一人ひとりの特性に寄り添う学び ー 発達障害・ギフテッド教育のプロが語る新しい個別指導のカタチ ー リバランス株式会社 津嘉山さんインタビュー

発達障害やギフテッドの特性を持つ子どもたちにとって、従来の教育システムへの適応は大きな課題となっています。画一的な指導方法や型にはめる教育では、個々の特性を活かしきれず、本来持っている能力を十分に発揮できないケースも少なくありません。

このような課題に向き合い、オンラインによる個別指導で新たな教育の可能性を切り拓いているのが、リバランス株式会社です。同社では「アコモデーション」という考え方を軸に、一人ひとりの特性に合わせた丁寧な指導を展開。発達検査の結果を独自に分析し、具体的な学習方針を提案することで、子どもたちの可能性を最大限に引き出すサポートを行っています。

今回は同社代表の津嘉山晋弥さんに、特性を持つ子どもたちへの教育アプローチや、フリースクール・通信制高校との連携による新たな展開について詳しくお話を伺いました。

特性を持つ子どもたちに寄り添う個別指導の形

津嘉山:発達障害・ギフテッドを持っている小中学生向けのオンライン個別指導塾を運営しています。元々2010年から発達障害向けの個別指導塾に携わっており、2023年に独立して現在の事業を始めました。現在は約80名の生徒さんが在籍しています。

ー他社にはない独自の強みについて教えてください!

津嘉山:具体的なノウハウですね。私たちは「アコモデーション」と「モディフィケーション」という2つの考え方を大切にしています。アコモデーションは、普通教育の中でその特性をどう工夫していくかという考え方です。一方、モディフィケーションは普通教育に付いていこうとか、受験の仕様や学年相当の学力でやろうという発想がありません。

多くの塾はモディフィケーションの前提で、特別支援学級のように無理をさせずに出来ることをやらせようというアプローチを取ります。しかし、私たちはアコモデーションという発想で、どうやったら普通教育に適応できるかというノウハウを持っているのが特徴です。

特性に寄り添う「アコモデーション」と「モディフィケーション」の違い

ー「アコモデーション」と「モディフィケーション」という2つの考え方には具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

津嘉山:アコモデーションは、普通教育の枠組みの中で、お子さんの特性に合わせて「どのように工夫していくか」という考え方です。例えば、同じ教科書や教材を使いながら、その子に合った学習方法や環境を整えていく。つまり、目標は変えずに「やり方」を調整するアプローチです。

一方、モディフィケーションは特別支援教育でよく見られる考え方で、普通教育の枠組みや受験、学年相当の学力にこだわらないアプローチです。お子さんの現状に合わせて学習内容自体を変更し、無理のない範囲で学習を進めていきます。

ー貴校ではアコモデーションを重視されているそうですが、その理由を教えていただけますか?

津嘉山:多くの発達障害向けの教育機関では、モディフィケーションの考え方が主流です。確かに、お子さんの負担を考えれば理にかなったアプローチです。しかし、このアプローチだけでは、進学や将来の選択肢を狭めてしまう可能性があります

私たちは、特性があってもより多くの可能性を持てるよう、アコモデーションを重視しています。発達検査の結果を詳細に分析し、それぞれのお子さんの特性に合わせた学習方法を具体的に提案。例えば、視覚的な情報処理が得意なお子さんには図や表を活用した説明を取り入れたり、聴覚的な理解が優れている場合は音声での学習を増やしたりと、個別の工夫を重ねています。

その結果、特性を持つお子さんでも通常の教育課程や受験に対応できるようになり、より幅広い進路選択が可能になっています。もちろん、すべてのお子さんにアコモデーションだけを適用するわけではありません。状況に応じてモディフィケーションも取り入れながら、一人ひとりに最適な学習環境を整えています。

一人ひとりに合わせた柔軟な指導体制

ー生徒さんに向き合う際に特に意識されていることはありますか?

津嘉山:型にはまらないということですね。学校や一般的な塾のような、型にはめる教育が特性のあるお子さんには合わないんです。基本的に、相談時にはウィスク(発達検査)の結果を提出していただきます。このデータから勉強面にどういう影響があるかを掘り下げて解釈し、それを元に個別の指導方針を提案しています。

結果を受け取っても、優しく抽象的に書かれているため具体的な活用方法が分からないというご家庭が多いです。そこを具体的な行動指針として落とし込んでいくのが私たちの役割です。

多様なニーズに応える指導プラン

ー提供されているコースやプランについて教えてください。

津嘉山:指導方法は全員違います。プランも個別に設定していますが、基本的には週1回60分をミニマムとして、90分や120分のコース、週2回・週3回など、ニーズに合わせて選べるようにしています。基本となる料金体系を下記でご紹介します。

ー入会時の費用について教えてください。

津嘉山:入会時には入会金18,000円(税込19,800円)が必要です。また、年間管理費として24,000円(税込26,400円)をいただいております。これらの費用は、お子さま一人ひとりに合わせた学習計画の作成や、継続的な学習管理、保護者様へのフィードバックなどに充てられます。

ー月々の指導料金はどのようになっていますか?

津嘉山:基本プランは月4回、1回60分の個別指導となります。講師は「プロ講師」と「セミプロ講師」の2種類からお選びいただけます。

  • プロ講師による指導:月謝32,000円(税込35,200円)
  • セミプロ講師による指導:月謝20,000円(税込22,000円)

お子さまの学習状況や目標に応じて、指導回数や時間を調整することも可能です。例えば90分コースや週2回、週3回のプランなど、柔軟に対応させていただきます。

また、特徴的なサービスとして、質問回数無制限の「質問チャット」を付帯サービスとしてご利用いただけます。これにより、授業時間外でも学習のサポートを受けることができます。

重要なポイントとして、通信費や施設維持費など、不明瞭な追加費用は一切発生いたしません。ご提示した料金の中で、すべてのサービスをご利用いただけます。

このような明確な料金体系により、保護者の皆様に安心して継続的な学習支援をご利用いただいております。お子さまの状況や目標に合わせて、最適なプランをご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

フリースクール・通信制高校との連携による新たな展開

ー今後の展開についてお聞かせください。

津嘉山:関連会社のフリースクールと通信制高校の強化を考えています。中学受験や高校受験で希望校に進める子もいますが、そもそも学校に通うことが難しいお子さんも多いです。

そこで、沖縄県にある八洲学園大学国際高校と提携し、通信制のフリースクール及びサポート校を9月から開始しました。

通信制高校には発達障害のお子さんが多いものの、手厚いサポートが難しい現状があります。このギャップを埋めていくことが、次なる展開のテーマです。

個性を活かした成長をサポート

ー最後に、入会を考えている生徒さんや不安を抱えている保護者の方へメッセージをお願いします。

津嘉山:発達障害やギフテッドは、障害ではなく特性として捉えています。いわば顕著な個性です。その特性に合わせたやり方を採用していけば、能力自体は伸びなくても、自己コントロールや習慣化などのスキルは必ず磨くことができます。その結果として、良好な成績を取ることも可能です。

検査結果があまり良くなかったとしても、諦めずに前向きにご相談いただければと思います。

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