プログラミングの技術だけでなく、実践的な仕事体験を通じてお金や経済の仕組みも学べる、新しい形のプログラミング教室が注目を集めています。IT企業が運営する「キッズプログラミング教室さくらぼ」では、子どもたちの創造力を大切にしながら、実務に近い環境でプログラミングを学ぶことができます。2020年の開校以来、独自の教育システムで子どもたちの可能性を広げ続けています。
事業概要
ーまず、御社の事業概要について教えていただけますでしょうか。
弘中さん:基本的に小学生以上を対象に、プログラミングやテクノロジーの教育を提供しています。特徴的なのは、プログラミングの技術だけでなく、モラルやお金、経済の仕組みなど、社会と繋げる要素を取り入れている点です。
運営母体はIT企業なのですが、平日は半導体の回路設計などの業務を行っているため、土日のみ子供たちへのプログラミング教育を実施しています。授業は1コマ90分。土日の10時半から12時、13時半から15時、15時半から17時の1日3回開催しています。
希望の時間枠を予約して参加できる仕組みで、講師1人に対して平均2〜3名の少人数制で運営しています。
独自の教育システムと特徴
ーさくらぼ様の特徴的な部分について詳しくお聞かせください。
弘中さん:私たちは「創造力を形にしよう」というコンセプトで、4つの分野に分けて授業を行っています。
1つ目は「プログラミングの基礎」。パズルを解くように、順序立てて考える力とプログラミングの基本を学んでいきます。2つ目は「センサーを使ったものづくり」です。実際の機械を使って、プログラミングの知識を活かした作品作りに挑戦できるのです。
3つ目は「表現力」の分野。動画や写真の編集、3D作品の制作など、デジタルならではの表現方法を身につけていきます。そして4つ目が「アプリ開発」。本物のプログラミング言語を使って、スマートフォンのアプリなどを作れるようになります。
加えて特に力を入れているのが、実際のお仕事を体験できる機会です。子どもたちは学習が進むと、IT企業から本物の仕事の依頼を受けることができます。「こんなアプリを作ってほしい」「このような機能が欲しい」という要望に応えて、開発から発表、納品まで一通り経験可能。その上その成果にはちゃんとお金が支払われます。このような仕事を通じて、社会の仕組みも学んでいってもらいたいと考えています。
また、月1回の「ラボタイム」という特別な時間も設けています。ここでは子どもが自由に質問したり、興味のある分野を深く研究したりできます。普段の授業では聞けなかったことも、この時間なら気軽に相談できるのです。
そして何より大切にしているのが、少人数制の指導体制。講師1人に対して子ども2〜3人という環境で、一人ひとりの「わからない」や「できた!」に丁寧に向き合っています。
このような学びを通じて、最終的には「自分でビジネスを始められる力」を身につけてほしいと願っています。プログラミングの技術はもちろん、コミュニケーション力やお金の感覚など、社会で活躍するために必要な力を、総合的に育んでいけたらと思います。
指導方針とコミュニケーション
ースタッフの方々に指導上で特に気をつけていただいている点はありますか?
弘中さん:基本方針として子供たちをよく観察することを重視しており、困っているようであれば助け、手伝いが必要な場合はサポートします。またできたことをしっかり認めることや、子どもが考える時間を十分に確保することも大切にしています。
質問の仕方は子供たちによって様々で、積極的に手を挙げて質問できる子どももいれば、そうでない子どももいます。そのためスタッフは子どもたち一人一人の性格を理解し、声かけが必要な子どもには適切なタイミングでサポートするよう心がけています。
料金体系と必要な準備
ーコースや料金体系についてお聞かせください。
弘中さん:月の受講回数に応じて料金が設定されており、回数が増えるほど料金は上がりますが、同時に割引も適用されます。また月2回以上のコースでは、兄弟での利用も可能で、回数を分けて使うこともできます。
教材やパソコンなどの機材は全て教室で用意しており、家庭での学習でも無料で使える教材をベースにしているため、追加の費用負担はほとんどありません。
今後の展望と展開
ー今後の取り組みについて、お考えをお聞かせください。
弘中さん:現在は小学生を中心とした教育プログラムを提供していますが、プログラミングやテクノロジーの重要性は年齢を問わず高まる一方です。そのため今後は、大人の方々や社会人の方々にも学びの機会を広げていく予定となっています。
また、現在は東京と大阪の2拠点での対面授業が中心ですが、より多くの方々に学習機会を提供するため、オンラインでの展開も視野に入れているところです。地理的な制約にとらわれず、全国どこからでもアクセスできる環境を整備することで、プログラミング教育の新たな可能性を追求していきたいと考えています。
プログラミング学習を検討される方へのメッセージ
ー最後に、プログラミング学習に興味をお持ちの方へメッセージをお願いします。
弘中さん:「子どもにプログラミングを学ばせたい」「コンピューターに触れる機会を作りたい」といった興味や関心をお持ちの方は、まずは気軽に体験授業やイベントへ足を運んでみてください。実際に授業を体験していただくことで、お子様の興味や適性、また私たちの教育方針との相性を確認いただくことができるでしょう。
当教室では、無料の体験授業を設けているほか、定期的にイベントも開催しております。プログラミングを通じて、お子様の創造力を形にする手助けができれば、これ以上の喜びはありません。まずは肩の力を抜いて、プログラミングの世界を一緒に探検してみませんか。きっと新しい発見が待っているはずです。