福岡・佐賀拠点:基本を大切に10年、沖縄・八重山の三線教室の魅力

福岡を拠点に活動する沖縄・八重山の三線教室の代表、垣花真由美さんにインタビューを行いました。三線の基礎から八重山古典民謡まで、丁寧な指導と生徒同士の繋がりを大切にする教室の魅力に迫ります。初心者から上級者まで、各レベルに合わせたきめ細かい指導と、地域での演奏活動についてお話を伺いました。

基本を大切にする沖縄八重山三線教室

ー教室のご対象者、内容を教えてください!

対象は、20歳以上の成人の方です。レベルにもよりますが、基本的には歌と三線の指導をしています。最初は童謡とか皆さんご存じの沖縄のポップスを演奏します。慣れてから沖縄の石垣島を中心とした八重山諸島で伝わっている八重山古典民謡というのを教えています。

教室設立のきっかけと三線との出会い

ー三線はどういうきっかけで始められたんですか?

30年ぐらい前なんですけど、沖縄の「りんけんバンド」というグループが福岡にコンサートに来たんですね。それを見に行って、メンバーの方が三線を弾いてらっしゃって、憧れという感じです。

当時は三線を始めたいと思ったんですが、売っているところが無くて、インターネットもまだ発達していなかったものですから、和楽器屋さんを電話帳で調べました。宗像に1件だけ三線を販売してるところがあって、そこで楽器を買った時に、楽器屋さんから先生を紹介してもらいました。その時教えてもらった方は三線と津軽三味線の両方を教えている先生です。

ーレッスンを始められたきっかけや経緯があれば教えてください!

最初は、太宰府市の生涯学習センターから講師の依頼がありまして、そこで2年ぐらい講座を開いていました。講座を卒業した生徒さん達から続けたいという依頼があって、自主サークルを立ち上げました。それが、ある程度の人数が段々増えてきて、教室を作ることにしました。

他の教室にはない特徴とこだわりの指導法

ー他の教室にない特徴だったり、教室のアピールポイントを教えて頂きたいです!

基本的なところを本当に基本の基本から始めます。大体普通のところは三線の弾き方ぐらいから始めるんですけど、三線のケースを開けて、そこからどういう風に準備していくかというところから全部説明します。全く初めての方は、ケースの中に何が入ってるかも分からないので、そこから説明していきます。基本の弾き方、手の押さえ方、バチの動かし方、そういうところをしっかりやっていきます。

それから一番私が教える時に注意しているのは、音の合わせ方です。絃の音を合わせる時に、教室によってはチューナーという機械で音を合わせるところもあると思いますが、うちは全く使わずに「調子笛」という笛を鳴らして、その音で合わせます。耳を一生懸命使って、音の高さや微妙なずれを理解できるように耳を鍛えるためにですね。難しいんですけど、そういったところをしっかり練習していきます。

ー生徒の方に指導しているポイント、教える時に大事にしていることを教えてください!

発声や発音とか、特に民謡になってくると、私達が今喋ってる標準語とは違うんです。少し力の抜き具合とか、標準語にはない発音とかがどうしてもあるので、そういう発声の練習をしたり、歌の微妙な節回しのところとかを練習しています。

初心者や初級クラスのまだ経験の浅い方に関しては、三線がある程度弾けるようになっても、やはり歌いながら弾くというのが難しいので、しっかり大きな声を出してはっきりと歌えるようにというところをまず訓練しています。その後、上手くなってから民謡の方に進めるように段階を組んでいます。

各レベルに合わせた充実のコース内容

ー提供しているコースの種類と内容を教えてください!

①初心者クラス:文字通り初心者の方が1から練習するクラスです。「ふるさと」などの童謡から始めて、三線の速弾きができるようになるところまでを一応目標としています。

②初級クラス:ポップスでも少し曲の長いものや、手の位置を動かす曲を練習したり、簡単な八重山古典民謡の方に入っていきます。

③中級クラス:八重山古典民謡の割合がかなり増えてきます。ポップスも弾きますけど、半分以上は民謡になります。曲にも難易度があって、コンクール(検定試験のようなもの)で新人賞、優秀賞、最優秀賞という3段階があるんですが、中級クラスでは新人賞と優秀賞レベルまでの曲を練習します。

④上級クラス:より難しい曲を練習します。

場所によって異なるので、詳しくはホームページを見ていただければと思います。教室の頻度は、上級クラスは週1回、他のクラスは大体隔週になっています。

地域での演奏活動と生徒同士の繋がり

ー今後、強化していきたいことがあれば教えてください!

教室だけで稽古していると、どうしても教室では弾けるけど外ではなかなか…という感じになってしまうので、いろんなお客さんの前で演奏できるように、生徒の皆さんにレベルアップしてもらいたいと思っています。

これまでコロナでしばらく止まっていましたが、老人ホームや地区の祭りなどで演奏する機会をもっと増やしていければと思っています。おじいちゃんおばあちゃんたちはものすごく喜んでくださるんです。ニコニコして見てくださる前だと、演奏する方も良い感じで演奏できているので、そういった経験をいっぱい積んでいきたいです。

また、今年うちの教室が10周年を迎えますので、大舞台でしっかり皆が演奏できるように頑張っていきたいと思っています。毎年1回、人前で演奏することができるようにお披露目会を行っていまして、全教室の生徒さん達が課題とする曲を1つ選んで演奏します。初級クラスまでの皆さんはグループ演奏といって2、3人のグループで演奏し、中級上級クラスの方は1人で演奏するという形にしています。

生徒さんと私という関係ももちろん大事にしていますが、横の繋がりをとっても大事にしています。生徒さん同士が仲良くどんなことでも相談できるような感じで繋がれるように、お披露目会の他にも、懇親会などの行事も開いています。同じ教室だけでなく、他の教室の人とも面識が持てて仲良くなれるようにと考えています。

三線の魅力

ー今後入会を考えている方に向けてメッセージをお願いします!

三線は昔は全然知られていなかったんですけど、最近は色んなところで音色を聞く機会があるかと思います。興味を持たれた方は、ぜひお気軽に見学できますので、三線に触れてもらって三線の良さを感じていただければと思っています。他の楽器に比べると、そんなに高い楽器ではありませんので、最初始めるには3万円〜4万円弱ぐらいで準備ができます。

癒しの音色を楽しんだり、「お酒を飲みながら弾けるようになりたい」という方も意外といらっしゃるようです。最初は練習が必要ですが、慣れてくるとお酒を飲みながら歌いながらでも弾けると思いますので、少しでも興味を持たれた方はぜひお問い合わせいただければと思っております。


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