音楽を通じて人と人がつながり、世代を超えたコミュニティが生まれる──。ヴァイオリンクラブ「サウンドガーデン」では、幼児からシニア世代までが共に音を奏で、心を通わせています。今回は、代表に教室立ち上げのきっかけや、日々の指導に込めた想いを伺いました。

音楽を通じてまちづくりへ
ーまず、サウンドガーデンがどのような教室か、対象としている方や指導内容について教えてください。
代表:バイオリンを通じて弦楽合奏を楽しむ教室で、幼児からシニアの方まで幅広い世代を対象にしています。初心者でも参加しやすいよう敷居を下げており、誰でも音楽に触れられる環境を大切にしています。音楽を通じて人と人、そして社会をつなぐことを目指し、「音楽あふれるまちづくり」をコンセプトに活動しています。
教室立ち上げのきっかけは「娘に楽器を」
ー教室を始められたきっかけや経緯についてもお聞かせください。
代表:きっかけは、娘に楽器を習わせたいと思ったことでした。近隣の教室をいくつか訪ねましたが、どこかしっくりこなくて、「だったら自分でやってみよう」と思ったのが始まりです。当時、周囲のお母様たちからは「バイオリンって難しそう」という声も多かったのですが、私自身は幼少期から触れていたのでその感覚がなく、「やってみようよ」と声をかけたところ大きな反響がありました。
最初は幼児の合奏クラブとして始めたのですが、気づけば60名ほど集まり、私一人では手が回らなくなってしまいました。そこでお母様たちにも簡単な演奏をお伝えし、現場で我が子に教えてもらう形を取りました。それが奏功して、さまざまなイベントからお声がけいただくようになり、自然と教室が広がっていきました。
幼児からシニアまで。家族で楽しむ合奏クラブ
ー教室運営の中で印象的なエピソードなどはありますか?
代表:幼児合奏クラブから始まった活動ですが、お母様方から「自分もやってみたい」という声があり、大人の合奏クラブも立ち上げました。現在では、3歳児からシルバー世代までが一緒にステージに立つイベントも行っています。個々のレベルに応じたパートを担当していただき、無理なく参加できるよう配慮しながら、1曲をみんなで仕上げる一体感を大切にしています。

「五感を澄ませる」感性を育む指導
ー他の教室にはない、サウンドガーデンならではの強みや特徴を教えてください。
代表:小さなお子様ほど感受性が豊かで、まるでスポンジのようにあらゆることを吸収します。そのため、教室では「音を合わせること=心を合わせること」と考え、五感を使って音を感じ、心を澄ませるような指導を大切にしています。
毎回のレッスンでは、必ず何かひとつでも得て帰ってもらえるよう、1回1回を真剣に向き合っています。
「褒めて育てる」スタイルを大切に
ー生徒さんへのサポート方針や、特に意識されていることがあれば教えてください。
代表:音楽の習得には練習が必要ですが、ご家庭によって練習時間が取れないこともあります。ですから、教室での時間を最大限に活かし、「今日ここができたね」とシールを貼ったり、大人の方にも「前回より良かったですね」とポジティブな声掛けを大切にしています。
叱ることよりも、できたことをしっかり褒めて、次へのやる気につなげるスタイルを大切にしています。
音楽は世界共通語。グローバルな視点も
ー提供されているコースや、今後の展望について教えてください。
代表:音楽は世界共通語だと思っています。言語の壁を越えて人とつながれる力があり、楽譜を読めることはそれだけで世界とつながる第一歩になります。ですので、楽譜を読む力も大切にしています。
最近では、実際に楽器を持って海外へ行かれた生徒さんもいて、海外で演奏するととても喜ばれると聞いています。日本では音楽が受験などで二の次になりがちですが、海外では文化としての評価が非常に高く、笑顔で迎えられることが多いんです。音楽を学べることはとても素晴らしいことだと日々伝えています。
音楽の贈り物を次世代へ
ー最後に、記事をご覧になる方へメッセージをお願いします。
代表:音楽を楽しむこと、聴くこと、みんなで奏でること、そしてそれを次世代に繋げていくこと。こうした“音楽の贈り物”を大切にしながら活動しています。
また、当教室では異年齢の仲間たちが集い、ひとつの音楽を一緒に創り上げています。そうした場はなかなか少ないと思いますが、年齢を超えて音でつながることができる貴重なコミュニティとして、これからも音楽とともに歩んでいきたいと思います。ぜひ、皆さんも一緒に音楽あふれる潤いある街づくりに参加していただけたら嬉しいです。