「英語を学ぶ」というと、単語の暗記や文法の習得など、どうしても堅苦しいイメージがつきまとうものです。しかし、栃木県にあるたからイングリッシュスクールは、そんな固定観念を覆す斬新なアプローチで、子どもたちに英語の楽しさを伝えています。
2歳から高校生まで幅広い年齢層を対象に、ネイティブ講師による指導や手作りのイベント、実践的な学習環境を通じて、自然に英語力を身につけていく独自のメソッドが評判を呼んでいます。
20年以上の実績を持つたからイングリッシュスクールは、単なる語学学校ではありません。長期的な視点で子どもたちの成長を見守り、グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指しています。
本記事では、たからイングリッシュスクールの特徴や指導方針、そして将来の展望について詳しく紹介します。楽しみながら学ぶことの大切さ、そして英語教育が秘める可能性について、新たな視点を得られるはずです。
たからイングリッシュスクールの概要
ーまず、簡単にどういった方を対象としているサービスなのか、そして指導内容など、たからイングリッシュスクールの概要を教えていただけますか?
ソヴヤニ宏美様:たからイングリッシュスクールは、2歳から高校生までを幅広く対象とした英会話教室です。特に小学生の生徒さんが最も多くなっています。ですが、実は大人の方からのお申し込みもあるため、社会人の方にも対応しています。
指導内容は年齢によって異なりますが、幼児クラスでは歌やフォニックス、絵本を使ったリスニング強化を中心に行っています。幼い頃から英語の音に親しむことで、自然な発音や聞き取り能力の基礎を築いていきます。
小学生クラスでは、学校の英語教育も参考にしながら、私たちが独自に作成したカリキュラムを使用しています。シンプルで会話で使いやすい表現や、年齢に合わせた文章、単語を中心に学びます。特にリスニングとスピーキングに重点を置いており、とにかく英語を話す機会を多く設けています。
中学生、高校生になると、より実践的な英語力の向上を目指します。日常会話はもちろん、学校の授業と連携した文法学習や、英検対策なども行っています。
英検対策と実践的な英語力の向上もできる
ソヴヤニ:英検対策も積極的に行っており、小学5、6年生で3級、中学生で準2級、高校生で2級や準1級を目指す生徒もいます。ネイティブ講師の英語を聞く機会が多いため、自然とリスニング力が向上するのが特徴です。
ただし、単に英検合格を目指すだけでなく、実際の場面で使える英語力の育成を重視しています。例えば、リーディングとライティングのクラスでは、英語の本を読む練習や、小論文の書き方なども学びます。これにより、総合的な英語力の向上を図っています。
地域の特性を活かした英語教育の始まり
ー設立の経緯やきっかけについて教えていただけますか?
ソヴヤニ:たからイングリッシュスクールの設立は、1995年頃に遡ります。益子町にあるたから幼稚園の園長先生が、園児たちに英語を学ぶ機会を提供したいと考えたのがきっかけです。当初は週1回程度の小規模な教室からスタートしました。
栃木の益子町は陶芸で有名な地域で、多くの外国人が陶芸を学びに来ていました。園長先生は、そうした外国人の方々に子どもたちへの英語指導を依頼したのです。これが、たからイングリッシュスクールの始まりとなりました。
最初は本当に小さな取り組みでしたが、徐々に生徒数が増えていき、現在のたからイングリッシュスクールへと発展しました。地域の特性を活かした独自の英語教育の形が、多くの方々の支持を得たのだと思います。
ネイティブ講師による本格的な英語指導
ソヴヤニ:現在は、より本格的な英語教育を提供するために、TESOLやCELTA資格を持つネイティブ講師を採用しています。これらの資格は、英語を第二言語として教える際の専門的なスキルを証明するものです。
私たちが広告を出して海外に住んでいる方々と面接をし、たからイングリッシュスクールの雰囲気に合う方を選んでいます。現在は、アメリカ人2名とイギリス人1名の常勤講師がいます。イギリス人の女性講師は日本語も話せるため、必要に応じて日本語でのサポートも可能です。
講師陣は教育関係や語学関係、ジャーナリズムなどを専攻している方が多く、単に英語が話せるだけでなく、教育に対する深い理解と情熱を持っています。このような質の高い講師陣が、たからイングリッシュスクールの教育の質を支えています。
独自の指導方法と学習環境
ー他の英会話スクールにはない特徴や、一番のアピールポイントについて教えていただけますか?
