発達障がいに寄り添うIT教育で未来を拓く―「テックキャンプ就労移行スクール」がめざす新しい就労支援のカタチ

発達障害に特化した支援と、実践的なIT技術教育を組み合わせた新しい就労移行支援施設が福岡で注目を集めています。日本発達障がいに特化した支援と、実践的なITスキルの習得を組み合わせた新しい就労移行支援施設が福岡で注目を集めています。

日本最大規模のプログラミングスクール「テックキャンプ」が立ち上げた「テックキャンプ就労移行スクール」では、発達障がい支援の専門家による手厚いサポートのもと、就職に直結するITスキルを身につけることができます。

開校からわずか8ヶ月で早くも4名がIT企業へ就職するなど、着実な成果を上げている同社の取り組みについて、事業責任者の片渕さんにインタビューしました。

「テックキャンプ就労移行スクール」の概要

ーまず御社の概要について教えていただけますでしょうか。

片渕さん:私たちの母体は株式会社divで、エンジニア転職をめざす大人向けのプログラミングスクール「テックキャンプ」を運営しています。元々は一般向けの事業を展開していましたが、2024年4月に福祉事業として初の就労移行支援施設「テックキャンプ 就労移行スクール」をオープンしました。

当スクールでは、発達障がいの方に特化した支援の提供と、「テックキャンプ」で培ったプログラミングをはじめとしたITスキル教育のノウハウにより、実践的なITスキルを身につけ、就職につなげていただくことができます。

利用条件と通所スケジュール

ー利用条件や通所スケジュールについて詳しく教えていただけますでしょうか。

片渕さん:就労移行支援施設は行政の取り決めにより、障がい福祉サービスの受給者証をお持ちの18歳から64歳までの方を対象としています。

スクールは日曜日を除く週6日、祝日も開校しており、営業時間は9時から17時までです利用頻度は個々の障がいの状況に応じて柔軟に対応していますが、一般就労をめざす観点から、卒業時点では週5回程度の通所を目標としています。 平均的な利用期間は1年2ヶ月程度ですが、これも受講生の状況により異なります。

実際、開校から8ヶ月で4名の方が卒業し、就職を果たされるなど、着実な成果を上げています。中には「テックキャンプ」で身につけたITスキルが評価され、上場企業に就職し、年収が前職の3倍になった受講生もいらっしゃいます。

事業立ち上げの経緯

ー就労移行支援事業を始められた経緯について教えていただけますでしょうか。

片渕さん:本社が東京にある中、私は福岡の事業所で働いていたのですが、経営陣から「福岡で新規事業を立ち上げられないか」という打診があり、複数の事業計画を提案する機会をいただきました。

その中で私が提案した就労移行支援事業の計画案が採用され、新規事業としてスタートすることになりました。 この事業を提案したのには、私自身の経験が大きく影響しています。私自身が発達障がい診断を受けているのですが、「日本には発達障がいに関する専門的支援が受けられる場所が殆どない」ことを実感していました。

「自分が本当に通いたいと思える支援・教育施設を作りたい」。この強い思いが、「テックキャンプ就労移行スクール」の立ち上げの原動力となりました。「テックキャンプ」で培ったITスキル教育のノウハウと発達障がい支援の専門性を掛け合わせることで、本来持っている可能性を活かせずに苦しんでいる当事者の方に向けたサービスをつくれると考えていました。

これまでの就労移行支援施設とは一線を画す、より専門的で実践的な支援を提供することで、発達障がいを持つ方々の可能性を最大限に引き出せる場所を作りたい。そんな思いで事業をスタートさせました。

サービスの特長と強み

ー「テックキャンプ就労移行スクール」の特長について教えていただけますでしょうか。

片渕さん:最大の特長は実践型の学習に重きを置いていることです。独自の取り組みである「働きがいプロジェクト」では、学んだITスキルを実際の案件で活用することで学びを深める目的で、勤怠やスキルレベル等の要件を満たした受講生に業務委託を行い、実際に報酬を得られる経験を提供しています。

このような実践的なプロジェクト型学習を提供している就労移行支援施設は、全国的にも珍しいと思います。 また、5000名以上のITエンジニアを輩出してきた「テックキャンプ」の実績あるオリジナル教材を使用している点も強みです。常に企業のニーズに合わせてカリキュラムのアップデートを行っており、IT系の就労移行支援施設の中でも、習得できる技術レベルは最高峰だと自負しています。

発達障がい支援の面では、全スタッフが発達障がいの学習支援サポーターの資格を保有。私自身も国際資格であるADDコーチアカデミーの認定コーチとして、アメリカで資格を取り、専門的な支援を提供しています。 学習環境も特性に合わせて細かく配慮しています。

ADHDの方の集中を妨げないシンプルなレイアウト、ワーキングメモリの課題に対応した外部モニターの貸出し、音に敏感な方向けの耳栓の貸出しなど、一人ひとりの特性に寄り添った環境づくりを心がけています。

発達障がい支援における独自の視点

ー発達障がいの方と接する際に大切にしていることはありますか?

片渕さん:私たちが最も大切にしているのは「他者化しない」という考え方です。「この人は障がい者だ」という区分けをせず、誰にでも程度の差こそあれ発達特性があるという認識のもと、受講生と向き合っています。

実際に受講生からは「これまでは障がい者として見られ、職場でも期待されることが少なかったが、テックキャンプでは強みに目を向けて、成長に期待してくれる」という声をいただいています。適切な配慮とともに、一人の可能性を持った人間として接することで、受講生の自信や自己肯定感の向上にもつながっているのです。

今後の展望

ー今後の取り組みについて教えていただけますでしょうか。

片渕さん:福岡はIT企業の誘致が進んだ自治体で、慢性的なIT人材不足が課題となっています。これらの誘致企業の多くは一定規模以上の企業も多く障がい者雇用の義務もあることから、私たちの卒業生が活躍できる可能性は大きいと考えています。

現在30名程度の方にご利用いただいていますが、今後は卒業生の方々が社会で活躍され、企業からも「テックキャンプ就労移行スクールから採用したい」と評価していただけるような人材を輩出していきたいと考えています。

読者へのメッセージ

ー最後に、スクールの利用を検討されている方へメッセージをお願いできますでしょうか。

片渕さん:私たちのスクールは「障がい者施設」ではなく「学校」というコンセプトで運営しています。そのため受講生同士の活発なコミュニケーションや、文化祭「TCSフェス」などのイベントを通じて、楽しみながら学べる環境を整えています。 発達障がい支援の専門家が常駐しているため、ご本人様はもちろん、ご家族の方にも安心してご利用いただけます。

就職に直結するITスキルの習得から、きめ細やかな就職支援まで、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すサポート体制を整えていますので、まずは一度見学にお越しください!無料カウンセリングで相談するだけでも、現状を整理し、新しい一歩を踏み出すきっかけになるはずです。