柔軟なカリキュラムで不登校生の未来を支える – 滝野川高等学院の豊田さんにインタビューしました!

フリースクールの滝野川高等学院は、不登校の小中学生を中心に幅広いサポートを行っています。

日中の居場所としてだけでなく、一人ひとりの成長に寄り添った支援を提供する滝野川高等学院の取り組みについて、代表の豊田さんにお話を伺いました。

早期支援の必要性から始まった不登校支援

ー スクールを始めたきっかけや経緯について教えてください。

豊田:私自身が私立高校の教員として不登校生徒の受け入れに携わるなかで、高校3年間だけのサポートでは社会につながっていく準備として十分ではないと感じました。

特に高校は社会へと繋がっていく重要な時期であり、わずか3年間では十分なサポートが難しいと実感していました。そこで、より早い段階からの包括的な支援が必要だと考え、小中学生を対象としたフリースクールを立ち上げることを決意しました。

生徒主体の柔軟なカリキュラム

ー 実際に行っている事業の内容やカリキュラムについて詳しくお伺いさせてください。

豊田:午前10時半から始まる一日は、主に学習活動から始まります。午後からは体験活動の時間となり、アクセサリー作りや料理、ギター練習、野球など、様々な活動を用意しています。

水曜日のギターレッスンや火曜・金曜日の野球活動など定期的な活動も設けていますが、基本的には生徒が自分の興味や気分に応じて自由に選択できる環境を整えています。

仲間と相談しながら新しい活動を始めることも可能で、生徒の自主性を重視した柔軟なカリキュラム構成が特徴です。

異年齢交流による社会性の育成

ー 他のフリースクールにはない、御校だからこそできる経験や学びについて教えてください。

豊田:当校の大きな特徴は、豊富な対話の機会です。小学生から時には大学生まで、幅広い年齢層の生徒が共に学び活動する環境が整っています。異なる年齢の生徒間での交流を通じて、自然とコミュニケーション能力や社会性が育まれていきます。

同年代だけでグループを作るのではなく、年齢の垣根を越えた関わりが生まれやすい環境であることは大きな強みであり、社会に出てからも活きる貴重な経験となっています。

個別対応と生徒主導の支援

ー 生徒さんに指導する際に特に意識していることや方針などがあれば、お伺いさせてください。

豊田:当校は受け入れる生徒を限定せず、通いたいと思う生徒を広く受け入れる方針を採用しています。生徒の希望や興味に合わせて私たちが対応し、生徒主導で活動を作り上げていけるよう心がけているのが特徴です。

スタッフは生徒一人ひとりの成長段階や課題に応じて柔軟に対応方法を変え、きめ細かなサポートを行なっています。

生徒がやりたいことを見つけた場合、ときにはスタッフが他の生徒との橋渡し役となって活動の輪を広げるといった手助けもしています。

就労支援への展開

ー 今後、より強化していきたい点や取り組んでいきたいことがあれば、お伺いさせてください。

豊田:開校から7年目を迎え、生徒数も増加傾向にあるなかで、さらなる発展を目指しています。特に体験活動のメニューを増やすことで、生徒たちの選択肢を広げていきたいと考えています。

また、初期の生徒たちが成人を迎える時期となってきたことから、就労支援にも力を入れていく予定です。

スクールでの支援で完結するのではなく、実際の就労場面を想定した支援や就労後のフォローアップなど、一人ひとりの将来を見据えたサポート体制を整えていく考えです。

不登校の子どもたちとその保護者へのメッセージ

ーこの記事をご覧になるお子さんや保護者様に向けたメッセージをお願いします。

豊田:以前は不登校になると周りが落ち込んでしまいがちでしたが、今では学校に通うのと遜色ないほどの教育環境がフリースクールにあります。

不安を抱えている方も多いと思いますが、まずは一度見学に来ていただき、実際の雰囲気を感じていただければと思います。