ソヴヤニ:私たちの最大の特徴は、スピーキングを重視した実践的な学習環境です。単に話すだけでなく、実際の場面や物を使って英語を使う機会を提供しています。例えば、クラフトレッスンでは、「糊をください」という表現を英語で言わないと糊が使えないようにしています。これにより、日常生活の中で自然に英語を使う習慣を身につけることができます。
また、季節のイベントも大切にしています。ハロウィーンの時期には、「プチディズニーランド」と呼べるほど力を入れています。お化け屋敷の中も全て英語で説明し、その後のゲームも英語で行います。こうした実体験が、子どもたちの英語を話すモチベーションになっているのです。
さらに、全てのイベントやゲームを手作りで行っています。毎回テーマを変え、私たち講師も仮装するなど、子どもたちが楽しみながら英語を学べる環境づくりに力を入れています。英語が苦手でも、楽しさが勝って自然と耳を傾けるようになる、そんな雰囲気を目指しています。
実体験を通じて英語力を向上させる
ソヴヤニ:私たちの教育方針の中核にあるのは、「実体験を通じた学び」です。外国人と一緒に活動したり、英語でコミュニケーションを取る機会を多く設けることで、子どもたちは自然と自信をつけていきます。
例えば、修学旅行で外国人と話す課題が出た際に、多くの生徒が積極的に取り組めるようになります。「私たちが代表で行ってきました」といった話をよく聞きます。これは、日頃からネイティブ講師と接している経験が活きているのだと思います。
また、直接英語関連の仕事に就かなくても、ちょっとした日常会話なら全然物怖じしないという卒業生も多いです。「英語を話せるようになると性格が変わる」という話がありますが、まさにそれを体現しているようです。教室では積極的に発言し、自分の意見をしっかり主張できるようになります。
目指すのは長期的な視点での英語教育
ー生徒さんに指導する際に、特に意識していることや方針などがあれば教えてください。
ソヴヤニ:私たちが最も意識しているのは、なるべく日本語を使わずに英語で話すことです。教室に入ったら日本語は使わないようにと指導しています。もちろん、完全に守ることは難しいですが、どうしても言いたいことが伝わらない時には、一度教室を出て、バイリンガルの先生に英語での伝え方を確認してくるなど、工夫をしています。
また、英語学習を単なる勉強としてではなく、日常生活の中で使える実践的なスキルとして捉えています。カリキュラムには英検対策や文法学習も含まれていますが、それらも実際の会話の中で活用できるよう工夫しています。
宿題も出しますが、私たちが作成した動画を見ながらリスニングをするなど、楽しみながら学べる形式を採用しています。書いて覚えてテストをする、という従来型の学習方法は一切使っていません。
多様なコースとプラン
ー提供しているコースやプランについて、教えていただけますか?
ソヴヤニ:主なコースとしては、まず幼児コースがあり、2歳から6歳(幼稚園年長)までを対象としています。この年齢層では、歌やゲーム、絵本の読み聞かせなどを通じて、楽しみながら英語に親しむことを重視しています。
小学生クラスはレベル1から3まであり、それぞれ1・2年生、3・4年生、5・6年生を対象としています。各レベルで、年齢や学習進度に合わせたカリキュラムを用意しています。例えば、低学年では基本的な挨拶や簡単な日常会話を、高学年ではより複雑な表現や文法を学びます。
中学生クラスは学年に関係なく一緒に学びます。ここでは、学校の英語の授業と連携しながら、より実践的な英語力の向上を目指します。高校生も同様のアプローチですが、より高度な内容や、大学受験を見据えた学習も取り入れています。
特別クラスとプライベートレッスンもあり
ソヴヤニ:通常のクラスに加えて、いくつかの特別なクラスも用意しています。例えば、帰国子女や特に英語力の高い生徒向けの「レベル4」というクラスがあります。ここでは、より高度な内容や、ディスカッション形式の授業なども取り入れています。
また、小学生向けにはリーディング・ライティングのクラスも設けています。これは、話す・聞くだけでなく、読む・書く力も伸ばしたいという要望に応えたものです。
さらに、プライベートレッスンも提供しています。これは30分1回からの受講が可能で、生徒さんの希望や目的に合わせて、完全にカスタマイズした内容で指導します。社会人の方も多く利用されており、特に海外駐在予定の方や、仕事で英語を使う方などに人気です。
最近では、大学受験を控えた高校生が、英語の小論文対策や面接練習のためにプライベートレッスンを受けるケースも増えています。このように、幅広いニーズに対応できる体制を整えています。
