能です。
このシステムにより、例えば計算が得意な子どもは5年生や6年生レベルの計算問題に挑戦しながら、図形は3年生レベルをじっくり学習するといった、完全に個別最適化された学習が実現できています。
充実したサポート体制
ー学習継続のためのサポート体制について教えてください。
橋本:保護者様向けのサポートとして特徴的なのが、複数のメールアドレス登録システムです。両親だけでなく、祖父母など家族のメールアドレスも登録可能で、お子様の学習状況や進捗を共有することができます。
例えば、「おばあちゃんから『この問題やってるんだね』と声をかけられて嬉しかった」「祖父母の家に遊びに行った時に、学習の話題で盛り上がった」といった声も寄せられています。多方面からの励ましや声かけが、子どもたちの学習意欲の維持・向上に繋がっています。
また、学習が途切れがちな場合には、保護者様に「○日間タブレットを開いていません」といった通知とともに、効果的な声かけの方法をアドバイスするメールを送信しています。
モチベーション維持のための工夫
ー子どもの学習意欲を継続させるための工夫について教えてください。
橋本:まず、RPGのようなマップデザインを採用し、ゲーム感覚で学習できる仕組みを整えています。さらに、毎日のログインや問題をクリアすることでポイントが貯まり、そのポイントでぬいぐるみなどのおもちゃと交換できる仕組みも用意しています。
また、解説動画だけでなく、しばらく学習から離れていた子どもに対して「久しぶりに開いてくれてありがとう」といった励ましの動画も配信します。子どもたちからは「先生が見ていてくれた」という声もあり、モチベーション維持に効果を発揮しています。
サービスの方針と指導における重要なポイント
ーRISU Japanの教育に対する考え方をお聞かせください。
橋本:現代の子どもたちは様々な習い事で忙しい日々を送っています。そのため、勉強で無駄な時間を使わせないよう、分からないところだけを重点的に解説する方針を取っています。1日10分程度の学習時間で、残りの時間は遊びや様々な経験に充ててほしいと考えています。
データからも、週に1回まとめて1-2時間学習するよりも、毎日10-15分コンスタントに学習する方が、より高い学習効果が得られることが分かっています。実際、最も成績が伸びている生徒は、1日15-30分程度を継続的に学習している傾向にあります。
タブレット学習の利点として、通塾時間が不要で、家庭で効率的に学習できることも大きな特徴です。時間的なロスを最小限に抑えながら、効果的な学習を実現できています。
充実したコース展開
ーどのようなコース展開をされているのでしょうか?
橋本:まず未就学児向けの「RISU きっず」があり、その後「RISU 算数」に移行します。RISU 算数では、小学6年生までの内容を学習できます。さらに、中学受験を視野に入れたお子様向けに「中学受験基礎」コースを用意しています。
また、中学受験基礎をクリアしたお子様向けに「数学基礎」コースも提供しており、中学1年生レベルの正負の数などを学ぶことができます。ただし、これらの応用コースに進むためには、前段階のコースを確実にクリアすることが必要です。
実際に、小学2年生で数学基礎まで終えた生徒もいれば、ゆっくりと着実に進める生徒もおり、まさに無学年制の特徴を活かした学習が実現できています。
今後の展開について
ー今後の展開についてお聞かせください。
橋本:来年春のリリースを目標に、中学受験向けコンテンツの本格的な強化を進めています。また、中高一貫校の生徒向けコンテンツの開発も計画しています。
これまでは先取り学習を得意とする子どもたちをメインターゲットとしてきましたが、今後は算数が苦手な子どもたちへのサポートにも力を入れていく予定です。無学年制の特徴を活かし、より多くの子どもたちの学習をサポートしていきたいと考えています。
保護者の方へのメッセージ
ー最後に、保護者の方へメッセージをお願いします!
橋本:RISU きっず・RISU 算数は、お子様が自分のペースで主体的に学習を進められることが最大の特徴です。苦手な子はゆっくりと、得意な子は効率的に学習を進めることができます。また、学習時間を必要最小限に抑えることで、子どもの時期にしかできない貴重な経験にも時間を使っていただけます。
特に、個別の学習データの分析に基づいたサポートと、保護者様への細やかな情報提供には自信を持っています。ぜひ、お子様の算数学習のパートナーとしてご検討いただければ幸いです。