「英語は母国語と同じように自然に身につけられるはず」
そう語るのは、英会話スクール「English Playtime」代表のスミシーまゆみ氏です。テキストに縛られる従来の英語教育に疑問を感じ、約10年前に独自の教育メソッドを掲げて教室を開校。特筆すべきは、スミシー氏自身が留学経験なしで英語を習得し、さらにはその経験を活かして娘もバイリンガルに育て上げたことです。
「アメリカ人の夫がいるから英語ができて当然」と思われがちだが、実際はそう単純ではありません。母国語を覚える赤ちゃんの言語習得プロセスを参考に開発された独自の教育メソッドと、家族ぐるみで英語を学ぶ革新的なアプローチで、着実な成果を上げてます。
テキストに頼らない自然な英語習得法とは?家族で取り組む独自の学習スタイルとは?そして、なぜ留学なしでバイリンガルになることが可能なのか?英語教育の新たな可能性を追求する「English Playtime」の挑戦に迫ります。
テキストに頼らない、自然な英語習得を目指して
ースクールの概要と、どのような指導を行っているのかについて教えてください。
スミシーまゆみ代表:対象は0歳からご年配の方まで、本当に全年齢層を対象としています。私たちの最大の特徴は、テキストを使用しない指導方法です。これは、赤ちゃんが母国語を覚える過程からヒントを得ています。赤ちゃんにテキストを見せて言葉を教えることはありませんよね。両親との自然なコミュニケーションの中で言葉を習得していくのです。
もちろん、生徒さんの目的に応じて本を読んだり、文法練習用のプリントを使用したりすることはありますが、「このレベルはこのテキスト」といった画一的な指導は一切行っていません。3歳以降の生徒さんや大人の場合は、すでに日本語が確立されているため、英語との違いを意識した指導も必要になります。しかし、それも生徒さん一人一人に合わせた形で提供しています。
大手英会話スクールでの経験から生まれた新しいビジョン
ー「English Playtime」を設立された経緯について教えてください。
スミシー:約10年前に、アメリカ人の夫と二人で設立しました。それまで夫は大手英会話スクールで講師をしていましたが、決められたテキストを決められたペースで進めなければならないという制約に大きな疑問を感じていました。例えば、3ヶ月でこのテキストを終わらせなければならないといった具合です。生徒の理解度に関係なく進度を維持しなければならない状況に違和感があり、本当に効果が実感できる英語教育を実践したいと考えたのが始まりです。
特筆すべきは、私自身が留学経験なしで英語を習得できたということです。また、現在14歳の娘も海外経験なしでバイリンガルに育っています。両親のどちらかが外国人だから英語が話せるのは当然だと思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。これは、私たちの教育メソッドの効果を証明する良い例だと考えています。
独学での英語習得法から得た知見
ースミシー様ご自身の英語学習について、もう少し詳しく教えていただけますか?
スミシー:私の時代は中学校から英語教育が始まり、特別な英語教育を受けていたわけではありません。転機となったのは初めての海外旅行でした。その時に英語の面白さに気づき、次の旅行までにもっと上達したいと思ったのです。
当時、英会話スクールは非常に高額で、手が出ませんでした。そこで選んだ方法が、映画を使った独学です。1日5~6本の映画を英語字幕で見続け、セリフの意味を文脈から理解していく方法を取りました。登場人物の反応から、「この言葉は良い意味だな」「これは使っては駄目な表現だな」といったことを学んでいきましたね。
アセスメントを重視した独自の指導法
ー他の英会話スクールにない特徴やアピールポイントを教えてください。
スミシー:最大の特徴は、「徹底したアセスメント(客観的な評価をして対策を打つこと)」です。他のスクールの多くはテキストに沿って進めていくため、生徒の進度や理解度があまり考慮されません。私たちは、ボードゲームなどを使って楽しみながら、「この子は英語がどの程度出てくるか」「‟TH”の発音ができているか」「文法の理解度はどうか」といった評価を常に行っています。
例えば、同じようなゲームを複数回行う中で、前回できなかった発音が今回も改善されていない場合、そこに課題があると判断し、その部分を重点的に指導していきます。この一人一人に合わせたアプローチが、他のスクールにない私たちの強みです。
英語を日常に組み込む革新的なアプローチ
ー指導の際に特に意識されていることはありますか?
