野球・学習・フリースクールで子どもの可能性を伸ばす ー 特定非営利活動法人VABBO KIDSの理念と実践

発達障害や不登校など、様々な課題を抱える子どもたちの居場所づくりに取り組む特定非営利活動法人VABBO KIDS。心理カウンセリングの知見を活かした独自のアプローチで、子どもたちの自己肯定感を育んでいます。今回はその理念と実践について代表の池田さんにインタビューしました!

VABBO KIDSの理念と活動内容

ー御社の事業内容と対象となる年齢層について教えてください。

池田さん:当社は主に子どもから青少年、大学生まで、おおよそ20歳までを対象に子どもたちを支援しています。私たちが最も大切にしていることは、将来の心の健康です。大人になってからの鬱病などの社会問題を予防する観点から、子どものうちから一人一人に自信をつけていくことを重視しています。

個性を大切にし、一人一人の存在を尊重しながら、勉強や野球などの活動を通じて、さりげない言葉のやり取りの中で、子どもたちの心を育てています。

事業の3本柱

ー具体的な活動内容を教えてください。

池田さん:特定非営利活動法人VABBO KIDSの活動は主に、「野球部門」「学習部門」「フリースクール部門」の3つです。

野球部門では、単なる技術指導にとどまらず、野球を通じた人間形成を重視しています。例えば、子ども同士でトラブルが発生した際も、双方の話をじっくりと聞き、「ここは良かったけれど、こういう部分は改善の余地があるね」といった具合に、建設的な対話を心がけています。

学習部門では、一人一人の学習進度や特性に合わせた個別指導を行っています。ここでも、単なる学力向上だけでなく、「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることで、学ぶ意欲と自信を育んでいます。

フリースクール部門は、不登校の子どもたちの居場所として機能しており、午前10時から午後3時まで、安心して過ごせる環境を提供しています。それぞれの子どもが持つ課題に寄り添いながら、徐々に社会性を育み、学校復帰や将来の自立に向けた支援を行っています。

設立の経緯と発展

ー設立の経緯について教えてください。

池田さん:当社は2011年に株式会社として設立され、2016年に特定非営利活動法人VABBO KIDSとして再スタートを切りました。NPO法人化の背景には、市役所との連携がより円滑になることや、フリースクール運営の観点から、非営利活動として展開する方が望ましいという理由があります。

設立のきっかけは現在のトップカウンセラーである小上が個人で行っていたカウンセリング事務所の活動を、より多くの子どもたちに広げていきたいという思いからでした。私と土井を含めた3人のスタッフで、この理念に賛同し、活動を開始しました。

VABBO KIDSの強みと成果

ー御社の強みや特徴的な点について教えてください。

池田さん:当社の強みは卒業生たちの人間性の高さです。道徳心が非常に高いレベルで育っており、中学校や高校に進学後も多くの子どもたちがキャプテンを務めるなど、周囲との調和を取りながらリーダーシップを発揮できる人材に成長しています。

これは自分を大切にすることで他者も大切にできるという我々の理念が、子どもたちに浸透している証だと考えています。否定的な言葉を使わないことを徹底し、お互いの意見を尊重し合う環境づくりを心がけた結果、学校の先生や監督からも高い評価をいただいているのかなと感じています。

子どもたちの成長と変化

ー活動を通じての子どもたちの変化について教えてください。

池田さん:3ヶ月から半年程度で、顕著な変化が見られます。例えば野球の場面では、最初はミスをした際に泣き叫んでしまうような子どもでも半年ほどで「次頑張ろう」と前向きに切り替えられるようになります。

私たちが最も重視しているのは、存在否定をしないことです。「自分はダメだ」という考えではなく、「ここが改善点だから、どうしていこうか」という建設的な思考へと導いています。これは日々の声かけを通じて、徐々に子どもたちの中に根付いていきます。

今後のビジョン

ー今後の展望について教えてください。

池田さん:現在活動の場を地域的に広げていくことを目指しています。現状では私ともう1名のスタッフでメインに運営しているため規模は限られていますが、新しい仲間と共により多くの子どもたちにアプローチできる体制を作っていきたいと考えています。

また当社には発達障害の診断を受けたお子さんや、学校に通うことが困難な子どもたち、他の施設では受け入れを断られたケースなど様々な背景を持つ子どもたちが来てくれています。そのため私たちは心理カウンセリングの資格を持つ専門家として、一人一人の子どもの存在を大切にしながら、確かな成長へと導いていきたいと考えています。

保護者の方へのメッセージ

ー最後に特定非営利活動法人VABBO KIDSの利用を検討されている方へメッセージをお願いします。

池田さん:子どもたちには様々な個性がありそれぞれに異なる悩みを抱えていらっしゃると思います。しかし、一つ確実に言えることは子どもの存在を大切にし続ければ、必ず成長していくということです。

もし今お子様のことで悩みが尽きずどうしたらよいか分からないという状況でしたらぜひ私たちにご相談ください。私たちは心理カウンセリングの専門家としてお子様一人一人に寄り添ったアプローチができます。安心してお問い合わせ、お預けいただければ幸いです。

現在、大阪と島根を拠点に活動を展開しており、各拠点には心理カウンセリングの資格を持つスタッフが常駐しています。お子様の未来のために、私たちができることを精一杯させていただきます。