たからイングリッシュスクールのこれからの展望
ー今後、どういった点をより強化していきたい、または新たに取り組んでいきたいということがあれば教えてください。
ソヴヤニ:今後の展望としては、留学を希望する中高生向けのコースの開設を検討しています。日本では英語を実際に使う機会が限られているため、アウトプットの場を提供することが重要だと考えています。
過去には、オーストラリアへの短期留学や、福島県のブリティッシュヒルズへの研修旅行なども実施していました。同じ先生に長期間教わっていると慣れ合いになってしまうので、外部の環境で自分の英語力を試す機会を設けることで、生徒のモチベーション向上につながると考えています。
残念ながら、コロナ禍でこうした活動が制限されていましたが、今後は徐々に再開していければと思っています。海外研修や留学サポートを通じて、生徒たちにより多くの実践的な英語使用の機会を提供したいと考えています。
また、単に英語を話せるようになるだけでなく、グローバル社会で活躍できる人材の育成も視野に入れています。例えば、異文化理解や国際的な視野を広げるためのプログラムも検討しています。
具体的には、オンラインを活用した海外の学校との交流や、国際的なイベントへの参加なども考えています。これにより、英語を使って世界中の人々とコミュニケーションを取る楽しさや重要性を、より実感してもらえるのではないかと期待しています。
さらに、SDGsや環境問題など、グローバルな課題についても英語で学び、議論する機会を設けたいと思っています。これにより、英語力だけでなく、国際社会の一員としての意識も育んでいきたいと考えています。
テクノロジーを活用した新しい学習方法の導入
ソヴヤニ:また、テクノロジーの進化に伴い、新しい学習方法の導入も検討しています。例えば、AIを活用した個別学習プログラムや、VR(仮想現実)を使った擬似的な海外体験など、革新的な学習ツールの導入も視野に入れています。
ただし、これらはあくまで補助的なものとして位置づけと考えています。たからイングリッシュスクールの持ち味でもあるface to faceのコミュニケーションの重要性は、常に意識していきたいと思います。テクノロジーと人間的な触れ合いのバランスを取りながら、より効果的で魅力的な英語学習環境を提供していきたいと考えています。
20年以上の実績を誇る、たからイングリッシュスクールの成果
ソヴヤニ:たからイングリッシュスクールは、20年以上の歴史があります。その間に多くの生徒さんが巣立っていきました。現在、最年長の卒業生は30歳を超えています。うれしいことに、英語関連の仕事に就いた方や、留学して宇宙関係の仕事をしている方など、様々な分野で活躍されています。
このような卒業生の姿を見ると、長期的な視点での英語教育の重要性を実感します。子どもの頃に楽しみながら学んだ英語が、将来の可能性を大きく広げる。そんな事例を数多く目の当たりにしてきました。
ネイティブスピーカーの先生方も、昔の生徒さんのことをよく覚えていてくれています。この小さな積み重ねが、子どもたちの成長に大きな影響を与えているのだと感じています。だからこそ、私たちも毎回全力で指導に臨んでいます。
保護者の方へのメッセージ
ー最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします!
ソヴヤニ:私たちは、お子様の将来を見据えた英語教育を提供しています。単に英語を教えるだけでなく、自信を持ち、オープンな心を育むお手伝いをしたいと考えています。
言語の習得には時間がかかります。10年、15年、20年先を見据えた長期的な投資だと考えています。すぐに成果が見えづらい部分もありますが、保護者の皆様と一緒に子どもたちをサポートし、将来「英語を学んでよかった」と思ってもらえるような英会話教育を目指しています。
英語はコミュニケーションのツールです。そのツールを使って、お子様がどんな未来を切り開いていくのか。その可能性は無限大です。私たちは、お子様一人ひとりの可能性を信じ、その成長をサポートしていきます。
また、英語学習を通じて、異文化理解や国際的な視野を広げることも大切だと考えています。グローバル化が進む現代社会において、これらのスキルはますます重要になってくるでしょう。
たからイングリッシュスクールでは、楽しみながら、そして自然に、これらのスキルを身につけていくことができます。ぜひ、お子様の未来への投資として、たからイングリッシュスクールでの学びを検討してみてください。