スミシー:最も重視しているのは、生徒さんが英語を嫌いにならないことです。私たちのアプローチはユニークです。英語を「好きか嫌いか」選択できる状況を作らないようにしています。例えば、当校で最も人気のあるファミリーレッスンでは、親子で一緒に学びます。これにより、スクールで学んだことを家庭でも実践できる環境が自然と整います。
また、大人の生徒さんには、日常のルーティンに英語を組み込むことを推奨しています。通勤時は英語のポッドキャストを聴く、料理中は英語の動画を見るなど、日常生活の中に自然と英語が入り込むような工夫をお勧めしています。このように、英語に触れる時間を意識的に作ることで、着実な上達につながっていきます。
ファミリーレッスンの革新的な取り組み
ー特に人気があるというファミリーレッスンについて、もう少し詳しく教えていただけますか?
スミシー:ファミリーレッスンは、30分ずつ子どもと保護者に分けて行います。特徴的なのは、家族の人数に関係なく料金が一定というところです。例えば、お子さんが3人いる5人家族でも、料金は変わりません。
また、他のスクールでよく聞く「分離不安で泣いてしまう」といった問題も解消できます。保護者のレッスン時も同じ部屋で待機できるため、親子ともに安心して学習に取り組めます。レッスン内容は、文法にはあまりこだわらず、実践的なコミュニケーションに重点を置いています。なぜなら、文法にこだわりすぎると、「これは何を使うべきだったか」と考えすぎて、スムーズな会話ができなくなってしまうからです。
柔軟な料金体系と多様なプログラム
ー提供されているコース全般について教えてください!
スミシー:主に3つのプランを用意しています。先ほどお話したファミリープランの他に、2歳から大学生までを対象とした学生向けプラン、そしてビジネス英語や映画を字幕なしで楽しみたい方向けの大人向けプランがあります。
新規の生徒さんには、最初の1ヶ月は遊び感覚で英語に慣れていただきます。特に子どもたちには、数字を使ったゲームなどを通じて自然に英語に触れる機会を作ります。発音や文法の課題が見つかった場合も、すぐには指摘せず、しばらく様子を見てから適切なタイミングで指導を行います。
大人の方には、オンラインゲームを活用した発音チェックなども行っています。例えば、日本人にとって特に難しい「A、O、U」の音の聞き分けから始めるなど、段階的な学習を心がけています。
未来へ向けた展望
ー今後の展望について教えてください。
スミシー:小規模なフランチャイズのような形で、「English Playtime」を各地に展開していきたいと考えています。必ずしもネイティブスピーカーの講師である必要はなく、英語を教えたいという想いを持つ方々、特に子育て中の方などと協力していきたいですね。
この10年間で、生徒との関係性構築や集客方法など、多くのことを学んできました。開校当初は、お金のやり取りや集客の方法など、様々な課題がありました。そのノウハウを活かし、講師の方々には教育に専念していただける環境を作っていきたいと考えています。
誰もがバイリンガルになれる!
ー最後に、入会を検討されている方へメッセージをお願いします!
スミシー:私が何よりもお伝えしたいのは、「英語のバイリンガルには誰でもなれる」ということです。多くの方が最初から諦めてしまっている現状がありますが、それを打破したいと思っています。
私自身、留学経験なしで英語を習得できました。そして、その経験を活かして、娘もバイリンガルに育てることができました。これは決して特別なことではありません。英語習得に「絶対無理」はないのです。
ただし、従来の文法中心の学習方法では、なかなか上達が難しいかもしれません。私たちは、生徒さん一人一人の特性を理解し、最適な学習方法を提供していきます。皆様も、ぜひ私たちと一緒に新しい可能性に挑戦してみませんか?