予備校講師として30年以上の実績を持ち、Z会の慶應大小論文予想問題作成など、小論文指導のプロフェッショナルとして活躍してきた講師が、独自のメソッド「ULTRA®メソッド」を用いた効果的な小論文対策について語ります。オンラインとオンデマンド学習を組み合わせた革新的な指導法で、1週間の集中学習で確実な実力アップを実現する秘訣に迫ります。
総合型選抜・学校推薦型選抜に特化した小論文指導
ー御社の小論文指導について、どのような方を対象にされているのかお聞かせください!
クロイワさん:大学入試で小論文が必要な受験生を対象としています。学校推薦型選抜、総合型選抜、一般選抜、すべての入試区分で小論文が課される受験生をサポートしています。基本的な指導形態はオンラインと動画ストリーミング、そして添削指導を組み合わせて行っています。
予備校講師経験から生まれた革新的な指導法
ー小論文指導を始められたきっかけについて教えていただけますか?
クロイワさん:もともと予備校で小論文の講師を務めていました。しかし、予備校のカリキュラムは必ずしも生徒にとって最適な学習環境ではないと感じていました。例えば、週1回の授業では学習効果が十分に得られません。むしろ、5日間連続で基礎から学ぶ方が、知識の定着という観点からも効果的です。この考えから、オンラインやオンデマンド学習を活用した、より柔軟な学習システムの構築を目指しました。
動画配信による指導は15年ほど前から始めていますが、実際の小論文指導自体は20世紀末から行っており、約30年の実績があります。また、Z会では慶應義塾大学の小論文予想問題を作成する仕事も担当し、何回も的中を果たすなど、精確な実績を残してきました。
総合型選抜時代における小論文指導の変化
ー近年、総合型選抜の導入により、小論文が必要な受験生が増えていますが、指導対象の変化などはありますか?
クロイワさん:顧客層自体に大きな変化はありません。私は予備校時代から、慶應義塾大学の小論文指導を担当する一方で、総合型選抜・学校推薦型選抜(かつてのAO入試・推薦入試)の指導も行っていました。短大レベルから東大など国立大学の後期試験レベルまで、幅広い層の生徒を指導してきた経験があります。ただし、総合型選抜の普及により、需要は確実に増加しています。
一般的に日本の受験指導システムはまだ一般選抜重視の傾向が強く、3年生の2学期になって初めて総合型選抜・学校推薦型選抜へのチャレンジを決める生徒が多いのが現状です。そこで、1ヶ月前後の短期間での対策を求められることが多く、そうしたケースにも対応するため、1週間程度の集中的な学習で合格を勝ち取るのに十分な実力をつける指導法を開発しました。
「ULTRA®メソッド」による体系的な指導
ーヘルメスゼミならではの特徴や強みについて教えていただけますか?
クロイワさん:私たちの最大の特徴は、「ULTRA®」という独自のカリキュラムです。これは、アメリカや欧州の大学でレポートを書く際に用いられる「パラグラフライティング」の手法をベースに開発したものです。この手法を学ぶことで、大学での学習にも直接役立つアカデミックスキルが身につきます。
具体的には、Understand(理解)、Logic(論理)、TRimming(整理)、Action(表現)という4段階で小論文作成プロセスを体系化しています。この手法に従えば、誰でも再現性の高い合格答案を作成することができます。
特に重要なのが「Understand」の段階です。小論文の採点では、出題者が求めている要素に的確に応答できているかが重視されます。例えば、「壁」というテーマが出題された場合、単に独創的な内容を書けばよいわけではありません。あくまでも「壁」をテーマの中心に据えなければならないのです。出題の意図を正確に理解し、それに応える内容を考え、書く必要があります。
実践的な思考法の習得
ー具体的な指導方法について詳しく教えていただけますか!
クロイワさん:「自分の考えを述べなさい」という課題に対して、私たちは「ケーススタディ(帰納法)」と「フレームワーク(演繹法)」という2つのアプローチを提供しています。
ケーススタディでは、例えば自然体験について書く場合、自身の具体的な経験から普遍的な要素を導き出します。一方、フレームワークは、環境問題や高齢社会、グローバリゼーションなど、テーマごとに基本的な考え方の枠組みを提供します。
これらの手法を習得することで、どのようなテーマが出題されても、論理的で説得力のある答案を作成することができます。
充実の指導コースと学習サポート
ーどのようなコース展開をされているのでしょうか?
クロイワさん:現在、以下の3つのコースを提供しています:
- 10回添削コース(税込33,000円)
- 全45回の動画教材視聴
- 10作品の添削指導
- 20回添削コース(税込55,000円)
- 全動画教材視聴
- 20作品の添削指導
- 過去問・予想問題添削コース(税込99,000円)
- 志望校の過去問や予想問題に特化した添削
- 約10題の問題演習と添削
添削は基本的に3日以内に返却し、迅速なフィードバックを心がけています。
今後の展望:早期からの小論文教育
ー今後の展望についてお聞かせください!
クロイワさん:現状では3年生になってから小論文対策を始める生徒が大多数を占めますが、理想的なのは1年生の段階から取り組むことです。
月に2回程度でも社会問題に対する考え方や小論文の書き方を学ぶことで、問題意識が深まり、大学への進学意欲も高まります。
今後は、低学年向けのエクササイズやロジカルシンキング教材の開発にも力を入れていく予定です。
受験生・保護者の方へのメッセージ
ー最後に、小論文対策をお考えの方へメッセージをお願いします!
クロイワさん:大学でのテストの多くはレポート形式です。また、就職活動ではエントリーシートの作成が必要になり、社会人になってからも社内外に向けた文書の作成など、論理的な文章力は延々と求められます。その意味で、小論文学習は将来の人生にもつながる重要なスキルの習得機会といえます。
国家資格キャリアコンサルタントの資格も持つ者としても、高校生の段階で小論文の学習に取り組むことは、将来のキャリアを大きく広げる可能性を秘めていると確信しています。ぜひ、この機会に小論文学習をスタートさせることをお勧めします。