近年、共働き世帯の増加に伴い、子どもの学習環境が大きく変化しています。保護者が子どもの学習を見守る時間が減少し、その代替として学習塾や家庭教師などにサポートを求めるケースが増えています。しかし、そういった従来型の学習支援は、必ずしもすべての家庭に適しているわけではありません。
そんな中、新学社が2024年4月に開始した「オンライン自習室 ともがく」が、新しい選択肢として注目を集めています。月額500円という手頃な価格で、小学生の学習習慣づけをサポートする画期的なサービスです。
従来の学習塾とは異なり、指導を行わない代わりに、全国の仲間と一緒に学ぶ環境と、親子のコミュニケーションを促進する仕組みを提供しています。今回は、このユニークなサービスの詳細について、プロジェクト担当者の丸井 太成氏にお話を伺いました。
小学生に特化した『オンライン自習室 ともがく』のサービス概要
ー 「オンライン自習室 ともがく」の概要について教えてください。
丸井 太成様:「オンライン自習室 ともがく」は、小学1年生から6年生を対象としたサービスです。特徴的なのは、従来の塾とは異なり、指導を一切行わないという点です。純粋に勉強する場を提供することに特化しています。
このサービスを立ち上げた背景には、新学社が50年以上展開している月刊ポピーでの知見があります。家庭教育教材を利用される保護者様へのアンケートを通じて、最も求められているのが学力の向上ではなく、学習習慣の定着だということが分かってきました。その需要に応えるため、2024年4月からサービスを開始しました。
また、弊社の理念として「保護者とお子様の関係性のサポート」「親子の時間の手助け」を大切にしています。近年、共働き世帯が増加し、保護者が子どもの学習を見る時間が減少している現状があります。そういった課題に対する一つの解決策として、このサービスを構想しました。
学習習慣形成を支える4つの特徴
ー 他のオンライン学習サービスとの違いについて教えてください。
丸井:本サービスには4つの大きな特徴があります。
1つ目は、「毎日決まった学習時間での習慣化」です。好きな時間に入室できるのではなく、例えば「毎日夕方6時から学習開始」というように、固定の時間を設定します。これは一種の縛りにも見えますが、ゲーミフィケーション要素と組み合わさることで、心地よい強制力として機能します。「そろそろ6時だから、ともがくを始めないと」という自然な流れを作ることができます。
2つ目は、「全国の仲間と一緒に学習」できる環境です。決められた時間に最大12名でチームを組み、お互いの学習の様子を見ることができます。他の子どもたちも頑張っている姿を見ることで、「自分も頑張らなきゃ」という気持ちが自然と生まれてきます。全国各地の子どもたちとつながることで、普段の生活では得られない刺激も得られます。
3つ目は、「継続したくなるゲーミフィケーション要素」です。例えば10日連続でログインするとバッジが獲得できたり、合計学習時間に応じて特別なアイテムがもらえたりと、小学生が楽しみながら続けられる仕組みを豊富に用意しています。
4つ目は、「プライバシー保護機能」です。他の参加者の画面は確認できますが、背景や顔は見えないようにぼかしを入れ、音声もミュートにしています。安全に学習できる環境を整えています。
親子のコミュニケーションを促進する独自の仕組み
ー 親子のコミュニケーション促進について、より具体的な仕組みを教えてください。
丸井:最も重要な機能の一つが、学習終了時の通知システムです。学習時間が終わると、保護者の方に「今日は国語を何分勉強しました」といった学習ログが自動で送信されます。保護者はそれに対して「今日も頑張ったね」「素晴らしい!」などのメッセージを送ることができます。
この機能により、例えば仕事中や帰宅途中の電車の中からでも、子どもの頑張りにすぐに反応することができます。実際の家庭では「宿題やった?」という一言が親子喧嘩の火種になることも少なくありません。しかし、このシステムを活用することで、子どもが自主的に学習を進め、保護者は適切なタイミングで褒めることができます。
帰宅後も「今日もともがくで宿題頑張ったね」という自然な会話が生まれ、親子の良好なコミュニケーションサイクルが形成されていきます。子どもは認められることで学習意欲が高まり、翌日も頑張ろうという気持ちになります。
50年の教育支援実績が生んだサービス設計
ー 新学社様は長年、教育支援をされていますが、その経験をどのように活かされているのでしょうか?
