自身が幼少期から書道を続けてきた経験から、書の素晴らしさを次世代へ伝えたいという思いで教室を始めたHILOKI TANAKAさん。
単なる技術指導だけでなく、想像力や人間性を育む独自の指導法で人気を集める「滴游会HILOKI書道教室」の取り組みについてお話を伺いました。
教室概要と指導方針

ー教室の概要について教えてください。
HILOKI TANAKAさん:京都教室、滋賀教室、名古屋教室の3拠点で書道教室を運営しています。
京都と滋賀では小学生から一般の大人の方まで指導しており、名古屋教室は一般の方向けのお教室となっています。
小学生には書写教育として硬筆と毛筆を教えるだけでなく、想像力を伸ばすために墨を使って絵を描く授業も行っています。
すべての教室で私一人が指導を担当しており、少人数制で最大7〜8人までのクラス編成です。
教室を始めたきっかけと背景
ー書道教室を始められたきっかけや背景について教えてください。
HILOKI TANAKAさん:私自身、小学校1年生から現在42歳になるまで、ずっと同じ先生に習い続けています。
今でも週に1回お稽古に通い、書を学び続けている状況です。
私は書道を続けてきたことで今の自分があると感じています。
単に字を上手く書くことだけでなく、人間性も書道によって形成されたと思っています。
個性を伸ばしてくれる素晴らしい師匠に恵まれたこともあり、書道の素晴らしさを少しでも後世に残したい、自分がこのように成長できたのは書道のおかげだということを子供たちや一般の方にも伝えていきたいという想いで、約10年前に教室を始めました。
他の書道教室にない特徴

ー他の書道教室にはない特徴やアピールポイントについて教えてください!
HILOKI TANAKAさん:小学生に対しては、トメ・ハネ・ハライなどの書写教育をしっかり教えるのはもちろん、礼儀作法も重視し、しっかり挨拶ができるお子さんに育ってほしいと願っています。
また、最近はスマホですぐに答えが得られる時代ですが、子供たち自身が想像し考えることを大切にしています。
例えば、お習字で書く文字も自分が好きな言葉を考えてきてもらい、それを一生懸命書くという授業もしています。
さらに、自分の好きな絵を濃い墨で描いて、自分で磨った薄い色の墨を塗っていくという授業を通して、自分で考える力を伸ばすことを重視しています。
一般の方向けの指導では、「臨書」と呼ばれる中国の古典を模写することを基本としながらも、漢字一文字をかっこよく書く「一字書」や、文章を工夫して書く「現代文」、小筆できれいに書く「実用書」など、師匠の教室と連携した幅広いカリキュラムを2ヶ月を一区切りとして組んでいます。
レッスンで大切にしていること
ー先生がレッスンをされる際に大切にしていることについて聞かせていただけますでしょうか?
HILOKI TANAKAさん:生徒との距離感を大切にしています。
小学生から一般の方まで、入会される方には必ず「1年は辞めないでください」とお願いしています。
これは時間の経過とともに信頼関係が築かれていくからです。
初めて会った時に私が話したことを生徒さんが受け取れる量と、1年後に信頼関係が築かれてから話す内容の理解量は全然違います。
1年経たずに辞めてしまうと何も伝えられないままになってしまうのはもったいないと思います。
書道の門を叩くということはある程度の覚悟を持ってきてほしいので、「合わなかったら辞めればいい」という考えで来られると寂しく感じます。
そのため、普段から生徒さんとのコミュニケーションをしっかり取れるよう心がけています。
提供しているコース

ー提供されているコースについて教えてください。
HILOKI TANAKAさん:小学生の部、中高生の部、そして大人の一般の部という3つのコースを設けています。
今後の展望
ー今後強化したいことや将来的なビジョンについて教えてください!
HILOKI TANAKAさん:強化したい部分は自分自身のスキルです。
教える立場である自分が一番成長しないといけないと考えています。
先生が上からものを言うだけの姿勢では教室も停滞してしまいます。
自分自身が常に成長し続けることで、生徒さんにも絶えず新しいものを伝えられると思います。
強化したいのは生徒さんよりも自分自身の進化です。
入会を考えている方へのメッセージ
ー入会を考えていらっしゃる生徒さんへメッセージをお願いします!
HILOKI TANAKAさん:小学生の生徒さんには、他の先生よりも厳しい先生かもしれません。
ただ単に正しい字の形を教えるだけではなく、子供らしく一生懸命頑張ることの大切さを伝えたいので、一生懸命に取り組めていないと叱ることもあります。
しかし、身につけていただけるものは字が上手く書けることだけではなく、将来の人間性も大切に育てたいと思っています。
一般の方には、もちろん字を美しく書く技術は習うことで身につきますが、それに加えて普段体験できないような「漢字一文字をかっこよく書く」「文章を工夫して書く」などの学びがあります。
また、私は仕事として会社のロゴや阪神タイガース選手の名前をタオルに書くなどのデザイン書道も手がけていますので、そういったデザイン的な要素も学べます。
総合的に様々なことが学べる書道教室だと思っていただけると思います。