不登校の子どもたちを支援する完全個別指導のオンライン学習会「ノ・マド」の取り組み

今回、完全個別指導のオンライン学習会「ノ・マド」を運営する田重田さんに、フリースクールから始まった不登校支援の取り組みや、オンライン学習の可能性について詳しくお話を伺いました。ノ・マドの特徴や生徒へのアプローチ方法、そして今後の展望についても語っていただきました!

完全個別指導のオンライン学習会「ノ・マド」の概要

ーまずは、今回取材させていただくスクールの正式名称を教えてください!

田重田:完全個別指導のオンライン学習会「ノ・マド」という名前でやっています。完全予約制・完全個別指導の形式で、不登校や発達障害の子どもたちを中心にサポートしています。

ーどのような方を対象としていて、どういう指導を行っていますか?

田重田:もともとはフリースクールを運営している団体で、不登校のお子さんを支援する民間のスクールです。「ノ・マド」は、その事業から派生したオンライン学習支援事業として、コロナ禍に始まりました。最初はフリースクールに通っていた子どもたちが対象でしたが、今は全国の小中学生を対象に学習支援を広げています。特に不登校や引きこもりで学習の機会を失っているお子さんを中心に受け入れていますし、発達障害や普通の塾では受け入れを断られるようなお子さんたちも対象です。

マンツーマンでの指導スタイル

ー指導内容について、マンツーマンで行うとのことですが、具体的にはどのように進められていますか?

田重田:全ての授業はマンツーマンです。週1回1時間、月4回が基本のスタイルで、担当制なので固定の先生が責任を持って指導に当たります。

「ノ・マド」事業を始めたきっかけ

ーこの事業を始めることになったきっかけを教えてください!

田重田:コロナがきっかけで始まった事業です。最初は、フリースクールに来ていた子どもたちが、コロナの影響で教室に通えなくなったことから、Zoomを使って自宅で学習支援を始めました。その後、緊急事態宣言が解除されると、子どもたちはフリースクールに戻ってきましたが、その頃から不登校のお子さんへの相談が急増したんです。実際、コロナを経て不登校の数は全国で16万人から30万人ほどに倍増しました。そうした現状を踏まえ、私たちも支援をフリースクールの子どもたちだけでなく、全国の小中学生に広げることにしました。

「ノ・マド」の強みと独自性

ー他の不登校支援や発達障害を対象としたスクールと比べて、御社の強みや独自のアピールポイントは何でしょうか?

田重田:私たちの目的は、学力を向上させることよりも、まず学習に取り組む習慣をつけることです。学習の習慣がなく、普通の塾では難しいお子さんたちが、まずは勉強に取り組むことから始められるよう支援しています。また、私たちはコミュニケーションを重視していて、授業の中で勉強だけでなく、興味を引き出す話題や活動も取り入れています。

たとえば、私たちの先生は日本全国だけでなく、海外15か国にも散らばっています。現地の話や文化について話してもらうことで、外の世界に目を向けるきっかけを提供しています。不登校の子どもたちは、自分の狭い世界に閉じこもりがちですが、世界中の人と話すことで大きな刺激を受け、自分の中に変化を起こせるんです。また、オンラインなら自宅から参加できるので、外出が難しいお子さんでも画面越しにコミュニケーションを取れるというのは大きなメリットです。

生徒とのコミュニケーションと指導方針

ー生徒さんとのコミュニケーションや、指導する際に特に重視しているポイントはありますか?

田重田:私たちが最も大切にしているのは、生徒一人ひとりの状態に合わせたコミュニケーションです。無理に勉強を押しつけるのではなく、まずは人と話せるようになることや、勉強に取り組む意欲を引き出すことを目指しています。たとえば、最初は1時間座って画面の前にいることを目標にすることもあります。各生徒に合わせて、個別に学習の目標や計画を立て、無理なく進めていくことが大切だと考えています。

基礎学力向上プログラムとその他のクラス

ー学年や目的ごとのプランやコースについても教えてください!

田重田:たとえば、小学生向けの基礎学力向上講座は1回60分の授業が月4回で6800円です。中学生は同じく月4回で1万円です。科目ごとに区切るのではなく、1時間の授業の中で数学をやってもいいし、英語をやってもいいという形にしています。ICT教材を使いながら進めるので、効率的に学習を進められるよう工夫しています。また、プログラミングクラスや英会話、ピアノ、アートなどのレッスンも提供しています。勉強と体験型クラスを組み合わせて、例えば月1万円や1万5000円のパックとして受講することも可能です。

今後の展望と新しい取り組み

ー今後の展望や強化していきたいポイントについてお聞かせください!

田重田:今は小中学生向けですが、来年度からは高校生向けのサポートにも力を入れていきます。特に、通信制高校に通っているお子さんの学習サポートに重点を置き、総合的な学習支援を目指します。また、今後は、学校に通っているけれども塾には通えない子どもたちのサポートも強化したいと考えています。課題の管理が苦手な生徒のサポートや、学校の宿題を一緒に取り組むなど、幅広い学習支援を行っていく予定です。

生徒や保護者の方へのメッセージ

ー最後に、不登校や発達障害をお持ちの生徒さんや保護者の方に向けてメッセージをお願いします!

田重田:学校や塾に通えないけれども、本当は勉強をしたいと思っているお子さんがたくさんいます。でも、家では1人で勉強に取り組めないという子も多いですよね。私たちと一緒に1時間の学習時間を作ることで、少しずつ学習に取り組むことができるようになります。また、進路やその先の未来についても一緒に考えていくことができますので、気軽にご相談いただければと思います。

自治体の支援やバウチャー制度

田重田:私たちのプログラムは、いくつかの自治体で提供されている教育バウチャーが使えます。たとえば、大阪市では月1万円の塾代助成制度があり、これを利用すれば無料で受講できるプログラムもあります。その他にも、千葉県や那覇市など、様々な自治体でサポートを受けられる制度がありますので、経済的に厳しい家庭でも安心してご利用いただけるようになっています。詳しくは自治体のホームページで確認できますので、ぜひチェックしてみてください。