丸井:新学社は月刊ポピーを通じて50年以上、ご家庭の教育支援を行ってきました。また、小中学校向けのドリルやワークなども提供しており、教材面での豊富なノウハウを持っています。ですが、「ともがく」では敢えてそういった教材は使用せず、子どもたちが自由に学習できる環境を提供しています。
50年の経験から得た最も重要な知見は、小学生の学習習慣形成には保護者からの適切な働きかけが非常に重要だという点です。近年、共働き世帯が増加し、親子の時間が減少する中で、学習面のサポートを塾や家庭教師にアウトソーシングする傾向が強まっています。
もちろん、それらの選択肢を否定するわけではありません。しかし、子どものモチベーション維持には、保護者からの言葉がけが大きな影響を与えます。特にテストで高得点を取った時だけでなく、日々の小さな努力を認めることが重要です。
柔軟な利用時間と手頃な料金設定
ー 利用時間と料金プランについて詳しく教えてください。
丸井:月額500円のシンプルな料金体系です。学年によって学習時間が異なり、小学1、2年生は15分、3年生以上は25分の学習時間を設定しています。これに加えて、フリー自習室の利用も可能です。
利用可能な時間帯は、平日朝は6時半から、土日祝日は8時からスタートできます。夕方以降は5時、6時、7時、8時からの時間枠を用意しています。時間枠は1時間刻みで設定されており、子どもたちの生活リズムに合わせて選択できます。
また、最近のアップデートで、決められた時間以外でも参加できるフリー自習室機能を追加しました。例えば習い事や家族の用事で通常の時間に参加できない場合でも、フリー自習室を利用して学習を続けることができます。フリー自習室では、通常の学習時間(15分または25分)を超えて学習することも可能です。
全国の仲間とつながる学習環境
ー 参加している他の子どもたちとの交流については、どのようになっているのでしょうか?
丸井:「ともがく」の大きな特徴は、全国各地の子どもたちと同時に学習できる点です。例えば北海道の子どもと沖縄の子どもが同じチームになることも珍しくありません。
小学生の世界は、家庭と近所と学校が中心になりがちです。しかし、「ともがく」を通じて、遠く離れた場所にも同じように勉強を頑張っている仲間がいることを知ることができます。これは子どもたちの視野を広げ、新しい気づきやモチベーションにつながっています。
現在のシステムでは、プライバシー保護の観点から、参加者同士の直接的なコミュニケーションはできない設定になっています。しかし、画面越しに互いの学習する姿を見ることで、適度な緊張感と連帯感が生まれています。
今後の展望と発展の可能性
ー 今後のサービス展開について、お考えをお聞かせください。
丸井:2024年4月にスタートしたばかりのサービスということもあり、現状での最大の課題は認知度の向上です。保護者が子どもの学習支援を考えた際、まず思い浮かぶのは学習塾や家庭教師、通信教育といった従来の選択肢です。「オンライン自習室」という選択肢はまだ一般的ではありません。
特に小学生向けのオンライン自習室は、他社でもほとんど展開されていない分野です。中学生以上を対象としたオンライン自習室は増えていますが、小学生に特化したサービスは珍しい状況です。
学習塾などと比較しても、月額500円という手頃な価格設定で、7日間の無料お試し期間も設けています。より多くの方に知っていただき、学習塾、家庭教師に続く第三の選択肢として認知いただくことが当面の目標です。
将来的には、例えば子ども同士が交流できる機能など、新しい機能の追加も検討しています。ただし、その際も保護者の方に安心いただけるように、小学生の特性に合わせた、安全で使いやすい設計を心がけていきたいと考えています。
これからの学習習慣づくりに向けて
ー 最後に、サービスの利用を検討されている方へメッセージをお願いします!
丸井:保護者の皆様には、お子様の学習習慣づくりの新しい選択肢として、ぜひ「ともがく」を検討いただきたいと思います。特に「宿題をめぐる親子の小さな衝突をなくしたい」「子どもの自主性を育てたい」といった課題をお持ちの方に、きっとお役に立てると確信しています。
月額500円で始められ、7日間の無料お試し期間もありますので、まずは気軽にお試しください。お子様の学年や生活リズムに合わせて、無理なく始められるよう設計されています。
お子様にとっても、全国の同世代の仲間と一緒に学べる貴重な機会になると思います。GIGAスクール構想でデジタル教育が進んでいますが、広範囲の仲間と一緒に学習できる機会はまだまだ珍しいものです。
毎日の宿題や学習を、より楽しく、より継続的に行える環境を、私たちは提供していきたいと考えています。新しい形の学習習慣づくりに、ぜひ「ともがく」をご活用ください。