「一生続けられる書道の魅力を届けたい」曉昇書芸会・鈴木曉昇さんインタビュー

全国から集まる受講生に、正しい書道の練習法と本質的な面白さを伝えている曉昇書芸会。対面と通信を組み合わせた柔軟な学び方と、理論と歴史を融合させた指導で、多くの門下生を育てています。

本記事では、テレビドラマ「ばらかもん」の書道監修も行った代表の鈴木曉昇さんに、教室の概要から書道に込める思いまでを伺いました。

対面と通信の両軸で全国・海外から学べる体制

この教室は東京都豊島区・大塚を拠点に対面授業を行っており、通信講座を通じて全国・海外からも受講生を受け入れています。現状13のクラスがあり、超初心者から上級者まで幅広いレベルに対応しているのが特徴です。

現在は約150名の受講生が在籍し、対面とオンラインはおおよそ半々の比率となっています。日本語が話せる方であれば海外在住の方でも受講が可能で、ライブ配信やアーカイブ動画を活用し、どのクラスの授業も視聴・資料ダウンロードができるサブスクリプション型の仕組みを採用しています。

全てのクラスの授業を一つの受講料で自由に視聴できる体制は、多くの学びたい意欲を支える仕組みとして機能しています。

教えることの楽しさに気づき、指導者の道へ

もともとは会社員として働いていた私自身が、所属する書道会の会長からの打診を受け、カルチャースクールで書道を教え始めたことがきっかけでした。

最初は指導することに戸惑いもありましたが、門下生が成長し、展覧会で入選・入賞する姿にやりがいを感じ、次第に本格的に教室運営へと舵を切りました。

社会人として働きながら週末に指導を行い、生徒数を少しずつ増やしてきたのが現在の教室の基盤です。生徒たちの変化に触れるたび、自分が関われている喜びを実感し、教えることそのものに深い意義を感じています。

理論と歴史を軸に、最短で上達できる指導法

この教室の指導の特長は、「最短で上達するにはどうすれば良いか」という視点から体系立てた理論的指導にあります。筆遣いや、作品を魅せるテクニックなど、これまで培ってきたノウハウを余すことなく提供しています。

さらに、書道の歴史や文化的背景にも重点を置き、中国の書道史や書体の成り立ちなども指導に取り入れています。技術と知識の両輪で、門下生がより深く書道に取り組めるよう工夫しています。

書道の技術だけでなく、時代背景を知ることで、作品に厚みが加わり、より深い表現が可能になると信じています。

全クラス視聴可能な環境と自由な学び

全クラスの授業がオンラインで視聴できる環境を整えており、1つのクラスに所属していても他のクラスの内容にも自由にアクセスできます。

基礎を学び直したい上級者が基礎クラスの授業を視聴したり、意欲のある初心者が上位クラスの授業を視聴するなど、それぞれのレベルや関心に合わせた学びが可能です。月に30時間から40時間程度の授業を提供しており、ライブ配信に加えて繰り返し見れる重要なポイントをまとめた動画も用意しています。

自分のペースで練習に取り組める柔軟な学習環境を実現しています。まるでサブスク型のオンラインスクールのように、自由度高く学びを深められる仕組みが、多くの受講生に支持されている理由の一つです。

生徒の成長と変化が喜びに

初心者から始めた受講生が長年の努力の末に展覧会で入賞したり、以前は筆がうまく持てなかった方がスムーズに書けるようになったりと、生徒一人ひとりの変化が何よりの励みです。

中には最初は特定の書体だけを希望していた生徒が、他の書体や展覧会にも挑戦するようになり、興味の幅を広げていくケースもあります。

これまでの書道教室とは違い、礼金や贈答品の慣習を廃し、明朗な料金体系を徹底している点も、安心して通ってもらえる理由の一つです。作品の手本も、他教室よりも安価で提供しており、継続のハードルを極力下げるよう努めています。

「好き」こそ上達の近道に

指導で最も大切にしているのは、褒めて伸ばすことと、無理なく続けられる環境づくりです。

書道は一朝一夕で上達するものではありませんが、「もっと書きたい」と思える気持ちを育てることで、自発的な練習が増え、結果として大きく成長します。対面授業では筆の持ち方を実際に一緒に体験しながら学べるようにしており、筆遣いの感覚を体得しやすい工夫もしています。

上達には量が欠かせませんが、その量を「やらされてやる」のではなく、「楽しいから結果的にたくさん書く」形でこなせるように導くことが、私自身の指導方針です。

書道界の未来を見据えて

今後は、より学びやすい制度設計や、長く通える対面授業の体制整備を進めていきたいと考えています。また、通信講座のリニューアルにより、全国の人々が書道をもっと楽しく学べる環境づくりにも力を入れていきます。

書道界全体の課題である「敷居の高さ」を払拭し、誰でも気軽に始められる文化として広げていきたいという思いがあります。

さらに、パフォーマンス書道や筆文字の社会的活用を通じて、書道の魅力をより多くの人に伝えていきたいと考えています。筆文字を使ったメディア展開や営業支援など、これまでにない形での書道の社会的価値にも注目しています。

センスよりも、正しい練習で誰でも上達できる

書道はセンスよりも正しい練習の積み重ねが重要です。特に書道はスポーツなどの分野とは異なり、年齢を重ねても上達が可能であり、一生続けられる趣味とも言えます。

この教室では、楷書・行草書・隷書・篆書・仮名・デザイン書・ペン字など多様なジャンルを偏りなく学べることを大切にしており、幅広い分野に触れながら自分の書道スタイルを築いていけます。

初めて書道を学ぶ方も、以前挫折した方も、ぜひもう一度この世界の扉を開いていただきたいです。正しい方法で学べば、誰もが上達できる可能性を持っています。

書道の魅力を多くの方に届け、一緒に文化を広げていける仲間が増えることを心から願っています。


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